PG BATTLE 2022 「大学&大学院、高専、専門学校の部」優勝チームインタビュー

 2023.05.09  株式会社システムインテグレータ

PG BATTLE 2022 「大学&大学院、高専、専門学校の部」優勝者である、東京大学『The Raspberry Candies』チームの皆様にインタビューを行いました!

プログラミングを始めたきっかけやPG BATTLE参加の経緯、コンテスト当日の様子などお伺いしましたので、是非ご覧下さい!


●PG BATTLE 2022ホームページ
https://products.sint.co.jp/pg_battle_2022

東京大学『The Raspberry Candies』チームのご紹介

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※笑顔がまぶしい『The Raspberry Candies』の3名さま!PG BATTLE 2021高校、中学、小学校、その他スクールの部(18歳以下)」優勝チームの『KMB76と同じポーズをキメてくれました!学年は、PG BATTLE 2022参加当時のものとなります。
() 東京大学 工学部4年 片山佳祐氏:ましゅまろ担当
(中) 東京大学 医学部4年 知念慶氏:せんべい担当
(右) 東京大学 工学部4年 黒川拓暉氏:かつおぶし担当

The Raspberry Candies』チームはPG BATTLE 2022の「大学&大学院、高専、専門学校の部」134チームの中で、見事1位を勝ち取られました。また、満点が全378チーム中4チームのみという険しい戦いの中で、堂々の1位となっています。そして、合計点:300/300点、タイム:13032/270分という好記録は、同じく満点の2位チームとわずか90秒差!結果発表会でも大興奮の順位争いとなりました。

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インタビュー:PG BATTLE 優勝までの道のり

PG BATTLE 2022の優勝おめでとうございます!参加の経緯を教えてください。

(黒川ICPC(International Collegiate Programming Contest: 国際大学対抗プログラミングコンテスト)で同じチームで参加することになっていて、PG BATTLEも同じ3人1チームだし、出てみない?って片山から誘われて参加することにしました。

(記者) ICPCアジア地区大会では5位入賞でしたね。おめでとうございます。

(全員) ありがとうございます!

(記者) PG BATTLEのことはご存じでしたか?

(知念) はい、知っていました。知ってはいたんですが、これまでは周りに競技プログラミング(以下競プロ)をやっている人がいなくて参加できなかったんです。今回は誘ってもらったので参加できることになりました。

(記者) みなさん、今回が初参加ですか?

(片山) はい、全員初参加です。

(記者) 初参加で初優勝されたのですね!すごいですね!

プログラミングや競プロをはじめたきっかけは?

(片山) 大学1年の時に、人と競う何かに取り組みたいと思っていました。そんなとき、競プロをやってるクラスメイトがいて、教えてもらってやり始めたのがきっかけです。高校の時は競プロの存在すら知らなかったです。

(黒川) 中2の時の数学の先生が元プログラマーの人で、その先生が授業中に雑談でプログラミングの話をしてくれました。そこからプログラミングに興味を持って少しずつ触れていったのがきっかけです。高校で器械体操部に入ってからは遠ざかっていたのですが、高3の春に部活を引退して時間ができたので、せっかくだからプログラミングを再開しようと思った時に、AtCoderを知って競プロに取り組み始めました。

(片山) 高3の春ってなかなか危険なタイミングだね。(一同笑)

(記者) そうですね、高3の春はなかなか忙しそうですが・・・

(黒川) 部活ばっかりやっててそれが一気になくなったから、受験勉強以外で取り組めるものが欲しかったんです。

(記者) 学校の先生の影響で、打ち込めるものを見つけられるのはいいことですよね。黒川さんが今、プログラミング大会で大活躍されていることをその先生はご存じですか?

(黒川) 知らないんじゃないですかね。(笑)

(記者) 知ったらきっと喜ばれますね!

(知念) 僕の場合は、片山と似ています。大学1年の終わりに同級生からAtCoderに誘われて。最初、AtCoderや競プロは、ハッキングする類の問題かと思っていて興味がなかったんです。そしたら実際はそうじゃなくて、解いたら楽しかった。そこからどっぷりハマっていった感じです。

(記者) 大学内に競プロをやってる人は他にも沢山いますか?

(知念) 東大は多いイメージがありますね。強い人も、これから始めてみようという人も多いです。

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PG BATTLEの担当難易度はどのように決めましたか?

(片山) 日頃取り組んでいるコンテストなどの強さ順で決めました。海外コンテストのレートなども参考にしました。

(記者) 担当決めで揉めることはなかったですか?

(片山) 揉めはしなかったですが、難易度の高い人は若干ごねてましたね。

(黒川) 僕はせんべいがよかったけど、かつおぶしになってしまいました。結果オーライだから良かったけど、優勝してなかったらどうなってたか。(一同笑)

PG BATTLE当日までの練習や対策はありましたか?

(片山) コンテストサイトが特殊だったので、提出方法の確認をしました。

(知念) 僕も提出方法に気を付けました。ソースを保存してまとめて提出する形式なので、更新忘れがないように注意して、絶対にこれで決めるぞという気持ちで練習しました。過去2年分のせんべいの問題を練習した際には両方とも満点がとれなかったんですが、本番では満点をとれてよかったです。

(記者) 本番のせんべいは過去2年分より難しかったと思うのですが、すごいですね!

(知念) そうですね、過去分と比べて難しくてびっくりしたのですが、得意分野だったのでうまく満点がとれました。

(黒川) 僕も提出方法に気を付けました。あと昨年の優勝者インタビューのブログを参考にしました。

(記者) ブログ読んで頂いて嬉しいです!優勝チームの『UT a.k.a Is』も喜ばれますね!『UT a.k.a Is』は大学の先輩だと思うのですが、面識はあるのですか?お話したりなんかも・・・?

(黒川) 面識はないのですが、有名な方々なのでもちろん存在は知っています。恐れ多くて話したことはないです。

言語はあらかじめ決めていますか?問題を見て変えますか?

(片山) 初めて触ってから今までずっとC++です。コンテストなどで使っていて困ることはないので。

(黒川) 僕も全部C++です。

(知念) 初めて触ったのはPythonでした。AtCoderでは問題ないけど、他のサイトだとPythonは遅くて間に合わないことがあったので、最近C++を触り始めました。最初にPyPyで解いて、時間が間に合わなそうだったらC++に切り替えています。

(記者) プロといえばC++が多い印象ですね。

(知念) AtCoderのチュートリアルがC++なので、だから多いんだと思います。Pythonは書きやすいのですが基本的に遅いので・・・

(記者) 大学の授業でプログラミング言語を使うことはありますか?

(片山) はい。業や研究でのグラフ描画などは、便利なのでPythonを使ったりしています。

(黒川) 僕も卒論や研究ではPythonを使いました。

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印象に残った問題はありましたか?

(知念) 4問目については、もし解法が間違っていたらサンプルで判断できるなと解ったのですが、3問目がかなり難しかったです。最初の解法は間違っていたんですが、サンプルだけだと通ってしまったので、これは入念にチェックしないといけないなと思って何度もサンプルを作って確認しました。提出する時は本当に怖かったです。

(記者) 自分でサンプルを作ったり、コーナーケース自体を見つけたりするのはなかなか難しいことだと思うのですが、コーナーケースを見逃さないようにする工夫や、自分で確認してこれで大丈夫だと思えるようになるコツは何かありますか?

(片山) 例えば制約でLが2~200だとしたら、Lが2とか3の小さい場合にコーナーケースが固まっていることが多いので、そこに気を付けたりします。

(知念) 普段のコンテストでやっている方法だと、速く解けるプログラムじゃなく、遅いけど絶対正解だろうというプログラムから実装し、後は入力され得るテストケースをDFSとかで全探索して全部生成して、全て答え側からチェックするみたいなことをしています。コーナーケースは自分で見つけるのは本当に難しいので、プログラムに探してもらう方がいいと思います。

(黒川) 僕はコーナーケースを考えずに提出してしまうので不正解なことが多く、頑張って直すということばっかりやっています。悩んでも仕方ないときもあるし、思い切って提出しています。

(知念) 今回のかつおぶしって罠が多かったんじゃなかったっけ?

(黒川) そう。だから今回はすごく気を付けて実装して、コーナーケースっぽいものを考えて愚直にやりました。普段はあまり考えないけど、今までで一番コーナーケースを注意したコンテストでしたね

結果発表会はリアルタイムでご覧になりましたか?

(知念) はい、見ていました

(黒川) 結果発表会の日は友達と横浜に出かけてて、一緒に結果を見ていました。

(記者) ありがとうございます!優勝と分かっていかがでしたか?

(片山) 僕は外出中でリアルタイムでは見ていないのですが、300点満点なのは分かっていたので、3位以内には入っていると思っていました。でも、まさか『tonosama』や『UT a.k.a Is』を抜いて1位になるとは思ってなかったです。

(記者) 『UT a.k.a Is』が3位に出てきたとき、「これは1位いけた!?」と思いましたか?

(黒川) 2位かなと思いました。2位で『tonosama』か自分達かどっちかだなと思いました。

(知念) 『tonosama』とはかなり僅差だったよね。

(記者) わずか90秒差でした!そして全378チーム中で1位。しかも満点は4チームしかいません。本当に素晴らしいです!

(黒川) 一生自慢できる。『tonosama』と『UT a.k.a Is』に勝ったって一生言い続けられる。(一同笑)

(記者) 言い続けてください!(一同笑)

結果発表会が1週間後なのについてはどう思いますか?

(知念) 可能なら早く知りたいです。

(片山) すぐやってもらった方が盛り上がる気がしますね。

(記者) そうですよね・・・

(黒川) 直大さんたちのスケジュール調整もあるから、きっと難しいんですよね。(一同笑)

ご家族やご友人から反応はありましたか?

(片山) 家にデカい段ボール(=トロフィー)が届いたので、家族から反応がありました。

(知念) 自分から同じ学部の友達に自慢したんですが、医学部で周りに競プロをする人がほぼいないので、「おめでとう」と言ってはもらえましたが、たぶん凄さについては分かってなかったと思います。

(黒川) 友達に「おめでとう」と言ってもらえ、その日は夕食を奢らされることになりました。

(記者) 「優勝おめでとう」ってお祝いされたんじゃなくて、おごらされたんですね。(一同笑)

(黒川) 優勝が分かった時「おめでとう」って言ってもらえたのですが、そのあと「優勝賞金が8万もあるんだから、お前おごれるよな」と言われて中華街でおごらされました。

優勝賞金(Amazonギフト券24万円)はどのように使いましたか?

(片山) キーボードを購入しました。タイピング音がうるさいなと思っていたので、新しく静かな日本語配列のものを買いました。

(黒川) スノボのスポーツ用品を買いそろえました。

(知念) モニターと医学の教科書を買いました。

優勝トロフィーはどのように保管されていますか?

(片山) 優勝インタビューがあるから、落として壊さないように箱のまま家で大事にしまっていました。

(黒川) 1人に1つ欲しかったな。

(片山) そうそう。 昨年の『UT a.k.a Is』の優勝インタビューで、3人が全員トロフィーを持っていたので3つ届くものだと思っていたら、1つだけだったのであれ?と思ったけど、そういえば彼らは3回優勝してるから3つ持ってるんだなって。

(黒川) だから、優勝しても誰がトロフィーを持つかの闘いがあるから、勝っても負けても揉めることになるんですよね。

(記者) 確かにそうですね。今回はどうやって決めたんですか?

(片山) じゃんけんで決めて、僕が引き取ることになりました。

(黒川) あと2回優勝してトロフィーを1人1つ持って、スーツ着て『UT a.k.a Is』と同じ写真撮らないとね。

(記者) いいですね!ぜひ見てみたいです!

PG BATTLEに参加してよかったことや他のコンテストと比べて何か思ったことはありますか?

(片山) 優勝したのでポジティブなイメージです

(黒川) いいイメージしかありません。結構面白かったです。

(知念) 下剋上ができるイメージがあります。

(記者) 3人1組のチーム戦についてはどう思いますか?例えばチームでやるから面白いとか、それとも3人集めるのはハードルが高いので止めて欲しいとか・・・

(黒川) 1人参加だと、失敗したらそれで終わりだから緊張感がなくて面白くないです。3人1組だと、全員がそれぞれ一発勝負でやるから、緊張感があっていいんですよね。

(片山) たしかにチームを組んでいると「これ間違えたら処刑されるな」って・・・(笑)

(黒川) ドキドキ感あるよね。

(記者) チーム戦とは言え相談禁止のPG BATTLEですが、もし相談OKになったら相談しますか?

(片山) OKって言われたら相談すると思うけど、問題が違うからなあ・・・

(知念) Wチェックみたいなことはしてもらうかな。でも、チーム内で実力が乖離していると、例えば2人はすごく頑張るけど、残り1人は1問解いて終わりみたいなことになったりするから、そういう意味では今のルールの方がいいかなと思います。

(黒川) 相談できてしまうと、緊張感がなくなる気がします。

(記者) 1回しか提出できないPG BATTLEのルールについてはどう思いますか?

(片山) たまにこういうのあってもいいかな。勝てたから言えるのかもしれないけど。(笑)

(黒川) AtCoderも1回提出だといいのにな。

(片山&知念&記者) えーーーっ!?

(黒川) たまにあれば面白いなって。みんな怒るかな?

(知念) 俺は怒る。(一同爆笑) ICPCみたいな大きな大会だと『UT a.k.a Is』のようなむちゃくちゃ強いチームが優勝するイメージだけど、PG BATTLEみたいに一発提出にしちゃうと僕らみたいなチームが下剋上できてしまうので・・・

(黒川) でもそれで活躍できるならいいかも!?というのも、結果発表会の時に直大さんが3位の『UT a.k.a Is』と2位の『tonosama』のことは知っていてコメントされていたのに、1位の僕らの時は無言になってたんですよ。ちょまどさんには、3人それぞれのユーザーネームの頭文字をとって付けたチーム名の「The」を省略されちゃうし、来年は謝罪会見から始めてもらって・・・(一同笑)

(記者) 大変失礼いたしました;気を付けていただくようお伝えしておきます!

(片山) そしたらまた来年も優勝しないとね!(笑)

インタビュー:皆さんのこれから

将来の夢や目標を教えてください

(知念) 医学部なので医者になるのですが、具体的にはまだどの科に行くかは決まっていません。ちょうど今、いろんな科を回って実習しているところです。

(黒川) この前新幹線に乗っている時にドクターコールがあって、対応されてる方がいたんですよ。それ見てカッコいいな、医者もいいなと思いました。でも現実的にはプログラミング関係の仕事に就くかなと思います。

(片山) 業種はまだ考え中です。金融系などエンジニアとは別方向に進むのも良いかなと思っています。

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PG BATTLE 2023の参加者にむけてメッセージをお願いします!

(黒川) 「頑張って倒してください」とか?

(片山) 挑戦状を叩きつける?

(黒川) ボコボコにされるかもよ。

(知念) 挑戦状を叩きつけるなら、「2位争い頑張ってください」とかいいんじゃない?

(片山) たまにやる分には結構楽しいルールなので、ぜひ参加してください!

(黒川) 無難なコメントになってる。(一同笑)

PG BATTLE 2023も開催予定です。参加していただけますか?

(全員) トロフィー3つ取りたいので、参加します!

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※本文中では敬称を省略させて頂きました。また、記事内容は取材当時(2023年4月)のものです。

最後に

実習や新年度直前で大変お忙しい中、快くインタビューに応じてくださった『The Raspberry Candies』チーム様、誠にありがとうございました。今回のインタビューは、片山さんと黒川さんが在籍する東京大学の工学部内で、アカデミックな雰囲気を感じながら行わせていただきました。

2018年から始まったPG BATTLEは、おかげさまで2022年の今大会で第5回目を迎えました。名だたる常連チームが上位に食い込む中、みごと初出場で初優勝という鮮烈なデビューを飾った『The Raspberry Candies』チーム様。その素顔はとても気さくで、偉大な先輩『UT a.k.a Is』チーム様を尊敬している様子がひしひしと伝わってきました。先輩に続いて優勝トロフィーを3つ持って同じ写真を撮られることを、我々も楽しみにしております!

PG BATTLE 2022「大学&大学院、高専、専門学校の部」には134チーム(402名)の皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました!1~3位以外にも飛び賞(スポンサー賞)もございますので、プログラミングがお好きな方はぜひご参加をお待ちしております。

●PG BATTLE ホームページ
https://products.sint.co.jp/pg_battle

●PG BATTLE 2022 結果発表会



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