PG BATTLE 2022 「高校、中学、小学校、その他スクールの部(18歳以下)」優勝チームインタビュー

 2023.03.16  株式会社システムインテグレータ

PG BATTLE 2022 「高校、中学、小学校、その他スクールの部(18歳以下)」優勝者である、灘高等学校『KMB76』チームの皆様にインタビューを行いました!

 3度目の優勝を果たした『KMB76』チームに、PG BATTLE当日のお話や優勝への思いなど色々お伺いしましたので、是非ご覧下さい!

●PG BATTLE 2022ホームページ
https://products.sint.co.jp/pg_battle_2022

灘高等学校『KMB76』チームのご紹介

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(左) 灘高等学校 2年 田中優希氏:せんべい担当
(中
) 灘高等学校 2年 児玉大樹氏:かつおぶし担当
(右) 灘高等学校 2年 重久慎太郎氏:ましゅまろ担当

KMB76』チームはPG BATTLE 2022の「高校、中学、小学校、その他スクールの部(18歳以下)」53チームの中で、見事1位を勝ち取られました。合計点:240/300点、タイム:189分26秒/270分という好成績は、全部門において大会初の3連覇達成という偉業となっております!

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インタビュー:PG BATTLE優勝までの道のり

この度はPG BATTLE 史上初の3連覇達成、そして児玉さんはかつおぶしで4年連続の満点、まことにおめでとうございます! KMB76チームとして3連覇がかかったPG BATTLE 2022。参加するにあたり、プレッシャーなどはありましたか?

(田中) 他の二人に安心感があるので、もし自分がミスしてもカバーしてくれるだろうと思って競技に取り組めたので、プレッシャーはなかったです

(児玉) チームとしては2連覇しているので自信はあったし、個人としても満点を取りたい気持ちがありました。ただ、PG BATTLEは1回しか提出できないので、満点を取る為にはそこにも注意しないといけないので、緊張して慎重になりました。

(重久) 自分達の下の世代が強くなってきているので、抜かれてしまうんじゃないかという怖さやプレッシャーがありました。

PG BATTLE当日までの練習や作戦はありましたか?

(重久) いつも通りAtCoderの過去問を解いていました。

(田中) PG BATTLEに向けた特別な練習などはせず、いつもの調子が出せるよう普段と同じように過ごしていました。

(児玉) 同じ競技プログラミング(以下競プロ)でも大会によってペナルティの重さが違うので、そこは意識しました。PG BATTLEは超難問というより毎年満点が出るレベルの難易度であり、1回しか提出できないルールなので、注意力や速さの面に気を付けました。

(記者) 1回しか提出できず且つ、結果が分かるのは最後というPG BATTLE独特のルールには賛否両論があります。その点についてみなさんはどう思いますか?

(田中) 結果が最後まで分からないという緊張感は他のコンテストでは味わえないので、個人的には楽しいです。

(重久) 点数を見るまでの緊張感は結構ありますが、年1回だから楽しめています。

(児玉) 1回しか提出できないというのは、本来強い人であっても間違える可能性があるので実力差が覆りやすく、そういうところも面白いと思います。

言語はあらかじめ決めていますか?問題を見て変えますか?

(重久) 全員C++です。基本的に競プロはC++で解いています。速いし慣れているので。

難しかった問題はありましたか?

(田中) 一昨年からずっとせんべい担当なのですが、かつおぶしより簡単だから自分は甘えてるなという思いを持っていました。でも今年のせんべいは、最終問題がとても難しくて解けなくて・・・。実は全問題の中で一番難しかったんじゃないか、と言われていたことは後から分かったのですが、問題を解いてる最中は「児玉君はかつおぶしでもっと難しい問題を解いているのに、自分はなんで簡単なせんべいで解けないんだ」という思いがこみ上げて辛かったです。

(記者) 直大さんも、せんべい4問目は本当に難しいとおっしゃっていましたからね

(重久) 僕はましゅまろ担当で4問目も大丈夫だと思っていたのですが、1ヶ所だけ実装ミスをして、テストケースが1つだけ制限時間を超えて悔しかったです。

(児玉) 今年のかつおぶしは去年より簡単でした。ただ、2問目で場合分けの多い問題が出てきて慎重になりました。比較的簡単な問題でも場合分けが多いとミスしやすいので、3問目や4問目よりも気を遣いました。

大学生や社会人と同じ問題を解くことに関してはどう思いますか? 

(田中) 競プロに必要な知識は高校数学で収まるものなので、大学生と高校生で差があるとは思っていません。AtCoderのような普段のコンテストでも、大学生、社会人と同じ問題を解いて戦っているので、特別に不利とは感じませんね。

(児玉) 高校生より大学生の方が競プロに費やしている時間は長いと思います。大学生は、高校生が参加しづらい深夜時間帯の海外のコンテストにも結構参加しているので、高校生よりいろんなコンテストに出られる利点はあると思います。

(重久) コンテストの出場回数や問題を解いた数で実力が変わってくると思うので、あまり年齢による差は感じていません。

PG BATTLE中に何か食べたり飲んだりしましたか? 

(田中) 5時間くらいのコンテストであればお菓子を食べたりジュースを飲んだりしますが、PG BATTLEは90分で集中力が欠けるほどの時間ではないし、スピード勝負なので飲食はしないです

(重久) 時間内に一気に解くので、飲食はしません。

(児玉) 僕も2人と同じで、PG BATTLEはスピード勝負なので飲食はしませんが、問題を読んで考えて、解法が分かった時に、一旦水を飲んで落ち着いて冷静になることはあります。

そんなみなさんのように競プロが強い方の傾向を知りたいのですが、、、何か好きな食べ物があれば教えてください。(笑)

(児玉) やっぱり、かつおぶしですかね。(一同爆笑)

(記者) 素晴らしい!(一同笑)

(重久) 競プロ中は、時々チョコレートが欲しくなることはあります。

(田中) 僕はみかんが好きです。

結果発表会はみなさんで一緒にご覧になりましたか?また、3連覇達成を知った時の気持ちを教えてください。

(田中) 僕はめちゃくちゃ失敗して今回は無理だと思っていたので、結果発表は見れなかったです。でも、児玉君が3人のグループLINEに「優勝おめでとう」と送ってくれて、「え!?マジで!?」と思いました。

(重久) 僕も今回はだめだろうと思っていたし、当日は神戸にスーパーコンピュータの富岳を見に行っていたので、結果発表は見れなかったです。その帰りに児玉君から「優勝おめでとう」と連絡をもらって、僕も「え!?マジで!?」と。

(児玉) 僕は家で見ていました。PG BATTLEが終わった直後の参加者のツイートを見ていた感じ満点のチームはいなそうだったので、僕らにもチャンスはあるかもしれないと思っていました。他にも強いチームはいるから優勝はないにしても、3位以内の入賞チャンスはあるかも、入賞したら嬉しいなと思っていました。そしたら僅差で優勝していてびっくりしました。

(記者) そうですね、僅差(4分54秒差)での優勝でしたね。ドキドキしながらご覧いただいたんですね。

(田中) 僕がなぜ今年の優勝は無理だと思っていたかというと、最初の3問は難しくなかったのに、4問目が難しくて90分間全部かけて挑戦したけど解けなかったんです。3問目で切り上げて30分で提出した方が絶対に強くて、そういう人が結構いると思っていたから勝てないと思っていました。だけど、児玉君がものすごい速さで解いて提出していたので、それに救われました。

(重久) 本当にめちゃくちゃ速かったよね。

(記者) 素晴らしいチームワークですね!

家族や学校の先生から反応はありましたか?お友達は、また賞金をねだってきましたか?

(児玉) 親は、他のチームが強くなってきているのを知らないので「また優勝するんじゃない?」と簡単に言っていました。(笑)

(重久) 僕は親に「今年はちょっとヤバいかも」と伝えていたので、優勝を知って驚かれました。

(田中) 友達から「お前ら3年連続優勝してたら、PG BATTLE出禁になるぞ」って言われました。(一同笑)

優勝賞金(Amazonギフト券24万円)はどのように使いましたか?

(重久) 2年連続で優勝した賞金で結構いろんなものを購入したので、3年目の今回はあまり使ってなくて、まだ残っています。

(児玉) オフィスチェアを買いました。結構高かったので賞金は一気になくなりましたが、いい買い物をしたと思っています。

(田中) 中1から5年間使っていたスマホが調子悪くなっていたので、いいやつに買い換えました。SONYのXperiaです。

(記者) 使い心地はどうですか

(田中) めっちゃ快適です!画質がいいんですよね!

優勝トロフィーはどのように保管されていますか?

(重久) 過去2大会分は部室に飾っていますが、今回の分はまだ家にあります。

プログラミングをやっててよかったなと思うことはありますか?あれば教えてください。

(田中) スポーツ大会の運営をやっています。灘高はどんな行事でも生徒が主体でやるものが多くて、そこで総当たり戦のスコア管理、トーナメント表の組み立て、審判の調整などでプログラミングが役に立ちました。あとアプリ開発もやっています。宣伝になっちゃうんですが(笑)、中高生に出されるたくさんの課題をうまくスケジューリングするアプリで、課題の所要時間と優先度、勉強する時間などをあらかじめ入力しておくと、勉強時間になったら何をすべきか提案してくれるんです。そのマッチング処理で、競プロの知識を使っています。

(記者) アプリを作るってすごいですね。楽しそうだし、夢がありますね。

(重久) 部内で競プロの進捗を管理するBotを作っていて、その制作や情報の授業でプログラミングが役に立つことがありました。

(児玉) 僕は競プロ以外でプログラミングを使う機会はあまりありませんが、競プロをやっていく上で身に付いた数学的な素養などが役に立っていると感じたことはあります。

 インタビュー:皆さんのこれから

去年もお伺いしたのですが、将来の夢はありますか?

(田中これまでと考えはほとんど変わってなくて、高校生活を楽しみたいという気持ちの方が強くて、大学以降や将来のことはあまり考えていません。

(児玉) 今楽しいと思うことをやっていて何の仕事をしたいとか決まっていませんが、最近は、競プロの楽しさが中高生に広まったらいいなと思っています。競プロは、情報オリンピックに出ている先輩だとか、身近に競プロをやっている人がいないと始めるきっかけを持ちづらいので、もっといろんな人が興味を持ってくれる状況を作れたらいいなと思っています。

(重久) たぶん情報系に進むと思いますが、具体的に何をしたいかはまだ決まっていません。せっかくなので、この経験がフルに生かせるような仕事に就きたいと思っています。

 プログラミング以外で夢中になっているものは何かありますか?

(重久) 謎解きにハマっていて、オンラインでもやったりしています。

(田中) バスケ部が今年の6月で引退なのでそれまではバスケに集中したいのと、5月の文化祭に向けてダンスをやってみたいです!

(記者) ダンス!見に行きたいです!

(田中) 文化祭の時はYouTubeでオンライン配信するので、よかったら見てください。(一同笑) あとは、物理オリンピックの代表選考合宿が3月にあるので、それに向けて勉強中です。

(児玉) 競プロ以外にすごくハマっているものはあまりないですが、単に問題を解きまくるのではなく、理論寄りの抽象的なことを勉強するのが好きです。例えば、去年はゲーム理論の本を輪読するみたいなことをやっていました。

(記者企業の部で優勝した『例の奴ら』チームの皆様も、集まって輪読会されるとおっしゃっていましたよ。高校生活と競プロを楽しみながら、向上心が強く本当に素晴らしいですね。これからも皆さんの活躍を楽しみにしています!

(全員) ありがとうございます

PG BATTLEなどのコンテストと勉強の両立ができている皆さんですが、勉強が苦手な人はどうしたらいいと思いますか?

(児玉) 僕も苦手な教科はやる気になりません。定期テストとかにならないとやらないからアドバイスが難しいです。(一同笑)

(田中) 楽しいと思うことを一生懸命やってればいいんじゃないかな。(笑) 僕も競プロはなんとなく楽しそうだと思ってやり始めて、3年ぐらい続いています。自分がやりたくないのに人に強制されるのは一番勉強効率が悪いと思うので、楽しいことをするのが一番かな。

(重久その分野に関する思わぬ人と出会うと、結構楽しくなるからいいかも。競プロの分野でもいるし、そういう人と出会うのも楽しく勉強できる一つの手かと思います。

(記者楽しく勉強するのがいいんですね。皆さん、やっぱり数学は好きなんですか?

(全員) はい!好きです!

(記者) 即答でしたね。逆に嫌いな科目ってあるんですか?

(田中) 僕は文系科目全般が嫌いです。

(重久) 国語や暗記系科目が苦手です。

(児玉) めっちゃ嫌いな教科はそんなにないけど、やってて大変だと思うのは国語です。記述とか特にそうだけど、解いて解説を見ても合ってるかどうか分からなくて、もやっとした感じが残るのが大変。

(記者) 確かに捉えようによって色々ありますからね。

(田中) 競プロだと想定外のことでも明確な答えがあるから、それに慣れていると、国語の答えを見ても「それってあなたの感想ですよね」って思ってしまうんです。(一同笑)

 PG BATTLE 2023も開催予定です。高校生活最後で4連覇がかかっていますが、参加していただけますか?

(全員) もちろん、参加します!!!

※本文中では敬称を省略させて頂きました。

最後に

今回も快くリモートでのインタビューに応じてくださった『KMB76』チーム様、誠にありがとうございました。今回で3回連続のインタビューとなりましたが、インタビューの度にどんどんたくましくなるチームの皆さんの成長具合に、感心するやら嬉しいやらで、親心を感じずにはいられませんでした。全員がメンバーを信じ、コンテスト中もメンバーを思い、果敢に問題に挑戦する姿には、結果発表の数字だけでは測れないドラマがありました。来年は高校生活最後で4連覇がかかっていますが、強くなってきている下の世代に負けないよう、彼ららしい戦いを見せてくれることでしょう。

 PG BATTLE 2022「高校、中学、小学校、その他スクールの部」には53チーム(159名)の皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました!飛び賞(スポンサー賞)もございますので、我こそは!と思われる方はぜひご参加をお待ちしております。

●PG BATTLE ホームページ
https://products.sint.co.jp/pg_battle

●PG BATTLE 2022 結果発表会

 

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