PG BATTLE 2021 「大学&大学院、高専、専門学校の部」優勝者である、東京大学『UT a.k.a Is』チームの皆様にインタビューを行いました!
返り咲き2度目の優勝を見事果たした『UT a.k.a Is』チームに、PG BATTLE当日のお話や練習方法などうかがいましたので、是非ご覧下さい!
●PG BATTLE 2021 ホームページ
https://products.sint.co.jp/pg_battle_2021
●PG BATTLE 2021 Twitter 結果発表会 まとめ
https://togetter.com/li/1800839
東京大学『UT a.k.a Is』チームのご紹介
(左) 東京大学 医学部5年 伊佐碩恭氏:せんべい担当
(中) 東京大学大学院 数理科学研究科修士1年 井上卓哉氏:ましゅまろ担当
(右) 東京大学 理学部4年 高谷悠太氏:かつおぶし担当
『UT a.k.a Is』チームはPG BATTLE 2021の「大学&大学院、高専、専門学校の部」154チームの中で、見事1位を勝ち取られました。昨年惜しくも2位だった同チームは2019年にも優勝しており、今回が返り咲きの優勝となりました。合計点:300点/300点、タイム:120分29秒/270分で同じく満点の2位チームに29分もの差をつけて王者の復活を見せつけました!
インタビュー:PG BATTLE 優勝までの道のり
2年ぶり2度目の優勝おめでとうございます!PG BATTLE 2021に参加するにあたり、プレッシャーや意気込みなどはありましたか?
(高谷) プレッシャーは初年度や2年目の方が強かったです。一発提出でジャッジの結果も分からないという形式に慣れなかったので。でもこの最初の2年で安定して満点を取ることができていたので、今回プレッシャーはなかったです。ただ、昨年は精度を重視して満点を取りに行ったら数秒差で優勝を逃して悔しかったので、今年はぐだぐだ見直しせず、割り切りよく駆け抜けて行くことを心がけました。
(井上) 一度優勝しているので、入賞できたらラッキーぐらいに思っていました。今年は3回目ということもあったのでプレッシャーもなく、自信を持っていつもどおりやろうとリラックスして臨みました。
(伊佐) ICPC(International Collegiate Programming Contest: 国際大学対抗プログラミングコンテスト)に参加することを念頭に5年ぐらい前からチームを組んでいて、その間色々と結果を残しているので、意気込みとしてはいつもどおり良い結果で終わらそうと思っていました。
(記者) コンテスト中に何か食べたり飲んだりするんですか?
(高谷) PG BATTLEの時は食べないですが、長丁場のコンテストの時はチョコレートとか食べることがあります。
(井上) 僕もないですね。20分ぐらいで終わってしまうので・・・。(記者一同驚愕)
担当難易度はどうやって決めましたか?
(井上) 難易度は毎回同じです。実力順に難易度担当を決めているので、「去年と同じでいいよね」って感じで決まります。
(記者) 今年は違う難易度のものをやらせてほしいといったことはありますか?
(高谷) 3回も出ているので難易度を変えて色々考えるよりは、過去の傾向を知っている人がそのまま出る方がいいと思っています。
PG BATTLE当日までの練習や対策はありましたか?
(井上) 対策としては、直前1週間ぐらいに昨年の問題を全部解いています。形式やスピード感に慣れるのと、去年自分がどのくらいのタイムだったか、早い人がどのくらいのタイムだったかを思い出しておく意味で、過去問を復習していますね。
(高谷) PG BATTLEでしか利用しないコンテストサイトなので、問題文の見方や提出形式、使い方などを直前に確認しました。
(伊佐) 日ごろから問題を解くスピードにはこだわっています。絶対ミスできないので、正確性を担保しながら早く解くことを重要視しています。PG BATTLEの過去問も解きましたし、難易度が低めの問題を絶対一発で合わせるという練習を積んでいました。
PG BATTLE 直後はいかがでしたか?
(高谷) タイムは割と普通かなという感じでした。試験時間の90分が終わるまではSNSを見たり友人たちに話を聞いたりできないので、待っている間は少し不安でした。試験が終わってSNSでみんなの結果やタイムを見て、無難だな、負けても僕のせいじゃないなと思いました。(笑)また、ミスをしてないか不安ということはなかったです。
(井上) 過去参加した中で一番自信がありました。スピードも前よりかなり改善できていたし最後の問題も得意だったので、間違えてはいないと思っていました。一ヶ所だけバグらせてしまいデバッグに2~3分かかったので、もっと早い人はいるだろうと思いましたが、その誤差はチームメイト2人が回収してくれるから勝てるだろうと思いました。
(伊佐) 僕はかなりやっちゃったな、やばいなと思っていたのですが、Twitterで他の参加者やチームメイトのツイートを見たら、何とかなったかなと安心しました。個人的にはもう少し頑張りたかったです。満点は取れたと思ったのですが、最後の問題にはまって時間がかかってしまいました。
(記者) コンテスト終了後にチーム内で感想を言い合ったりするのですか?
(井上) 点数の連絡は取り合ったのですが、感想は特に交換していないです。(笑)Twitterでそれぞれ感想をツイートするのでそれで確認しました。
(高谷) 解いている問題がそれぞれ違うので、感想を共有するのは難しいんですよね。
(記者) 集まってお祝いとかはされましたか?
(井上) お祝いしたいねという話は時々出るのですが、コンテストの前後はお互い忙しかったり、各自家からオンラインだとなかなか難しいですね・・・。
結果発表会はみなさんで一緒にご覧になりましたか?
(高谷) 同時には見てないですね。
(井上) 当日は高校の同期と旅行中で、伊佐とは一緒だったので、2人で見て盛り上がりました。3位には入賞しているとは思っていたのですが、他のチームがどれだけ攻めたタイムできているか分からなかったので1位の確信はなかったです。
(記者) 発表会自体はどうでしたか?
(伊佐) 10位からの発表がひやひやする感じで毎年楽しませてもらっています。
2度目のリベンジ優勝は狙っていましたか?
(伊佐) 出るからには負けたくないとは思っていました。でも実際には自分が足を引っ張る形になったので、意気込み過ぎないで自然体でいった方がよかったかも。
(井上) 伊佐に気合が入っていると、こちらも気持ちが引き締まるのでちょうどいいです。PG BATTLEは初回参加から伊佐が作戦を立ててくれているので、そのおかげでリラックスして臨めるというのがあります。
ご家族やご友人から反応はありましたか?
(井上) 家族からは「よかったね」とは言われましたが、そんなに興味を持たれてなかったような・・・(笑)友達は、今の時期会う機会が減って話ができていないので、残念ながらリアクションはほぼないですね。
(高谷) 家族は「よかったねー」と軽い反応でした。(笑)PG BATTLEに参加していた競プロ仲間からはTwitterで反応がありました。
(伊佐) 家族と、結果発表会の時に周りにいた友人たちにはおめでとうと言ってもらえたのですが、友人は何のことか分かってなかったと思います。突然僕と井上が大きな声で喜び始めたので、なんかいいことがあったんだろうなという感じだったんじゃないかな。(一同爆笑)
優勝賞金(Amazonギフト券24万円)はどのように使いましたか?
(高谷) 僕が預かっています。渡したいのですが渡すタイミングがなくて。(笑)普段は本に使っています。図書館で借りた本で手元に持っておきたい本とか。PC周りの機器はある程度揃っているので、高額な購入となると本になりますね。
(井上) Amazonを使う習慣がないので、結構溜まっています。高額なモノを買うときにはぜひ使いたいと思っていますがあまりお金を使わないので・・・。いずれ使いたいと思っています。
(伊佐) Amazonは日用品でよく使うのですが、欲しいものがあまりないです。そういった普段の買い物で少しずつ使っていきたいと思います。
優勝トロフィーはどのように保管されていますか?
(高谷) 全部僕の家で保管しています。さすがに3年間渡すタイミングがなかったわけではないですが、忘れてて・・・。
(伊佐) 実際僕と高谷はここ丸2年ぐらい会ってないしね。
(井上) 前回の優勝インタビューに来てたら会えてたよね。
(伊佐) そうです、そうです。その通りです。本当にすみませんでした。(一同笑)
(※伊佐さんはPG BATTLE 2019優勝インタビューは残念ながら不在でした)
PG BATTLEに参加してよかったことはどんなことですか?
(伊佐) 勝負事が好きなので、真剣勝負の場があるのはとても嬉しいです。結果発表までのワクワク感も風物詩になっていて、日常を彩ってくれる大会だと感じています。
(井上) 純粋に楽しい大会です。最初のころは独特のルールが気になっていたのですが、慣れてしまえばとても楽しくて、今となっては他と違うところがよいと感じています。
(高谷) ハラハラ感がいいです。PG BATTLEは全部解けるし、時間で競うところで上位陣の間の差をつけることができて、競技性が他のコンテストと違って独特でいいと思います。
ルーティーンワークはありますか?
(高谷) 競技プログラミングに関して言えば、タイム短縮に気を遣う時に既に書いたコードを何度も書いたり、ライブラリを書き写す習慣はあります。
(井上) ずっと続けていることはありませんが、昨年は、AtCoderの問題を1日1問以上解くというのを100日ほど続けてみました。数学も競プロもやらなくなっていた時期はありましたが、止めなかったというのは大きいと思っています。競プロを1年ぐらいやってない時でも、モチベーションを取り戻していました。
(伊佐) ルーティーンとしてやっていることはないですが、コンテスト前にタイピング速度のチェックや、似たような難易度帯の問題を解いて調子を確認しています。
インタビュー:皆さんのこれから
将来の夢や目標を教えてください
(伊佐) 来年は国家試験を受けて、そこから2年働くことを決めています。その先のことは検討中なので、来年またこの場で話せる機会がもらえるように頑張ります。(笑)
(井上) 博士課程に進む予定なので、あと2年ぐらいはゆっくり考えたいです。ただどこに進むにしてもプログラミングはある程度使うと思います。研究や実験でもコードを書いているので、競プロで培った技術は生きています。ガチンコでプログラミングをする仕事に就く可能性もありますが、多かれ少なかれプログラミングはやっていくだろうと思っています。
(高谷) 基本的には数学系の研究をしたいと思っているので、その気持ちがある限りは続けたいです。プログラミングが役に立っている点は、数学をするうえで証明を書く時にプログラムを書く感じで証明を書く癖が付いたこと。プログラミングはごまかしが効かないので、細かいところに気を使ってあいまいにするのを許さないようになれたのは、プログラミングのおかげかもしれません。今は数学を続けたいですが、気が変わるかもしれない。やりたいことをやって頑張っていきたいです。
PG BATTLE 2022も開催予定です。参加していただけますか?
(井上) はい。
(高谷) 学生である間は出たいと思っています。
(伊佐) 僕が学生最後の年になるので、同じチームとしては最後の参加になると思うので頑張ります!
PG BATTLE 2022の参加者にむけてメッセージをお願いします
(高谷) 僕たち出場するので頑張って倒してください!
(伊佐) 圧倒的なパフォーマンスでかかってきてください!
(井上) 一緒に競い合って一緒に楽しい大会にしましょう!
※本文中では敬称を省略させて頂きました。また、記事内容は取材当時(2022年2月)のものです。
最後に
お忙しい中快くリモートでのインタビューに応じてくださった『UT a.k.a Is』チーム様、誠にありがとうございました。2019年から3年連続300点満点を成し遂げている盤石なチームワークは、共に過ごした中学時代から培われたものなのでしょう。コンテスト当日は、カラオケボックスからイヤホン装備で参加したメンバーがいるというびっくりエピソードもお話ししてくれるなど、終始楽しいインタビューでした。同じチームとしての参加は来年が最後になるということで寂しいですが、ご参加を心よりお待ちしております!
PG BATTLE 2021「大学&大学院、高専、専門学校の部」には154チーム(462名)の皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました!1~3位以外にも飛び賞(スポンサー賞)もございますので、プログラミングがお好きな方はぜひご参加をお待ちしております。
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