ビットコインという言葉は新聞やニュースなど、さまざまなメディアが報じていたので、1度は聞いたことがあるという方も少なくないでしょう。ビットコインは仮想通貨のことで、2017年には元値の22倍もの金額になり、投資家だけでなく、一般の方たちも積極的に購入しました。価格の変動はいったん落ち着きをみせたものの、投資対象としての魅力は日々増しているようです。
そして、ビットコインを語る上で欠かせない技術がブロックチェーンです。ブロックチェーンはビットコインだけでなく、さまざまなシステムに使われているため、知っておいて損はありません。今回はブロックチェーンとは何かについて詳しく解説していきます。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとは、取引データ技術の一種です。ビットコインを形成する上で中核的な存在となっています。ビットコインでは、取引を行うごとに履歴(トランザクション)が残りますが、その履歴をまとめたものがブロックです。さらに、取引が何回も行われるとブロックがいくつも出来上がり、それを並列上に繋いだものをブロックチェーンと言います。
今までの技術では、個と個がつながるのではなく、中央部分から個に派生するのが一般的でした。例えば、「サーバーとパソコン」、「サーバーとスマホ」というような感じです。しかし、ブロックチェーンでは、中央部分がなく個と個がつながり、全体を形成しています。例えば、「自分のスマホと友達のスマホ」、「会社のパソコンと自宅のパソコン」というようなイメージです。サーバーなど中央部分を介さないというのが特徴と言えるでしょう。
ブロックチェーンの仕組みを理解する
ブロックチェーンの仕組みを語る上でこれらのワードは欠かせません。
・P2P方式
・マイニングとproof of work
・公開取引
P2P方式
それぞれのブロックは分散しており、ブロック同士が管理します。このような形式がP2P方式です。分散型取引台帳とも呼ばれます。
マイニングとproof of work
すべてのトランザクションとナンス値(Number used once の略)は、ハッシュ関数によって暗号化されます。そして、この整合性を確認し、承認するための作業が行われますが、この作業がマイニングです。これにより、不正のないことを証明する仕組み「proof of work」を形成します。
公開取引
ブロックチェーンは、取引を公開する仕組みを採用しています。先程、取引履歴は暗号化されると言いましたが、暗号化されるのは内容の詳細のみです。取引件数や取引されたビットコインの量、全ブロックのハッシュ値はBLOCKCHAIN.COMで確認することができます。
ブロックチェーンにはタイプがある
ブロックチェーンの種類は、プライベート型とパブリック型です。
プライベート型
名前の通り、プライベート環境のブロックチェーンです。管理者が権限を握り、コントロールします。金融システムなど、誰でもマイニングに参加できないケースで使用されることが多いでしょう。ちなみに、プライベート型のブロックチェーンをプライベートチェーンと呼びます。
パブリック型
管理者がおらず、プライベート型と対照的です。誰でもマイニングに参加することができます。ビットコインがその代表例です。
なぜ注目されている?ブロックチェーンの利点を知ろう
もちろん、ブロックチェーンが注目される理由は、その機能自体に魅力があるからです。
権限の分散化
それぞれのブロックに権限が分散化されて、権力が1箇所に集中することがありません。中央集権化のように、独裁者の判断に左右されることがないため、その点が魅力と言えます。
また、リスクも分散化されます。例えば、一箇所のブロックでデータが消えてもほかのブロックがそのデータの記録を持っているので、復旧が容易です。サーバーに依存したシステムの場合、サーバーがダウンするとシステム全体に影響を与えます。しかし、ブロックチェーンなら中央部分に依存しないため安心というわけです。
データ改ざんがしづらい
データ改ざんができないことも利点です。ブロックチェーンの場合、皆が記録されたデータを持っています。例えば、現在のビットコインの価格は1bit=100万円というデータが皆のパソコンに残っているとしましょう。そこにAさんが現在のビットコインの価格は1bit90万円であると言ったとしても皆のパソコンには1bit=100万円というデータが残っているので、それが嘘であると簡単に見抜けるわけです。つまり、皆がデータを持っているので、データ改ざんがしづらいと言えます。
ユーザー間同士の直接やり取りが可能
それぞれがチェーンでつながり、中央部分を持たないブロックチェーンでは、ユーザー同士の直接的なやり取りが可能です。例えば、お金を直接ユーザーに送金することができます。しかも、手数料がかかりません。円やドルといった通貨を海外送金する場合、銀行を1度通りますので、手数料がかかります。しかし、ビットコインなど特定の金融機関を持たない通貨においては、わざわざ機関を通過する必要がないため、手数料がかかりません。
ブロックチェーンを活用したシステム
ブロックチェーンと言えばビットコインですが、利点の多さから現在ではさまざまなシステムで採用されています。
不動産デジタルプラットフォーム「GA technologies」
公式サイト(https://www.ga-tech.co.jp)
ブロックチェーンを活用した不動産デジタルプラットフォームです。従来、不動産の契約や決算、資産移動、登記はデジタル化が難しいと言われていました。しかし、ブロックチェーン技術を基盤としたスマートコンストラクトを実装することで、それを実現しています。これにより、不動産流通全体の活性化の促進が期待されるでしょう。
startbahn
公式サイト(https://startbahn.org)
アートと人を繋げるサービスです。アート作品の登録や売買機能を備えています。また、ブロックチェーンを活用することで改ざんや紛失を予防し、永遠に作品が残る作品証明書の発行や来歴証明ができるようになりました。
まとめ
ブロックチェーンは今後もさまざまなシステムで使われる技術です。セキュリティの懸念が尽きぬデジタル社会において、ブロックチェーンは今後も社会に広がり続けるでしょう。
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