Excel2021から導入された新関数「FILTER関数」は、データ抽出を簡単かつ柔軟に行うための強力なツールです。今回はFILTER関数の基本的な使い方と、その応用テクニックについて解説します。
FILTER関数とは?
FILTER関数は、特定の条件に一致するデータを抽出するための関数です。従来のフィルター機能に比べて柔軟性が高く、複数の条件を指定してデータをフィルタリングできます。
FILTER関数の構文
FILTER関数の基本的な構文は以下の通りです。
- 配列:データ範囲を指定します。例えば、A列を指定すると、A列の範囲内のデータが対象になります。
- 含む:抽出したい条件を設定します。例えば、「C列から”営業部”を抽出する」などの条件を指定することで、条件に一致する行だけが抽出されます。
- 空の場合:条件に一致するデータがない場合に表示する値を指定します。これは省略可能で、省略すると条件に一致するデータがない場合に「#CALC!」エラーが表示されます。
FILTER関数の特長
1.柔軟なデータ抽出:複数の条件を組み合わせてデータを抽出できる。2.スピル機能:抽出結果が自動的に範囲全体に展開されるため、手動でセル範囲を
指定する必要がない。
3.エラーハンドリング:条件に一致するデータがない場合の結果を指定できる。
FILTER関数の使い方
FILTER関数の基本的な使い方を見てみましょう。
以下の表を使用して“営業部”にあたるデータをすべて抽出していきます。
その場合、セルA10に次のように入力します。
=FILTER(A2:F7, C2:C7="営業部")
この式は、データ範囲(A2〜F7)の中で、C列から「営業部」を検索しデータを抽出します。
FILTER関数にはスピル機能がサポートされています。スピルとは「こぼれる」という意味から、検索値に該当する複数の結果を一度に取得することができます。
例:指定したデータ範囲内に一致する値(営業部)をまとめて返してくれます。セルA10以外には、何も関数を入力しなくても自動的に反映がされます。
スピル機能で表示されている部分は、青枠で囲まれて、数式バーに表示される関数はグレー文字になっています。
条件に一致する値がない場合の表示結果を指定する方法
例えば、データ範囲(A2〜F7)の中で、C列から「総務部」を検索しデータがない場合に”該当なし”と表示します。
FILTER関数の応用
「OR条件(+)」で複数条件を指定
OR条件を指定することで、複数の異なる条件に一致するデータを抽出することができます。
例えば、営業部または経理部のメンバーを抽出する場合は、以下の通り「+」で条件を設定します。
=FILTER(A2:F7, (C2:C7="営業部")+(C2:C7="経理部"))
「AND条件(*)」で複数条件を指定
AND条件を指定することで、複数の条件すべてに一致するデータを抽出できます。
例えば、営業部に所属し、かつ30歳以下のメンバーを抽出する場合は「*」で条件を設定します。
=FILTER(A2:F7, (C2:C7="営業部")*(D2:D7<=30))
まとめ
今回は、FILTER関数の基本的な使い方について詳しく手順を解説しました。
・FILTER関数の使い方
・FILTER関数(OR条件)複数条件の指定
・FILTER関数(AND条件)複数条件の指定
FILTER関数は、Excelでのデータ抽出を効率化するための強力なツールです。
基本的な使い方から複数条件の設定まで、しっかりと理解することで、日々の業務が一段とスムーズになります。
ぜひこの記事を参考に、FILTER関数を活用してみてください!
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