VLOOKUPは「Vertical Lookup」の略で、指定した値を垂直方向に検索し、該当するデータを取得するためのExcel関数です。
この記事では、VLOOKUP関数の基本的な使い方から、一歩踏み込んだ複数条件での検索方法まで、具体例を挙げて解説していきます。
VLOOKUP関数の使い方
以下のVLOOKUPの数式は「データの中から商品コード「P002」の商品の価格を検索する場合の例」です。
商品コードP002「E2セル」を検索範囲「A2:C7セル範囲」のなかで検索し、検索範囲内の「3列目の値」を出力しています。
さらに詳細には以下の通り、各要素が記入されています。
検索値:セルE2(商品コードP002)と同じ商品コードを検索して!という意味です。
範 囲:セル範囲A2:C7の中で検索して!という意味です。
列番号:セル範囲A2:C7の中で、取得したい値は〇列目!という意味です。ただし、検索値の列は必ず1列目にあり、取得したい値の列のみ指定可能である点には注意。(上の例では、検索値の列はA列=1列目にあたり、取得したい列はC列=3列目にあります。)
検索方法:「FALSE」は完全一致、「TRUE」は近似一致になります。 ※実務上はFALSEを使うことがほとんどです。
VLOOKUPの活用例(1)条件検索(IF関数との組合せ)
IF関数と組み合わせて、条件に応じた検索結果を返すことができます。
例えば、下記例のように、在庫数を管理するときなどに使用できます。
(例)検索値の商品コードの在庫数が0の時に「在庫なし」と表示する場合
VLOOKUPの活用例(2)複数条件での検索
VLOOKUP関数は基本的には一つの検索値を使って検索を行いますが、以下の例のように複数の条件を組み合わせて検索を行いたい場合には、いくつか方法があります。
方法1:ヘルパーカラムを作成したうえで、VLOOKUP関数を使用
方法2:INDEXとMATCH関数を使用(VLOOKUP関数は使わない)
方法3:FILTER関数を使用(VLOOKUP関数は使わない)
(例)商品名「ノート」かつサイズ「小」という2つの条件で検索する場合
方法1:結合コードを作成したうえで、VLOOKUP関数を使用
「店舗コード」と「商品コード」のように、複数の条件を使って一つの値を検索したい場合に、条件を1つの検索値にするために値を結合コードを作成することで、VLOOKUPを活用した検索ができます。
(例)「店舗コード」と「商品コード」という2つの条件を一つの値にするため、「結合コード」列を作って、検索キーにする場合
方法2:INDEXとMATCH関数を使用
INDEX関数とMATCH関数を組み合わせる方法もあります。
=INDEX(D2:D7, MATCH(1, (A2:A7=F2)*(C2:C7="小"), 0))
関数の参照先はこのようなイメージです。
INDEXの青枠:求めたい価格の範囲を指定
MATCHの赤枠:一つ目の条件にしたい範囲を指定
MATCHの紫枠:一つ目の条件にしたい検索値を指定(文字列”P001”を入力しても可)
MATCHの緑枠:二つ目の条件にしたい範囲を指定
※二つ目の条件にしたい検索値は“小”を数式内に直接入力しています。
方法3: FILTER関数を使用
FILTER関数は、Excel 2021以降で使えるようになった関数です。
ここでの説明は割愛しますが、Excel 2021以降のバージョンをお使いで、表の集計などを多くされる方は学んでおいて損はない関数でしょう。
VLOOKUPの活用例(3)「該当なし」への対応
VLOOKUP関数でN/Aエラーが表示される場合の考え方・対応方法
下記、例のようにVLOOKUP関数がエラー(「#N/A」)になる主な原因として、検索値(例:セルE7の商品コード「P007」)がVLOOKUP関数の指定範囲内に存在しないことが挙げられます。
このケースでは、IFERROR関数を使ってエラーを回避できます。
次のように入力することで、検索値(例:セルE7の商品コード「P007」)が見つからない場合に「見つかりません」と表示します。
=IFERROR(VLOOKUP(E2,A2:C7,3,FALSE), "見つかりません")
まとめ
本記事では、ExcelのVLOOKUP関数の基本的な使い方から複数条件での検索方法などを解説しました。記事内で紹介した以下のような関数の組み合わせはパッと出てくるようにしておけるとスマートです!
・IF関数とVLOOKUP関数の組み合わせ
・INDEX関数とMATCH関数の組み合わせ
・IFERROR関数を使ったエラー回避方法
VLOOKUP関数は使い方を理解していると、Excelでのデータ処理がより効率的になる関数の一つです。ぜひマスターしてみてください!
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