導入事例インタビュー:
岡谷システム株式会社様

要員・受注計画、トラブルの早期発見に大きな効果あり
見積精度も向上し、利益率が大幅改善


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代表取締役社長 漆原 隆 氏(写真:左)
常務取締役 岡谷事業本部ゼネラルマネージャー 千田 清隆 氏(写真:右)

事例のポイント
  • 大規模案件を複数並行で進める中で手戻りが多発し、赤字案件が続出
  • 「進捗管理の標準化と見える化による問題の早期発見」を解決するためツール導入を決意

  • 要員計画、見積精度の向上によりトラブルが減り利益率が大幅改善。

岡谷システムについて 

岡谷システム株式会社は、企業向け基幹業務システムの開発・構築を中心に、工場・倉庫内ITシステムやネットワーク構築などを手がけています。
国内外に展開する岡谷鋼機グループのシステム化を推進するだけでなく、その知見を活かして大手製造業をはじめとする1,000社以上にソリューションを提供。IoT・自動化・省人化・見える化を軸に、業務効率化と収益性向上を支援しています。
ここ数年で外販比率は50%を超え、売上は4年間で約2倍に成長。社員・パートナーを含めた体制も約300名規模に拡大するなど、成長著しい企業です。

抱えていた課題

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-「OBPM Neo」導入前に、抱えられていた課題を教えてください。

漆原氏:従来は案件ごとに担当者が直感的に進捗を管理しており、「順調」「挽回可能」といった報告の粒度や表現にばらつきがあるため実態把握が困難でした。

岡谷鋼機グループメインの小規模案件が中心の時代はそれでも回っていました。しかし、コスト・スケジュール管理が要となる外販の大型案件が当たり前になるにつれ、多くの人数で進めるプロジェクトではトラブルが頻発しました。特に2018年~2019年には大規模案件を複数並行で進める中で手戻りが多発し、赤字案件が続出しました。

この経験から「進捗管理の標準化と見える化による問題の早期発見」が喫緊の課題となりました。

課題解決のために

- 導入のきっかけ、選定したポイントを教えてください。

漆原氏:当時『これからのSIerの話をしよう』(当社システムインテグレータ会長:梅田弘之著書)を読んでおり、ちょうどその時期に千田常務から「OBPM Neo」導入の提案がありました。
さらにウェブ記事やセミナーを通じて「システムインテグレータ社自身が自社の開発管理のために作り、外販化したツール」という背景を知り、「まさに同業の悩みを理解した製品」と確信。運命的なタイミングも重なり、即決で導入を決断しました。

機能に関して言えば、システム開発現場の実務に即した機能設計やユーザー目線の仕様、小規模から大規模案件まで柔軟に管理できる拡張性が魅力です。開発会社自身が活用してきた実績により、導入に向けての安心感があったことも選定したポイントです。

導入にあたって

03

- 導入決定から稼働までのお話をお聞かせください。

漆原氏:まず一つの部署をモデルケースとして半年間かけて課題を洗い出し、社内システムとのデータ連携開発も並行して実施しました。その後2か月で全社へ横展開し、計8か月で導入を完了しました。

千田氏:導入当初、サポート担当の方に大変親身にレクチャーいただきました。導入初期はExcel管理からの移行に抵抗もありましたが、各部署で工夫を重ねてスムーズに定着できました。また、同業ならではの専門用語が通じるため、どの機能をどう使えばよいかを、同じ業界の言葉で相談できたのは非常に心強かったです。

見えてきた効果

- 実際の導入効果についてお聞かせください。

漆原氏:一番大きいのは、要員計画の精度が格段に上がったことです。以前はどうしても勘や経験に頼ってしまい、人が余っていたり足りなかったりする状態が発生していました。今ではリソースの過不足を数字で把握できるので、安心して判断できるようになりました。

千田氏:見積の精度も向上しました。案件ごとのデータが蓄積され、経験をPDCAとして活かせる仕組みができました。リスクマージンをどこまで見込むか、その判断もデータに基づいてできるようになりました。

漆原氏:「OBPM Neo」を導入してからは大きなトラブルはほとんどなくなりました。利益率も大きく改善し、工数超過や手戻りが減ったことで、会社全体の売上総利益率が6%改善しました。金額にすると数千万円単位です。正直ここまで変わるとは思っていませんでした。

また、社員の意識も変わりました。昔は「品質さえ守れればいい」という空気が強かったんですが、今は「これはお金になる仕事なのか、ならない仕事なのか」を考えながら取り組むようになっています。仕掛在庫が利益に変わるという感覚も自然と身についてきましたね。

千田氏:現場ベースでは報告資料の作り方も楽になりました。以前はExcelで手作業の集計をしていましたが、今はOBPMからそのままデータを使える。作業効率が上がりつつ、精度も担保できています。社員も「数字で語れる」ようになったのは大きな進歩だと思います。

活用方法について

- 「OBPM Neo」の活用方法についてお聞かせください。

漆原氏:基本的にはすべてのプロジェクトで利用しています。一部、親会社の基幹システムと切り分けている部分はありますが、ほとんどの案件で「OBPM Neo」をベースに管理しています。特に要員計画や受注計画、残工数の把握、それからトラブルの早期発見に大きな効果があります。

また、「OBPM Neo」をただ使うだけじゃなくて、BIダッシュボードと連携させ、全社員がリアルタイムで各部署の状況を見られるようにしました。データは2時間に1回更新されて、誰でもすぐに確認できる。だから現場でも「今どこに問題があるのか」が一目でわかるようになりました。
そこで初めて他部署の数字を見るという機会が生まれるわけですが、「自分たちが一番効率良くやっている」と思っていたのに、他部署ではもっと効率良くやっていることに気づくということが起こりました。そこで、少しでも改善するように競争のようなものが自然と生まれました。これは期待していたことではないですが、効率改善のきっかけになりました。

今後「OBPM Neo」に期待すること

- 弊社に対するご要望などあればお聞かせください。

漆原氏:現状、見積案件も含めて要員計画を立てています。ただ、それを「OBPM Neo」で実現しようとすると、見積案件を1件ずつ登録しないといけない。全ての案件が受注に繋がるわけではないので、使わなくなったプロジェクトデータも残ってしまう。ここは改善してほしいポイントですね。
同じような課題は、システム開発会社ならどこでも抱えていると思います。ですから、ここを解消できれば他社にとっても大きなメリットになるはず。ぜひ機能改修をお願いしたいですね。

また、プロセス構築をより強化するために、例えば入力漏れチェック機能や、最新データが更新されていない箇所を自動で検出する仕組みなどがあるといいですね。そうすれば、事務などが代理入力をする際に安心して管理を任せられる仕組みになると思います。

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今後もより使いやすいサービスをご提供できるように努力してまいります。
貴重なご意見ありがとうございました。

岡谷システム株式会社

プロジェクト管理ツール:OBPM導入事例集