ERPシステムの統合マスタ管理について

 2018.10.01  株式会社システムインテグレータ

以前、このブログで「ERP導入を成功させる4つの管理ポイント」(2017.11.17掲載)としてマスタを重要なポイントの1つとして挙げました。ERP導入プロジェクトにおいて、なぜマスタが重要なのか説明します。

ERPシステムの統合マスタとは

販売、調達、在庫、債権債務、会計などの基幹業務を全て処理できるERPシステムは、さまざまな業務で発生するデータの整合性を保ちながら連動し、企業内の経営情報を一元管理します。ERPシステムを導入して統合データベースによる全社最適化を実現するためには、まず統合マスタを整備することが重要です。マスタには、製商品、取引先、社員、組織など多くのものがあります。これら主要なマスタは、販売システムでも、会計システムでも使用される共通マスタです。業務ごとにマスタを保有するのではなく共通して使用するものは共通マスタとして登録しておき、全ての業務に必要な情報項目を設定できるようになっています。これが統合マスタということになります。

マスタの統合について

もし、統合マスタのひとつである「商品マスタ」が、各部門の運用ルールに任せて好き勝手に登録されてしまったらどうなるでしょうか。

同じ商品を異なる部門でたくさん販売していても、商品マスタが違うものだと全社の商品別の売上実績を集計しようとしても正確に集計することは出来ません。折角、ERPシステムで経営の意思決定スピードを速めようとしていたのに、マスタ管理がきちんとされていないと商品別の売上実績集計すら出来ません。

統合マスタ設計の注意点

上記のようなケースに陥らないためにもERP導入プロジェクトの初期段階でマスタ設計をきちんとやっておく必要があります。具体的には、
①各マスタにどのような属性情報を持たせるかを検討する「マスタ属性設計」
②稼働後のマスタ管理及び維持を行うための「マスタ運用設計」
があります。

ERPに関するお役立ち資料

マスタ属性設計について

「マスタ属性設計」では、具体的なデータ活用シーンを想定し、できる限り具体的なアウトプットイメージを策定します。

例えば、ある製品セグメントの地域別売上実績を月次でレポートするケースがあったとします。その場合、商品マスタの属性には製品のセグメント情報を、取引先マスタの属性には国や都道府県などの地域情報を付加しておかないと集計作業に手間取ります。マスタ属性設計では、アウトプットイメージから分類や集計を行うキーを決めておくことが重要となります。

マスタ運用設計について

「マスタ運用設計」では、システム稼働後に決められたルールに従ってマスタ登録作業を行い、マスタ内容が最新かつ情報不足のない状態を維持するための運用方法を決めておきます。新しい商品や取引先が発生したら、マスタ登録が必要となりますが、商品マスタは商品開発部門や調達部門、取引先マスタは営業部門といったようにマスタの管理部門やそれをチェック、登録を行う担当部門を決めます。運用ルールが曖昧だとマスタの精度が低下し、データ活用にも悪影響が生じてしまいます。

参考にしてほしい注意点

マスタ設計で、よくあることなのですが「コード自体に意味を持たせるかどうか?」の議論です。コードに意味を持たせるとは、例えば商品コードであれば「先頭1桁は取扱部門コード」「2-3桁目は商品カテゴリ」というコードの桁ごとに何かしらの意味(属性)を持たせることです。このケースは、コードを見れば何を示してるのか判断出来るメリットがあります。一方で、桁数不足に陥ったり、部門や商品体系が変わるとそれに応じた対応が生じてしまいます。そのため社内外ともに変化が激しい昨今では、あまりお勧め出来ないコード設計と言えます。

GRANDITを始め主なERPパッケージでは、コードに意味合いを持たせなくても、商品や取引先などのマスタには、カテゴリやセグメントなど自由な属性を付加させる機能を有しています。その機能を活用することでコードに意味を持たせなくてもそれらのカテゴリやセグメント内容で自由な集計処理が行えます。

最後に

ERPシステムでは、統合マスタの管理が如何に重要かご理解頂けましたか。いざERP導入プロジェクトがスタートすると、現状システムの課題やユーザ要望など機能面にばかり目が行き過ぎてしまいます。システムを設計するときは「何かしらのアウトプット(成果)を得るためにインプット(機能)する」という視点が重要なポイントです。そうなると各種アウトプットの軸(キー)となるマスタは非常に重要な役割を果たします。そうすることで、経営管理要件も業務プロセスのなかに組み入れることが出来ますし、ユーザだけの要件に振り回されて本来の目的を見失うことも少なくなります。

もしERPの導入をご検討している場合には、システムインテグレータにお問い合わせいただければ幸いです。

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