データドリブン経営とは?実践方法やメリットを解説

 2023.09.15  株式会社システムインテグレータ

年々、変化が激しくなる市場の中で企業が勝ち残るためには、変化に合わせた経営判断を迅速かつ的確に行う必要があります。そのような意思決定をする場合に重要になるのが、データを基に素早く経営戦略を立てていく「データドリブン経営」です。

この記事では、データドリブン経営の基本的な概要や注目されている背景、メリット・デメリット、どのように実践するかを解説します。併せて、実践するために活用したいITツールも紹介します。

データドリブン経営とは

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データドリブンの「ドリブン」は、ビジネスの世界で「~をもとにした」「~を起点にした」という意味で使用されています。つまり、データドリブン経営は「データをもとにした経営」ということになります。具体的にいうと、変化が一層激しくなる社会において、さまざまなデータをスピーディに収集・分析し、分析結果に基づいて経営戦略・企業戦略を定める方法です。

扱われるデータには、顧客データ・売上データ・市場データなどが挙げられます。

データドリブン経営では、主観に基づいた経験や勘に頼る判断ではなく、データを基にした客観的な事実から意思決定を行うのです。

データドリブン経営が注目されている背景

データドリブン経営が注目されている背景には、4つのポイントがあります。

消費者ニーズの多様化

価値観の多様化に合わせて、これまで以上に消費者のニーズも多様化・複雑化します。近年では、SNSや口コミサイトなどで大量の情報が発信され、消費者の好みや求める機能、デザインなどが細分化してきました。広く細かくデータを収集し、細分化したニーズを予測して商品を提供することが重要視されるようになったのです。

業務の複雑化

消費者行動の多様化・細分化に伴い、企業の業務も複雑になっている現状があります。消費者のニーズに合わせながら、商品開発や販売時のオペレーションなどに柔軟に対応しなければならないためです。

このような業務負荷、コストの問題を解決するために効率的な経営が求められるようになりました。

市場の変化スピードの激化

消費者だけでなく、目まぐるしく変わる市場に対応するため、企業側も技術の進歩に伴って意思決定のスピードを上げています。ビジネスの世界で勝ち残るためには、市場や業界の変化を素早く察知し、データ収集・分析を行って商品やサービスに反映させていく経営手腕が問われているのです。

ITの進化

昨今では、AIの進化が評判になっているように、ITの技術革新は日に日に進んでいます。デジタル化が進み、多岐にわたる膨大なデータを収集・蓄積・分析できるようになったことも注目される理由の一つです。

また、IoTや顧客管理システムなどITツールが充実することでも、以前より容易にデータ収集・分析ができるようになっています。

データドリブン経営では、素早く大量のデータを収集し適切に分析するためにも、ITツールの活用が不可欠となります。これまで紙で保存していた情報のデジタル化、データを集めるためのプラットフォーム、データ分析の基盤などを整備し、ハード面ソフト面両方からデータドリブン経営を実施する体制を整えることが大切です。

このような環境整備は、DXと呼ばれるデジタル技術を取り入れて組織を変化させ、業務を改善することにつながります。つまり、データドリブン経営とDXの推進は密接に関係しているのです。

なお、DXについて詳しく知りたい方は『DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?「2025年の崖」との関連性や推進ポイントまで解説』をご覧ください。

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データドリブン経営のメリット

ここでは、データドリブン経営を取り入れるメリットについて解説します。

迅速に的確な意思決定が可能になる

データドリブン経営は、意思決定に関するさまざまなデータをリアルタイムに収集し、分析します。それを経営戦略・営業戦略に反映させることで、データを基にした的確な意思決定が可能です。

顧客ニーズに素早く対応できる

売上データや市場のデータを素早く分析することで、顧客のニーズ把握ができるようになります。顧客ニーズや市場の動向が変化した場合でも、その変化を察知して商品やサービスに反映させられるでしょう。

収益体質の改善

顧客ニーズを把握し変化に対応できるようになれば、より魅力的な商品やサービスを提供でき、売上を上げられます。

また、デジタル化やオンライン化によって業務の効率化が見込まれる他、データの一元管理なども行えばアナログで作業していた場合に比べて負荷が減り、さらに生産性が上がるでしょう。

データに基づく客観的な判断が可能

収集されたデータを客観的に分析できるようになるため、主観や勘に頼らず、データに基づいた判断ができます。データを基にした判断は、根拠の明確化につながり、経営の透明性の担保にもなります。判断の説得力が増すことで、意思決定のスピードを上げる効果が期待できるでしょう。

また、データ解析によってどこを伸ばしてどこを改善すればよいのかなど、人間では気付かない自社の優位性や課題・弱点を把握できるため、企業の成長に寄与します。

データドリブン経営のデメリット

続いて、データドリブン経営の注意点やデメリットを見てみましょう。

人材の確保

どういった目的でどのようなデータを収集し、どう解析すれば自社の意思決定の有用材料にできるのかを的確に理解し、実行する人材が必要です。しかし、専門性を有した人材は多くありません。その人材を確保する、もしくは育てることが重要です。

ITシステムの導入コスト

データをデジタル化して収集するためには、相応のシステムを導入する必要があります。人材がいてもシステムがなければ実効的ではありません。データベースや分析ツールの導入にはそれなりのコストがかかり、導入だけでなく運用のためのランニングコストも必要です。導入にあたって、時間・労力・資金というコスト面はしっかり見積もっておかなければなりません。

なお、データドリブン経営に役立つ分析ツールについては後述します。

データの蓄積が必要

統計解析の常ではありますが、意思決定をするための分析結果を出すためには、それに見合った量のデータを蓄積しなければなりません。既存のデータがない場合は、データの蓄積から始めることになります。

データドリブン経営を実践する際に必要なこと

ここでは、データドリブン経営をするにあたって必要な準備について解説します。

データ収集システムの構築

データを基に経営戦略を立てる際は、意思決定を行うための材料であるデータの収集が土台となります。データを収集するためのプラットフォームには、主に「DWH(データウェアハウス)」や「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」があります。

分析ツールの導入

データを収集した後は、データを意思決定に役立つ材料とするための分析ツールの導入が必要です。データドリブン経営で用いる主なツールには、経営資源を管理する「ERP(Enterprise Resources Planning)」や、分析に使用する「BI(Business Intelligence)」などがあります。

データ活用の有効性の周知

システムの導入が決まったら、データを基にした業務を行う重要性と有効性を全社的に伝える必要があります。システムを導入しても分析結果が有効に活用されなければ、データドリブン経営は実現しません。社内で影響力を持つ人物を巻き込みながら、データを活用する社風を作っていき、従業員が積極的に関わるような環境を作ることが重要です。

データドリブン経営の進め方

データドリブン経営を行う準備が整ったら、実際にどのように実施していけばよいのでしょうか。進める手順を詳しく見ていきましょう。

範囲を定義

まずは、データドリブン経営を取り入れる範囲を決める必要があります。どの事業を対象にするか、そのための意思決定にどのようなデータを収集しどのような分析を行うかなどを精査して、事前に定義します。

データの収集

範囲を定義したらデータの収集を行います。部門や部署ごとにデータが断片化されている場合は少なくありません。データドリブン経営を実施するには、そのように散らばっているデータを一元管理するために、データの移行やデジタル化されていないデータを基幹システムに入力する作業を行います。

データの可視化

環境を整えてデータが収集できたら、データを分かりやすく可視化します。収集したデータには分析に不要なものも含まれている場合が多いため、分析の前にデータのクレンジングを行って効率的に分析できるようにしましょう。

クレンジングした大量のデータをBIツール、DMPなどのデータドリブン経営向けのツールに流し込み、人の目でも分かりやすいように可視化するのがポイントです。

データの分析

データの可視化が完了した後は、データ分析を行いましょう。その際、経営戦略としてどういった目的で分析をするのかをあらかじめ決定しておく必要があります。

例えば、Webサイトへの閲覧数を増やしたいのであれば流入元の割合を分析し、ECサイトでの購入率を上げたいのであればどのページで離脱しているかなどを分析します。この場合Web解析ツールを使えば基本的な項目は分析可能ですが、より高度な分析を行うためには高い技能を持った人材が必要です。

分析結果からの意思決定

データの分析結果が出たら、分析結果に基づいた仮説を立てて意思決定を行いましょう。十分に吟味した仮説からアクションプランを考えて実行します。データドリブン経営におけるデータは、あくまでも意思決定の材料であり、アクションプランの質が重要です。自社の規模や財務状況、市場の状況なども視野に入れて、実効性の高いアクションプランを実施します。

アクションプランの実施と検証

アクションプランを立案し実施する体制が整ったら、速やかに行動に移します。アクションプランの実施中もデータ収集・分析を継続的に行い、予想していた結果が出せているかを常に検証しましょう。もし、実際の結果と乖離があれば原因をつきとめて改善します。

データドリブン経営はデータを素早く分析できるため、予想した計画と現実の乖離を常に検証し、改善するというPDCAサイクルが短期間で回せるようになります。継続的にPDCAサイクルを回して改善を図り、社会の変化に強い経営を目指しましょう。

データドリブン経営で活用したいITツール

データドリブン経営を実施するにあたって、データ収集・蓄積のシステムや分析ツールが必要です。最後に、データドリブン経営に有効なツールを紹介します。

BIツール

BIツールとは「ビジネスインテリジェンスツール」のことです。ITを活用して自社で収集した大量のデータを分析し、分析結果をグラフや表などで分かりやすく表現できるツールです。

BIについての詳細は、こちらで解説しております。ぜひ、併せてご覧ください。

BIツールとは?基礎から活用メリット・導入の注意点を解説

ERP

ERPとは、「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語で直訳すると「企業資源計画」となります。しかし、現在ではその考え方を実現するためにITを活用した基幹系情報システムを指すことが多く、「統合基幹業務システム」「基幹システム」と呼ばれています。

なお、ERPについて詳しく知りたい方は『ERPとは何か?MRPとの違いや管理手法の変遷を解説』をご覧ください。

DWH

DWHとは、「Data Ware House(データウェアハウス)」を略した言葉です。データベースなどのさまざまなシステムからデータを収集・整理し、BIツールにデータを送るシステムです。

DWHについての詳細は、こちらで解説しております。併せてご覧ください。

データウェアハウス(DWH)とは?特徴やメリットを詳しく解説

DMP

DMPは、「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」といい、ネット上のさまざまなシステムで蓄積された膨大なデータを一元管理します。主に、企業のマーケティング・広報戦略の立案などを支援するためのプラットフォームです。

MA

MAは、「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」を指します。興味関心などがあり、見込み客と判断されるユーザーや顧客に対して、それぞれの属性に合わせたマーケティングを実施するツールです。

SFA

SFAとは、「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」のことで、「営業支援システム」ともいわれます。営業活動における情報や業務を自動化したり、営業活動で発生する情報をデータとして見える化したりする際に役立つツールです。

CRM

CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)」の略で、顧客と良好な関係を構築し、維持・向上するための顧客管理システムをいいます。

まとめ

データドリブン経営は、大量のデータをリアルタイムで収集・分析しつつ、迅速に意思決定を行い、PDCAサイクルを素早く回すことが重要です。

データドリブン経営では、前提として正確なデータの収集が欠かせません。収集された膨大なデータから、意思決定に必要な情報を即座に分かりやすく見える化をすることで、データドリブン経営を実現できるようになります。

ERPを利用すれば、さまざまな基幹業務やデータを統合して一元管理でき、有効活用が可能になるでしょう。

今回、ERPについてわかりやすく解説した資料をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

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