施工管理とは?主な仕事内容や課題、効率化の方法などを徹底解説

 2023.02.28  株式会社システムインテグレータ

建物などの建設・工事を行う際、重要な業務のひとつに「施工管理」があります。ひと口に施工管理と言っても、工事現場の監督をするだけでなく、スケジュールや人員、資材の原価管理などその業務は多岐にわたります。

この記事では、施工管理の詳しい仕事内容や課題点、業務効率化の方法について解説していきます。

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施工管理(工事管理)とは

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施工管理とは、工事全体の工程や品質、安全などをコントロールし、工事現場での作業をスムーズに進めるための業務のことです。

工事開始前に必要書類を役所に提出し、工事が始まると現場の管理を行います。工期内で完成させられるように、スケジュールの管理はもちろん、作業員の人数調整や工事に必要な資材の発注・原価管理、現場の安全管理などを行います。つまり「工事施工者が工事を進めやすいように現場を管理する」業務であると言えます。

また、国家資格には「施工管理技士」というものがあり、各工事現場に必ず設置する義務があります。

施工管理と似たような言葉として「現場監督」「施工監理」がありますが、その違いについて次の項目で解説していきます。

現場監督との違い

現場監督とは、工事がスムーズに進行するように現場の監督を行うこと、またはその管理を行うものであり、施工管理と明確な違いはありません。違いを挙げるとすれば、現場監督は現場の指揮をメインに行い、現場に常駐して司令塔的な役割を果たします。

一方で、書類作成などの業務は施工管理者が行う傾向があるため、現場監督はあくまで「現場の責任者」という色が強いのが一般的です。また、施工管理には国家資格が存在しますが、現場監督には国家資格はありません。

施工監理との違い

名前が似ていますが「施工管理」と「施工監理」には明確な違いがあります。

施工監理とは、建物などの建築工事において、設計図面通りに実施されているか確認する業務のことを指します。

施工管理が「現場の作業をスムーズに進行させるための業務」であるのに対し、施工監理は「建築主の立場から図面通りに進んでいるかチェックするための業務」であると言えます。そのため、もし発注通りに進んでいなければ施工業者に是正させたり、雨漏りや水漏れなどのトラブルがないように工事内容のチェックを行ったりします。

通常は設計者やその協力者が施工監理を行いますが、現場によっては監理業者に依頼する場合もあります。

施工管理の平均年収・給料

 施工管理業務を行う人の平均年収は約462万円と、日本の平均年収と比較してやや高い傾向にあります。全体の給与の幅としては約300~800万円と幅があります。

施工管理自体は資格が不要な仕事です。施工管理に関する資格などを持っていると平均年収も高くなる傾向にあります。また、勤務先から求められるスキルや、経験によっても大きな差がでてきます。

参考:求人ボックス給料ナビ

施工管理の男女比は?

工事現場の仕事に就く女性は増えているものの、まだまだ女性の比率は低いといえます。

国土交通省の実態調査によると、令和2年において総合建設業・設備工事業に従事する従業員のうち、施工管理を行う技術職に従事している女性の割合は約4.6%と低い状態です。しかし年々女性の割合は増加しており、今後も増えていくと予想されます。

出典:令和2年 建設業活動実態調査の結果

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施工管理(工事管理)の主な業務内容

施工管理とは?現場監督・施工監理との違いや主な業務内容を解説-1

続いて、施工管理の主な業務内容について解説していきます。

施工管理は工事開始前に施工計画を策定し、遅くても3週間前までには役所に提出する必要があります。そして、工事開始後は4大管理と呼ばれる「工程管理・原価管理・品質管理・安全管理」を行っていきます。

ただし、以下で解説する内容の他にも、各種書類作成やトラブル発生時の対処、各作業を行う職人との折衝などを行うことがあります。

施工計画の策定

工事施工にあたり、施工管理は「施工計画」を策定します。施工計画とは、設計書の意図に沿って工事を進めていくために立てる計画のことで、一般的には工事開始の3週間前までには役所へ提出する必要があります。

施工計画書の形式は企業によって異なりますが、工事概要や施工期間、使用する機械・資材、安全・環境管理などが必須項目となっています。

以下の項目では、施工管理の業務で主要な4つの項目について解説していきます。

原価管理

1つ目は「原価管理」です。

原価管理はコスト管理とも呼ばれ、資材費用や人件費などの費用(コスト)を管理する業務を指します。実際に工事を進めていくと計画とズレが生じることもあるので、人員や資材・機材などの確保と予算とのバランスを取りながら改善していくことも求められます。

また、原価管理によって工事規模に対する「標準的な原価」を把握し、必要に応じて改善することでコストダウンしていく必要もあります。このような観点から、原価管理は重要な業務と考えられています。

原価管理に関する詳細な内容は、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
原価管理とは?

工程管理

2つ目は「工程管理」です。

施工計画書にも工事全体の施工期間や各作業を行う順序、作業期間は必ず明記されますが、施工管理はこれらのマネジメント業務も行います。一般に、各作業の日程調整を行ったうえで全体のスケジュールを作成し、工事が始まったら作業の進捗状況も合わせて管理していきます。

また、多くの作業者がスケジュールや進捗状況を確認するので、誰が見ても分かりやすく作成することが求められます。さらに、トラブルが発生した場合は、必要に応じて工程管理表を作り直す場合もあります。

工程管理を行うことで、必要な人員やコストなどを把握することができ、工程管理表の見直しによって業務改善やコスト削減に繋げることができます。プロジェクトをつつがなく進めるためには、重要な要素のひとつだと言えるでしょう。

関連記事:プロジェクトの工程管理とは?

品質管理

3つめが「品質管理」です。

工期や予算が守れていても、完成後の品質に問題があっては意味がありません。強度・寸法・機能などが設計書や仕様書とズレがないか、地方自治体や法律で定められている基準をクリアしているか確認することも、非常に重要な業務です。

品質管理では、各工程の写真を撮って工程記録を残していきます。また、各工程で写真を撮ってから次の作業に着手するので、滞りなく品質管理を行うことが求められます。

関連記事:品質管理とは?いまさら聞けない基礎知識や品質保証との違いを解説

安全管理

最後の項目は「安全管理」です。

建設現場では、高所作業や大型重機を使った危険性が高い業務を行うため、ケガや事故が起こりやすい環境です。作業者が事故やケガなく工事を終えられるよう、環境を整備することが安全管理で行う業務です。

安全管理は作業者をはじめ、関係者の命に関わる項目であることから、関わる人全員で徹底して行う必要があります。そのため、注意喚起をして建設現場の安全水準を向上する目的で、厚生労働省から「安全管理指針」として「安全衛生管理計画の作成」や「作業手順書の作成」、「作業場所の巡視」といった管理項目が14項目定められています。

施工管理(工事管理)の主な種類

施工管理とは?現場監督・施工監理との違いや主な業務内容を解説-2

施工管理は主に以下の3種類があります。

企業が建設業の許可を得る場合、特定の資格や経験を持った「専任の技術者」の配置が必要になりますが、以下で解説しているような国家資格を取得すると専任技術者になることができます。

建築施工管理

建物の建築現場で施工管理を行います。建築工事では設備工事などの作業があるため、他と比べて作業工程や職人の数が多くなることが特徴です。国家資格では「建築施工管理技士」が該当します。

土木施工管理

主に河川や道路などの工事で現場管理を行います。作業場所によっては土木工事ならではのリスク管理も必要です。国家資格では「土木施工管理技士」が該当します。

設備施工管理

建築工事もしくは土木工事に伴う設備工事の施工管理を行います。具体的には、電気・配管・空調・通信・機械・消防の6種類があり、それぞれの分野で専門的な知識・技術が必要になります。例えば、電気の引き込み、コンセントの配線工事などは電気設備施工管理、ガス管・水道管などの配管工事は配管設備施工管理に該当します。

また、それぞれの分野で国家資格があり、他にも学校・公園・遊園地などの造園工事に関わる「造園施工管理技士」という国家資格もあります。

施工管理(工事管理)の課題点

施工管理とは?現場監督・施工監理との違いや主な業務内容を解説-3

施工管理は建設業・工事業にとって必要不可欠な業務ですが、多くの課題も抱えています。

ここからは、業界全体が直面している課題も含め、施工管理の課題点を解説していきます。主に、以下3つのような課題があげられます。

人手不足

多くの業界で人手不足と言われていますが、建設業界も例外ではありません。令和元年に発表された国土交通省の調査によると、2011年度以降から建設業界への投資額は増加傾向にあります。しかし、就業者数は1997年のピーク時から約27%減少しているため、業界の需要に対して人手が足りていない状態であると言えます。

年代別に見ると若手の数が少ない傾向があり、一方で60代以上の従事者が26%以上を占めているので、定年を迎えた職人の大量離職も見込まれています。そのため、今後も人手不足が深刻化していく見通しです。

業務量が多すぎる

厚生労働省の調査によると、建設業界の労働時間は他の産業と比べて労働時間が長い傾向にあります。年々改善傾向にはありますが「労働時間が長い」「休日が取りにくい」といった課題はまだまだ残っています。

例えば、商業施設の修繕工事は閉店後の深夜に行ったり、ビルメンテナンスはビルで働く社員が休みの休日に行われたりするなど不規則な勤務体制である場合も少なくありません。また、施工管理の場合は現場監督だけでなく、契約の締結や各種書類の作成、完成検査など多岐にわたり、トラブルがあった際は工期に間に合わせるように対処する必要があります。

こうした業務の特性上、業務量が多いためにどうしても労働時間が長くなってしまうようです。

業務効率が低い

近年は各作業が高度化・細分化されており、その分様々な業者や職人と協力しながら業務を進める必要があります。関係者が多くなる分、様々な打ち合わせや意見のすり合わせが必要になるだけでなく、コミュニケーションを上手く取りあって連携することが欠かせません。

また、書類業務は1日の現場作業が終わった後に行ったり、中小企業ではシステム化が進んでいなかったりするケースもあるため、作業効率が低い傾向にあるようです。

施工管理に役立つ資格

施工管理自体は資格がなくても可能ですが、役立つ資格も多数あります。ここでは代表的な資格をご紹介します。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建築全般の工程を扱う国家資格です。建築工事において施工計画や工程管理、品質管理などの施工管理をうための専門知識・スキルがあることを証明できる資格です。建設工事の現場において工事の進行を全体に指示するなど、現場監督を担います。

資格は1級と2級があり、扱える現場の規模が異なります。1級の場合は管理できる工事の規模に制限がありません。

建設機械施工技士

建設機械施工技士は、建設機械を使う建設現場において、施工の指導や監督業務などの施工管理を行います。機械自体を操縦する資格ではありません。

1級と2級があり、1級ではより大規模な工事現場や建設現場において施工管理を行うことが可能です。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士とは、冷暖房設備や空調設備、ガス配管、上下水道設備など管工事の施工管理者になれる資格です。管工事はあらゆる建築物に欠かせない工事のため、高い需要が見込めます。

管工事の業務自体は資格がなくても対応できますが、施工管理を行うには本資格が必要です。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士とは、工事計画や施工図の作成、工事日程や品質・安全管理など、電気工事における施工管理を行うための資格です。電気工事における施工管理は本資格が必須です。

変電設備や送電設備、配線といった工事が該当し、建設工事において需要が高い資格です。

電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は電気通信工事の現場で施工管理を行うことができる資格で、2019年に新設されました。LANケーブルの新設や電波障害の調査など、電気通信に関する工事を担当します。もちろん、インターネットや回線などが工事に含まれるため、インターネットが普及している現代ではより需要が高まっていくと考えられます。

土木施工管理技士

土木施工管理技士とは、土木工事における施工管理の技術を証明できる資格です。土木工事の現場は幅広く、例えばトンネルや道路、ダムなどの工事、災害時の復興工事などが現場としてあげられます。土木施工管理技士はこれらの工事が計画通りに進むような管理を行います。

これらの現場は工事現場の中でも比較的大規模なものになるため、人手不足が課題の一つとなっています。そのため需要の高い資格です。

造園施工管理技士

造園施工管理技士とは、造園工事の施工管理を行うための資格です。道路の緑化工事や、庭園、遊園地、公園などが造園工事です。造園施工管理技士は、造園工事の総監督として施工管理や工程管理などを実施します。

なお、本資格は実務経験がないと受験できません。そのため事前に造園工事の施工に関わる仕事をする必要があります。

施工管理(工事管理)を効率化するために

施工管理とは?現場監督・施工監理との違いや主な業務内容を解説-4

施工管理業務における課題について解説しましたが、業務を効率化していく方法の一つとして、工事管理システムの導入があります。

システム導入を行うことで定型業務の自動化が可能になり、これまで手間・ムダと感じていた業務を効率よく進めることができるようになります。そして、人によってムラがあった部分を平準化することができるため、誰が行っても一定の水準を保てるようになります。その結果、業務全体の作業効率が向上し、生産性を高めていくことも可能です。

ここからは工事管理システム・工事管理アプリについて解説していきます。

工事管理システム・工事管理アプリとは

工事管理システム(工事管理アプリ)とは、主に工事現場・建設現場に必要な業務を効率化するためのものです。スケジュール作成や人員管理はもちろん、受発注業務や請求・入金管理などの業務をサポートすることができます。工事全体を管理する施工管理だからこそ、システム化することのメリットは計り知れないでしょう。

関連ブログ:施工管理アプリを導入するメリットとは?機能や選び方も解説

工事管理システムに搭載されている機能

 工事管理システムには主に以下のような機能が搭載されています。もちろんシステムによって細かい機能は異なりますので、システムを選ぶ際はどのような機能が搭載されているかを確認しましょう。

機能 概要
受発注管理 工事の案件を一覧にし、契約日や金額、工期などの基本情報を管理する機能
実行予算管理 工事案件ごとの予算を設定し、管理する機能
入金管理 発注元からの入金情報を管理する機能
請求管理 原価情報の管理や、請求書の発行など、請求書関連の情報を管理する機能
施工進捗管理 工程の進捗管理や図面の管理・共有などができる機能
工事原価管理 仕入れ時の原価情報や、支払い予定原価率を管理する機能

工事管理システム・工事管理アプリの導入メリット

ここでは、システム導入によるメリットについて解説していきます。システムによって使える機能が違うので一概には言えませんが、主に以下2つのような効果を見込めるでしょう。

データを一元管理できる

施工管理システムを導入すると、散在しがちなデータを集約することができます。もし、データの管理や保管場所がバラバラの場合、、必要な時にそれらを探す手間が発生します。しかし、多くの施工管理システムでは検索機能が付いているので、必要なデータを必要な時にすぐ確認することができます。

また、施工管理システムはオンライン上で登録できるものが多いので、最新の情報をリアルタイムで確認できます。そのため、もし資料作成が必要になった場合、散在しているデータを集めて集計して資料にするという手間を省くことも可能です。その結果、スピード感を持った意思決定ができるようになるでしょう。

業務改善に繋げることができる

多くのシステムは、インターネット環境があればデータ入力をすることができます。もしこれまで、その日のデータを記録するために帰社していた場合、システム導入によって本社への移動の手間がなくなるので、業務時間削減に繋がります。

また、資料作成に必要なデータを探して集計しなければいけない場合も、集計機能があるシステムを導入すればシステム上で完結することができます。このように、様々な手間を省くことができるので、業務効率の改善を図ることができるでしょう。

さらに、新しい工事の原価見積や実行予算作成を行うときも、システム上で過去のデータを参考にすることでコストダウンや業務改善を行うことも可能です。結果として、会社全体の生産性向上に繋げていくことができるでしょう。

工事管理システムについてはこちらのブログでより詳しくご紹介しています。
工事管理システムとは?システム導入のポイントや工事業界の仕組みを徹底解説

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まとめ

私たちが社会活動を行う上で、建設業・工事業は必要不可欠な仕事です。その中でも、施工管理は建築現場における様々なことを管理し、問題なく安全に業務を行うためには大切な業務です。コストを抑えて利益を上げることも重要ですが、現場で働く作業員が安全に事故なく工事を終えるためにも欠かせません。

一方で、工事業界は業界ならではの管理すべき項目が多く、個別にシステムを導入してもうまく連携ができないといった問題もあります。そうした場合、必要な機能をカスタマイズできるものを選ぶと、自社の強みを消すことなく煩雑な業務をシステム化することも可能です。

工事業特有の業務課題について解説した資料もございますので、こちらも併せてご覧ください。

プラント・工事業界が抱える3つの業務課題とシステム導入の実態

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