UMLとは?UMLの種類・特徴、ER図との違いなどを解説

 2024.08.08  株式会社システムインテグレータ

システムの要件定義や設計において、複数のメンバーが関与する場合はコミュニケーションが複雑化します。そのような状況で役に立つモデリング言語「UML」について詳しく解説します。

UMLとは

統一モデリング言語(UML:Unified Modeling Language)は、システム設計やソフトウェア開発において使用される視覚的なモデリング言語です。UMLは、システムの構造や振る舞いを図示化するための標準的な方法の1つです。

UMLは、オブジェクト指向の設計および分析に基づいており、システムの複雑な構造を簡潔に表現できます。UMLの主な構成要素には、クラス図、シーケンス図、ユースケース図などがあります。これらの図を用いて、システムの要件を明確にし、設計や実装の段階で発生する可能性のある誤解や齟齬を減らすことができます。

UMLの目的・特長

UMLの主な目的は、システム開発の過程で関与する全ての人々が共通の視覚言語を持ち、コミュニケーションを円滑にすることです。UMLは、複雑なシステムを分かりやすく表現し、問題の早期発見や解決を促進します。

UMLの特長として、いくつかの重要なポイントがあります。
・視覚的に表現することで複雑なシステムの構造や動作を直感的に理解できる
・標準化された記法を使用することで、異なるチーム間でも一貫した理解が得られる
・異なるシステム開発手法やライフサイクルモデルにも適応可能
・設計から実装までの全工程をサポートするため、プロジェクトの全体像を把握しやすい
このように、UMLはシステム開発における多くのメリットを提供し、効率的にプロジェクト運営を実施できます。

UMLとER図との違い

UMLと同じく代表的な設計図としてER図があります。ここでは、UMLとER図の違いについて紹介します。
UMLはシステム全体の設計において利用するのに対し、ER図はデータベース設計で利用するという点がポイントです。UMLとER図の主な違いについては、以下の表の通りです。

比較項目 UML ER図
目的 システム全体の設計・分析 データベースの設計
対象 ソフトウェア開発全般 データベース構造の設計
表現方法 構造と振る舞いをモデル化 データ項目とその関係性をモデル化
主な図の種類 クラス図、シーケンス図、ユースケース図など エンティティ図、リレーションシップ図
標準化 標準化されており、広範囲な用途で利用可能 データベース設計での標準化手法

 

UML構成要素の例「クラス図」

UMLには、複数の構成要素が存在します。ここでは、一例としてクラス図について解説します。
クラス図は、システム内のクラスとその関係を視覚的に表現します。クラス図は、属性、メソッド、クラス間の継承や関連を示すことで、システムの静的構造を明確にします。

image1
   図.クラス図の例


上図では「自動車」というクラスを継承した「普通車」「バス」トラック」の3つのクラスがあることを示しています。
参考サイト:https://fksekiguchi.sakura.ne.jp/wpJava/2017/09/01/class_diagram/

まとめ

本記事では、UMLについて紹介しました。UMLはシステム設計においてコミュニケーションを円滑に行うために使用するモデリング言語です。クラス図、ユースケース図など複数のダイアグラムがあり、それぞれ用途が異なります。本記事の内容を参考に、適材適所でダイアグラムを利用できるようにしましょう。

 


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