バージョン管理システムとは、ファイルの変更履歴を追跡し、異なるバージョンを管理するためのツールです。本記事では、主要なバージョン管理システム9選と、それらを選ぶ際のポイントを解説します。
バージョン管理システムの基本的な理解を深めたい方は、以下の記事もご参照ください。
バージョン管理システムとは?種類・用語・使い方を解説
バージョン管理システムを選ぶ際のポイント
バージョン管理システムを選ぶ際には、プロジェクトの規模・性質やチームのニーズに合ったものを選択することが重要です。ここではバージョン管理システムを比較する際に考慮すべきポイントを紹介します。
機能性
主要な機能として、ブランチ管理やマージ機能の有無、リポジトリのサイズ制限などが重要です。また、タグ付けや履歴の可視化機能も、効率的な管理に役立ちます。
操作性
多くの開発者が利用する場合、操作性が非常に重要です。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が充実し、誰でも簡単に使えるシステムを選択することで、習得時間を短縮し、生産性の向上が期待できます。
外部ツールとの連携のしやすさ
外部ツールとの連携ができると便利です。例えば、JIRAなどのタスク管理ツールやJenkinsなどの自動化支援ツールと連携できると、タスク管理やビルド・デプロイの自動化をスムーズに行えます。
システムの形態
チームで利用する場合は、集中型と分散型のどちらが適しているかを検討しましょう。また、オンプレミス(自社内にサーバーを配置して構築)か、クラウド(インターネット経由で利用するサービス)かも重要な選択ポイントです。これにより構築や管理にかかるコストも変わるため、ニーズに合ったものを選ぶことが求められます。
コスト
無料、オープンソース、商用など、予算に合わせて選択する必要があります。
バージョン管理システムおすすめ9選
初心者からプロまで幅広いユーザーにおすすめのバージョン管理システムを紹介します。それぞれの特徴を把握し、自分のプロジェクトに最適なシステムを選びましょう。
- Git
- GitHub
- GitLab
- Apache Subversion (SVN)
- Mercurial
- Bitbucket
- Perforce
- Azure DevOps
- AWS CodeCommit
Git
Gitは分散型バージョン管理システムで、オープンソースのため誰でも無料で利用できます。柔軟性が高く、大規模プロジェクトにも対応可能であり、多くのプロジェクトで利用されています(コミュニティが活発です)。
GitHub
GitHubはGitをベースにしたホスティングサービスです。プルリクエストやコードレビュー機能が充実しており、オープンソースプロジェクトやチーム開発に適しています。
コミュニティが最も活発で、豊富な機能とリソースがある点や、一部サービスは有料である点などもポイントです。
GitLab
GitLabは、Gitリポジトリの管理からCI/CD機能(変更箇所をテストし、リリースまで自動化する機能)まで一貫して提供するプラットフォームです。セキュリティやプライバシーに配慮したオンプレミス版もあります。
Apache Subversion(SVN)
Subversion (SVN) は集中型バージョン管理システムです。長年にわたり使われているシステムでコミュニティが成熟しているため、多くの情報が得られます。大規模なバイナリファイルの管理に適しているという特徴があります。
Mercurial
Mercurialは、高速でスケーラブルな分散型バージョン管理システムです。
Gitと似た機能を持ち、シンプルで使いやすいため高い人気を誇っています。Gitより比較的学習しやすいという点もポイントです。
Bitbucket
Bitbucketは、GitとMercurialの両方をサポートするホスティングサービスです。JIRAやConfluenceといったAtlassian製品とスムーズに連携できます。
小規模チーム向けの無料プランがありスモールスタートに向いています。
Perforce
Perforceは、大規模なファイルの管理に優れた集中型バージョン管理システムです。ゲーム開発など、高性能を要求されるプロジェクトでよく使用されます。
価格は公表されていませんが、コスト感についても考慮が必要なサービスです。
Azure DevOps
Azure DevOpsは、Microsoftが提供するクラウドベースの開発プラットフォームです。Gitリポジトリの管理からCI/CDまで、開発ライフサイクル全体をサポートします。
AWS CodeCommit
AWS CodeCommitは、AWSが提供するGit互換のバージョン管理サービスです。クラウドネイティブな開発環境とスムーズに統合でき、スケーラビリティに優れています。
AWSの他のサービスとの連携がスムーズな一方、AWSの前提知識はやや求められそうです。
まとめ
今回はバージョン管理システムのおすすめサービスを中心にご紹介しました。
バージョン管理システムは主にプログラムソースや設計書などのファイル管理で使用され、導入することで多くのメリットがあります。各システムの特徴や選ぶ際のポイントを踏まえて、自社に合ったバージョン管理システムを活用していきましょう。
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