クロスプラットフォームとは?基本知識からフレームワークまで解説

 2024.09.02  株式会社システムインテグレータ

昨今ソフトウェアはパソコンだけでなくスマートフォンや家庭用ゲーム機などさまざまな端末で動作しています。複数のデバイスに対して共通のソフトウェアを提供したい場合、各端末にあわせてソフトウェアを開発するのは非効率であり、管理も大変です。

そのため、一度のコーディングで複数のプラットフォームに対応できるアプリケーションを開発する「クロスプラットフォーム開発」が注目されています。本記事では、クロスプラットフォーム開発について詳しく解説します。

クロスプラットフォームの概要

クロスプラットフォームとは

クロスプラットフォームとは、1つのプログラムでありながら、異なるオペレーティングシステム(OS)や環境で同じように動作するソフトウェアやアプリケーションを指します。具体的には、Windows、macOS、Linux、iOS、Androidなど、複数のプラットフォームで同じソフトウェアが動作することを意味します。
これにより、開発者は一度のコーディングで多様なデバイスやOSに対応できるため、効率的な開発が可能になります。また、ユーザーにとっても、使い慣れたアプリケーションを異なるデバイスで利用できるという利点があります。

クロスプラットフォーム開発のメリット

クロスプラットフォーム開発には、多くのメリットがあります。
・開発コストの削減
・運用コストの削減(修正、アップデートの一元管理など)
・開発時間の短縮、市場展開の迅速化
・広範囲のユーザー層へのアクセス


クロスプラットフォームアプリ開発の重要ポイント

クロスプラットフォームアプリを開発する上で、重要な点として以下のようなものが挙げられます。
・適切な開発言語およびフレームワークの選択
・プラットフォームの特性を考慮したUIのデザイン
・プラットフォーム間の互換性の確保
・パフォーマンスの最適化

ネイティブ型とクロスプラットフォーム型の開発方法

ネイティブ型

各プラットフォーム向けに独立したコードベースを用いて最適化されたネイティブアプリケーションを開発する方式です。
メリットとしてネイティブアプリに匹敵する高速な動作と、プラットフォーム特有の機能を活かせる点がありますが、開発コストが高くなるというデメリットがあります。

ハイブリッド型

Web技術とネイティブ機能を組み合わせたアプローチです。HTML、CSS、JavaScriptを使用してアプリケーションを開発し、それをネイティブのWebViewコンテナ内で実行します。この方式の最大の利点は、Web開発スキルを持つ開発者が参入しやすく、開発効率がよい点です。ただし、ネイティブアプリと比べるとパフォーマンスが若干劣ります。

独自レンダリング型

プラットフォーム固有のUIコンポーネントを使用せず、独自のレンダリングエンジンを利用する方式です。プラットフォーム間で一貫したUI/UXを実現できるだけでなく、開発者は単一のコードベースで複数のプラットフォームに対応できるため、開発効率が非常に高くなります。

Progressive Web Apps (PWA)型

Webアプリケーションをデスクトップやモバイルデバイスでネイティブアプリのように動作させる方式です。この方式の利点は、既存のWebアプリケーションを比較的容易にデスクトップやモバイルアプリのように機能させることができることです。またWeb開発者にとっては馴染みのある技術(HTML、CSS、JavaScript)を使用できるため、学習コストが低く済みます。ただしネイティブアプリと比べると、デバイスの一部機能へのアクセスに制限がある場合があります。


クロスプラットフォームのフレームワーク

React Native

React Nativeは、Facebookが開発したJavaScriptのフレームワークです。Web開発でも使われるReactJSと同様のコンポーネントをベースとしており、モバイルアプリケーションの開発に特化しています。React Nativeを使用することで、iOSとAndroidの両方で動作するアプリケーションを一つのコードベースで開発できます。

Flutter

Flutterは、Googleが開発したフレームワークで、スマートフォンやデスクトップ向けアプリケーションを開発するためのフレームワークとして広く利用されています。Flutterでは、効率的なモバイルアプリケーション開発を目指して設計されたプログラミング言語である「Dart」が使用されています。

Xamarin

Xamarinは、Microsoftが開発したC#を使用するフレームワークです。.NET Frameworkを活かし、iOS、Android、Windows Phoneなどの異なるプラットフォームで動作するアプリケーションを一つのコードベースで開発できます。また統合開発ツール「Visual Studio」と統合されており、ネイティブAPIへのアクセスも容易です。

Unity

Unityは、ゲーム開発に特化したゲームエンジン(≒フレームワーク)であり、PC、家庭用ゲーム機、モバイルなど、多くのプラットフォーム向けにゲームを開発できます。C#でロジックを記述し、2Dや3Dのグラフィックスを作成することが可能です。Unityは主にゲーム開発に利用されていますが、ビジネスアプリケーションやインタラクティブコンテンツなど、ゲーム以外の用途にも広く利用されています。

まとめ

クロスプラットフォームとは、異なる環境で動作するソフトウェアやアプリケーションを指します。開発者は一度のコーディングで多様なデバイスやOSに対応できるため、効率的な開発や、市場への迅速な展開が可能になり、マーケットシェア拡大にもつながります。


クロスプラットフォーム開発のための複数のフレームワークが提供されており、開発効率やパフォーマンスなどを考慮した上で、要件にあったフレームワークを選択することが重要です。


RELATED POST関連記事


RECENT POST「ER図の書き方講座」の最新記事


ER図の書き方講座

【UML】アクティビティ図とは?基本から活用事例まで解説

ER図の書き方講座

UMLの8種類を解説(クラス図、シーケンス図、アクティビティ図など)

ER図の書き方講座

UMLとは?UMLの種類・特徴、ER図との違いなどを解説

ER図の書き方講座

ドメイン駆動設計(DDD)とは?概要や用語、開発の流れ等を解説

クロスプラットフォームとは?基本知識からフレームワークまで解説
新規CTA