BPRとERPの関係性について解説

 2020.01.14  株式会社システムインテグレータ

1990年代より、ITシステムの発展により業務の効率化を向上させるためのシステム導入が加速しました。しかし、個別最適化された業務システムは業務やデータの分断を意味しており、それらが原因で業務は非効率化を招き、次第にERPの需要が高まっていきます。

ERPはもともと、生産管理におけるMRP(資材所要量計画)から発展したものです。MRPは妥当性と信頼性のある基準生産計画と部品表情報(BOM)をもとに、必要とする資材の購入指示と製造指示を出すための仕組みです。その後、MRPはMRPⅡ(製造資源計画)に発展し、その領域を基幹業務すべてに広げたものとしてERP(経営資源計画)へと発展します。

ERPを導入するにあたり、疑問としてよく持ち上がるのが「同時にBPRは必要か?」ということです。現在、ERPの導入を検討されている方の中にも、同じような疑問を持たれている方は多いでしょう。本稿では、ERPとBPRの関係性について解説しています。適切なERP導入と、正しい運用計画のためにも両者の関係を学んでいきましょう。

BPRとは?

BPRは「Business Process Re-engineering」の略であり、日本語に訳すと「業務プロセス(工程)再設計」となります。まずBPRの概要から説明しますと、「既存の業務プロセスを根本的に考え直し、抜本的に再設計することでコスト・品質・サービスなどのパフォーマンスを改善するための取り組み」ということです。ちなみにこの定義は、BPRの生みの親でもある元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー氏が提唱しています。

「業務プロセスを根本的に考え直す」とは、企業や事業を取り巻く環境で最も基本的なことに着目し、ビジネスを遂行する方法を根底から変える必要性を見出すことです。一方、「業務プロセスを抜本的に改善する」とは、表面的な改革や、既存のものに手を加えたような改革ではなく、今ある構造と手順をすべて無視して、ビジネスを遂行するのにまったく新しい方法を発案することを意味します。さらにかみ砕いて説明しますと、BPRというのは今ある業務プロセスをいったん壊して、新しい業務プロセスを作り直すことです。

なぜ一旦、既存の業務プロセスを壊してゼロベースで考えるのかと言うと、業務プロセスには得てして「ムダ」や「ムリ」が生じている可能性が高く、それらの障壁が効率的なビジネス遂行を阻害しているからです。その結果、事業の収益性や顧客満足度の向上を難しくしています。

ERPに関するお役立ち資料

そうした障壁をすべて取り払い、ビジネス遂行までの最短距離を進むためには、組織全体もしくは一部の業務プロセスを根本から変えることが必要となります。これにより、BPRは時としてリストラを助長させてしまうこともありました。

ERPとBPRの関係

もともとERPは、BPRを実現するために欠かせないシステムとして注目されました。1980年代後半に入ると、経営環境のグローバル化が進むにつれ、企業間競争が激しくなっていきます。その中で、多くの企業はグローバル環境への対応や、日夜変化するビジネス環境への対応のために経営改革を実施する必要性が生まれます。

その際に、積極的に取り組まれたのがBPRであり、これに基づき経営改革が実行されると、経営全般を管理するためにシステム環境の再構築が求められるようになります。そこでMRPⅡの概念をさらに拡大して、販売管理・購買管理・生産管理・財務管理・管理会計・人事管理・労務管理・物流管理といった基幹的な業務プロセス全体をカバーするためのシステム、いわゆるERPへの需要が集中しました。つまり、ERPとBPRは同時期に誕生したものであり、BPRを実行するためにERPがあると言うようにも捉えることができます。

現代ビジネスにとってのERPとBPR

1980年代後半から1990年代後半にかけて、BPRを実施する企業の多くがERPを必要としました。2000年が近づくと、日本でもERPブームが起こります。その際の掛け声が「ビジネスプロセスの合理化とリアルタイム経営」であり、グローバル市場で活躍する海外企業の経営基盤を導入しようと、日本の大企業もERP導入に挑みます。

結果は、成功する企業もありましたが、多くが失敗したと捉えられています。当時のグローバル企業におけるERPというのは、BPRありきのものでした。「BPRを実施するためのERPを導入し、業務プロセスを改革する」というのが海外企業にとっての当たり前だったのです。しかし、日本企業は「今ある環境に海外企業のベストプラクティスを乗せる」という形でERPを導入しようと試みたことから、独自の商習慣にシステムを合わせるためのアドオン開発が膨大な数になりました。

それらはERPの初期投資を非常に圧迫し、且つベンダーロックインやバージョンロックインといった深刻な問題を引き起こしています。今でも当時に構築した「塩漬け状態」のまま稼働しているERPは少なくありません。結局は業務プロセスの統合も実現できず、非効率的なままビジネスを遂行しているケースすらあります。

現在は、グローバル規模で競争が激化する中で、強い経営基盤や合理的な業務プロセスは必要不可欠です。故にBPRを想定したERPが再注目されています。

ERP導入におけるBPRの必要性

では、「ERPの導入にBPRは必要か?」と問われれば、「間違いなく必要」だと言えます。BPRを伴わないERPというのは、単に既存のシステム環境を刷新したに過ぎません。それはつまり、既存のシステム環境にカスタマイズを加えて、同じデータベース上でデータが管理できるようにしただけのことです。

ERPの本質は、企業の経営データを統合することで、データ活用を促進させると共に、変化するビジネス環境へ追随するための柔軟性を手にすることだと言えます。従って、ERPでシステム環境を刷新しても、業務プロセスが改善されないままではERPの本質を見失いかねないのです。

このことから、「ERP導入の際にBPR実施は基本」と考えた方がよいでしょう。ただし、どの程度のBPRを実施すべきかは企業によって異なりますし、今では継続的に業務プロセスの抜本的改善を実施するBPM(業務プロセス管理)にも注目が集まっています。ERPを導入する企業は、自社の業務プロセスの中で改革を必要としているものとそうでないものの見極めが強く求められます。

導入パートナーはBPRまで面倒を見てくれるのか?

ERPを提供するベンダーの多くは総合的なソリューションを提供していることから、ERP導入の際、同時にBPRについても提案してくれるかもしれません。ただし、BPR実施はあくまで自社企業における業務プロセスの改革なので、プロジェクトの丸投げはご法度であり、BPRへ主体的に取り組む必要があります。

 「ERP導入ってそんなに大変なの?」と思われる方も多いでしょう。しかし、要点を押さえて導入できれば、決して難しすぎることはありません。ERP導入およびBPR実施に関するノウハウを持っている導入パートナーを選定し、協力体制を崩さずにERP導入を目指すことで、ビジネスをより効率的なものへと押し上げてくれるのです。

国産ERPパッケージシステム「GRANDIT」を通じ、当社では数々のBPR実施に関する助言を行ってまいりました。もしERP導入をご検討でしたら、お気軽にお問い合わせください。

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