【徹底比較】おすすめSaaS ERPの特徴・費用を解説!

 2022.06.03  株式会社システムインテグレータ

ERPの登場後しばらくは、「ERPは大企業が利用するもの」というイメージがありました。しかしSaaS ERPの登場後、コストや導入の負担が軽減されたことから近年では中小企業においても広く導入が進んでいます。

本記事では、ERP市場におけるSaaS ERPの立ち位置や、おすすめの主要なSaaS ERPの特徴について詳しく解説いたします。

ERP市場でSaaS ERPが急伸

市場調査会社であるITR(アイ・ティ・アール)が2022年3月に発表した情報によると、国内ERP市場は、2020年度の売上金額が1,229億円で、前年度比6.9%増となりました。2021年度以降も右肩上がりのグラフを示しており、2020~2025年度のCAGR(年平均成長率)は11.6%を予測しています 

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ERP市場規模推移と予測:ITR出典

 ERPの市場規模推移を販売形態別に見ると、2020年度はパッケージ市場(IaaS、オンプレミス)がマイナス成長だった一方、SaaS市場は対前年度比で27.2%増と高い伸びを示しています。この理由についてITRは「主要ベンダーが新規案件でSaaSの販売を推進していることに加えて、既存のパッケージ導入企業についてもSaaS移行を進めているため」と述べています。 

ERP含むSaaS 型の業務アプリケーションは、主に中小企業をターゲットとした市場で利用が進んでいました。しかし昨今は外資系有力ERPベンダーのSaaS強化に伴い、中堅・大手企業をターゲットとしたSaaS ERPも参入しています。また、ERPの領域でも特に会計・人事は企業による業務の差が少ないためSaaS としても利用しやすく、バックオフィス系分野は着実にSaaSの利用が進むと考えます。初期導入費用の軽減、維持運用の容易さ、リモートワークなど、コストメリットと働き方との兼ね合いで、SaaS ERPの導入はさらなる増加が見込まれるでしょう。 

そこで今回は、市場シェアとニーズが高いSaaS ERP8選を比較してみました。SaaS ERPの特徴のほか、対象となるモジュール範囲(業務領域)についても触れておりますので、SaaS ERP導入検討時の参考にしてください。   

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国内ERPパッケージ比較表

SaaS ERPパッケージ8製品を比較

Person holding hologram screen displaying information from cloud technology

今回は以下8つのSaaS ERPを比較しました。

  • GRANDIT SaaS
  • Smile V Air
  • NetSuite
  • SAP Business ByDesign
  • Oracle ERP Cloud
  • Dynamics 365
  • Workday
  • Infor CloudSuite

GRANDIT SaaS

導入実績1,300社以上の完全統合型ERPをIT・ソフトウェア開発企業向けにSaaS化した製品です。物販、役務、調達、請求、支払、経理、保守までの業務を1システムで利用いただけるため、リアルタイムな経営分析ができます。また、プロジェクト台帳管理、原価見積、実行予算、進捗管理、リソース管理、原価管理、委託契約、定期契約、前受・前渡金などプロジェクト型ビジネス業に必要な機能も網羅されており、収益認識基準にも対応しています。

モジュール範囲は、販売、調達・在庫、債権、債務、経理、プロジェクト管理の6モジュールです。電子承認ワークフロー、汎用データ出力機能なども標準で実装されています。

GRANDITは、国内の基幹業務システムやERP導入に実績のあるSIer13社が集結し、コンソーシアム(共同事業)方式で開発されたERP製品です。そのコンセプトは「叡智の反映」であり、複数のシステム会社がそれぞれの叡智(技術やノウハウ)を集結し、日本国内の商習慣に適合しています。日本国内のIT・ソフトウェア開発企業向けSaaS ERPのため、システム利用に関する問合せから障害対応、個別サポートに至るまで、一元的な保守を実現しています。

GRANDIT SaaS製品ページ

Smile V Air

Microsoft Azureを基盤とするSaaS ERPで2021年にローンチされた製品です。オンプレミス環境で好評だった統合業務パッケージ「SMILE V」同様、伝票入力や実績管理などの基幹業務の機能を、承認ワークフロー、ドキュメント共有といったグループウェア機能とシームレスに連携させての利用が可能です。

モジュール範囲は、販売、会計、人事給与、ワークフロー、ドキュメント管理、情報系総合版の6モジュールです。

「Smile V Air」は外部連携を積極的に進める姿勢を打ち出しており、「SMILE V Air」が機能を持たない周辺業務はもちろん、会計など共通する分野においても、ユーザが使いやすいサービスを組み合わせて利用できるように連携性を高めています。

Smile V Air製品ページ

 NetSuite

バックオフィス業務(財務・会計)、フロントオフィス業務(CRM、SFA)、プロジェクト管理、BIなどを含む主要な業務アプリケーションを、単一のシステムでSaaS利用が可能。国内外で215ヵ国、29,000社以上の導入実績があり、通常1~2年かかるERP導入を2~6か月で導入可能とする独自のアジャイル手法を用いています。言語は日本語含む19ヵ国語に対応していますが、基本言語は英語です。そのため日本国内で利用する際、日本語変換されてないメニューやレコード名は、専用の設定画面から編集する必要があります。

モジュール範囲は、財務、調達、生産、在庫、注文管理、倉庫管理、SCM、CRM、プロジェクト管理、ワークフォース管理、人事、eコマース、MAの13モジュールです。

1998年に設立された世界で最初のSaaS ERP企業と言われています。2017年にOracle社が買収しており、後述の「Oracle ERP Cloud」が中堅・大企業向けなのに対し、NetSuiteは中堅・中小企業向けと位置付けられています。グローバル会計に強く、190種類の通貨、27の言語、海外現地会計、複数子会社管理など幅広く対応します。

NetSuite製品ページ

SAP Business ByDesign

国内外で170ヵ国、7,770社以上の導入実績があります。人事、購買、販売、生産など39種類の豊富なビジネスシナリオが用意されており、そのシナリオに沿って設定することで、業務ノウハウ(ベストプラクティス)を即座に利用することができます。また、国際標準化機構ISOだけでなく、国際保証業務基準「ISAE3402」、米国保証業務基準「SSAE16」における、品質・情報セキュリティ・事業継続の国際的な認定を取得しています。 

モジュール範囲は、販売、購買、生産、会計、倉庫管理、プロジェクト管理、サービス、人事、SCM、MAの10モジュールです。 

SAP社のSaaS利用には複数の利用形態があり、SAP Business ByDesignはマルチテナントのSaaS利用ですが、S/4 HANAはマルチテナント、シングルテナント両方のSaaS が利用できます(S/4 HANAはSAP R/3、SAP ERPの後継ERP)。多言語機能や経営可視化、複数元帳の保持などグローバル対応機能を豊富に持っているため、大手企業の子会社や海外拠点の業務標準化を得意としています。

SAP Business ByDesign製品ページ

 Oracle ERP Cloud

ERPソリューションプロバイダーであるOracle社が提供しているERPシステムです。OCIと呼ばれる自社クラウド環境を持っており、パフォーマンスやセキュリティも高く、どのような規模でも影響なく快適に使用できます。子会社や海外拠点との2層ERP、オンプレミスとのハイブリッドクラウドの利用実績が多数あります。また、信頼性の高い知見を提供するガートナー社マジック・クアドラントのリーダーとして認定されるなど、高い評価を得ています。

モジュール範囲は、会計、購買、SCM、リスク・コンプライアンス管理、プロジェクトポートフォリオ管理、PLMの6モジュールです。

中堅~中堅大手企業向けとなっており、サービス業、流通業、金融業など幅広い業種で導入されています。データを活用した業績管理や経営情報管理の強化を目的とした経営管理ソリューションEPM(Enterprise Performance Management)に注力しており、経営データを可視化するだけではなく、業務プロセスの整理やデータ整備から見直すことで効果を発揮します。

Oracle ERP Cloud製品ページ

Dynamics 365

Dynamics 365の一番の強みはOffice 製品との連携が容易にできる点です。既にOffice製品を使用しているユーザは、既存の業務プロセスを変更せずOffice 365と連携できます。また、SharePointやOutlook予定表の同期機能を使い、Word、Excel、PowerPointなどのドキュメントを一元管理することもできます。SaaS ERPの中でもカスタマイズの自由度が高く、Microsoft Power Appsを使うことで、コーディングの専門知識をもたないユーザでもカスタマイズすることが可能です。

モジュール範囲は、販売、購買、生産、会計、在庫、人事、プロジェクト会計の7モジュールです。

Dynamics 365 はマイクロソフト社製品のため、Office製品に似た画面デザインや操作性が特徴です。ERPをリプレイスした際に必ず発生する“システムの使い方を一から覚える”ことへの抵抗が少なく、ITリテラシーが低い方でもスムーズに利用できます。

Dynamics 365製品ページ

Workday

国内外で9,500社以上、国内で800社以上の導入実績があります。業種・業態を問わず幅広くHR(人事、労務、給与)を提供しており、実績としては自動車や薬品などの製造業が中心でグローバル展開する企業の導入が多くなっています。HRに強いSaaS ERPの中でも機能が豊富で、外資系のエンタープライズ企業を中心に利用されていますが、メニュー表記や画面デザインなどのユーザインタフェースが日本企業に向いてないとの声もあるので注意が必要です。

モジュール範囲は、人事、財務、プランニング、給与の4モジュールです。

日本国内では、人材管理プラットフォームとして従業員の採用から退職まで一貫して管理・分析する製品として販売されていましたが、2021年にHR領域だけでなく財務管理領域を含めた展開を本格化しました。グローバルで事業を展開する企業や、子会社などを含む情報基盤の一元化を目指し、財務基盤共通化や人財管理の再検討を進める企業に適しています。

Workday製品ページ 

Infor CloudSuite

国内外で6,000拠点以上、国内で200拠点以上の導入実績があります。特に製造業の生産管理業務に強く、MRP(資材所要計画)やAPS(先進的計画&スケジューリング)が標準提供され、お客様の業務に適した生産管理方式を採用できます。また、EAM(設備資産管理)、BI(データ分析)、SCM(サプライチェーンマネジメント)などの豊富な機能群により、細かな業務要件にも対応します。

モジュール範囲は、販売、購買、生産、会計、在庫、プロジェクト管理、製品設計、品質管理、SCMの9モジュールです。

Infor CloudSuiteは12の業種に向けたソリューションを用意しており、日本国内においては、自動車、工業用製品、産業用機械、食品、ファッションなどの業界向けソリューションを提供しています。インフォア社はSaaS ERPだけでなくオンプレミスも提供していますが、2020年からSaaS ERPにシフトし、2023年には「SaaS比率80%、オンプレミス比率20%」とする目標を掲げています。

Infor CloudSuite製品ページ

まとめ

初期費用や保守費用の負担を抑えつつ、迅速にERPを展開する手段としてSaaS ERPを採用する企業は増えています。SAPやOracleといった大手ERPベンダーの参入が相次ぎSaaS ERPへの関心が高まっていますが、その一方でIaaS型・PaaS型ERPとの違いが分かりづらく、不明瞭ななかSaaS ERPに過度な期待を持たれている方も多いのではないでしょうか。

本ブログでご紹介したSaaS ERP8製品を、「市場シェア」「対象企業規模」「モジュール範囲(業務領域)」「利用料金」「製品の特徴」「SaaS環境」「カスタマイズ容易度」「保守サポート」など、さらに細かく比較・分析したものが下部に表示されている無料ダウンロード資料になります。この機会に是非ご覧ください。

※「5分でまるわかり SaaS ERP徹底比較ガイド」の情報は当社調べのもと、2022年4月時点の情報を記載したものです。

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