業務プロセスを改善するには?手順と成功事例も解説!

 2020.11.30  株式会社システムインテグレータ

「業務効率化」や「経費削減」は、業務上課題となるテーマの1つです。しかし、具体的な業務プロセス改善方法がよくわからない方も、多いのではないでしょうか。

本記事では、業務プロセスを改善する手順について解説します。実際の成功事例も紹介しているので、具体的な改善イメージを固めたい方にもおすすめです。

業務プロセス改善とは?

業務プロセス改善とは、現状の業務のプロセスを改善し、業務効率化・経費削減を進めるための施策です。わかりやすく言うと、業務に関わる人、業務で扱う情報、業務フローなどを改善します。

業務プロセス改善の目的は、主に次の3つです。

  1. 業務時間の削減
  2. コストの削減
  3. IT化の促進

時間のかかる業務の効率化や、業務の自動化によってコスト削減を目指すのが目的です。また業務効率化・経費削減の手段として、IT化(システムや機械の導入)を同時に進めることもあります。

業務プロセス改善で高い成果を得るために重要なのが、「継続的に改善していく仕組み」です。わかりやすく言うと、PDCAを回して改善をすすめていくことが重要となります。

ただ、具体的な業務プロセス改善方法がよくわからない方も、多いのではないでしょうか。続いて、「業務プロセスを改善する手順」を解説します。

業務プロセス改善に向けた4つの手順

業務プロセスを改善するときは、次の4つの手順で進めます。

  1. 現状分析
  2. 改善案の作成
  3. 改善案の実施
  4. 評価・改善

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1. 現状分析

業務プロセス改善を進めるときは、「現状の把握」がとても重要です。なぜなら現状がわからなければ、「課題」や「改善点」がわかりにくいからです。
現状分析するときは、以下2つの確認をしましょう。

  • 業務内容や業務フローの確認
  • 業務上の問題・課題の確認

業務内容や業務フローの資料がなければ、「BPMツール」を使って図化するのも手法の1つです。

たとえば、「Questetra(クエステトラ)」などのBPMツールを使えば、業務フローを直感的かつ簡単に作成できます。クラウド型で費用も低価格なので、おすすめです。

また、業務上の問題・課題を確認するときは、実際の担当者に確認することも重要です。担当者に確認するときは、以下どちらかの方法で進めましょう。

  • ミーティングで、直接ヒアリングする場を用意
  • Excelなどで、「ヒアリングシート」を作って現場に配布

まずは現状分析ができるよう、情報を集めるイメージです。

2. 改善案の作成

次に、具体的な改善案を作成しましょう。このとき、単純に問題・課題の改善案を整理するだけでなく、「有効性」と「現実性」も加味し整理しておくと良いでしょう。

  • 有効性:「改善後に、どのくらい効果が得られるか」を示す指標
  • 現実性:改善案を「実現できるか」を示す指標

これらを整理しつつ、優先度を決めていきましょう。目標の優先度が決まったら、目標達成のためにKPI(目標ための、中間的な数値目標)を設定します。

たとえば、「業務の時間を最小限に抑える」という目標だと、どこまで何をすれば良いかよくわかりません。しかし、「毎月30時間かかっている業務を、10時間に抑える」といったKPIを設定した場合、実際にかかった時間で目標達成率を判断しやすくなります。

このように、KPIを決めると実施後の評価がしやすくなるのです。

3. 改善案の実施

改善案から目標やKPIを決めたら、実際に実施しましょう。ただ、改善案を実施すれば必ずうまくいくとは限りません。

むしろ、業務の変更に伴い、新たな問題が起こることも多いでしょう。そのため、「改善案を実施した後、効果を得るための仕組み」を作っておくことをおすすめします。

わかりやすく言うと、以下のようにPDCAを回せるようにしておくイメージです。

  • P(Plan)    :問題・課題を解決する改善案を決める
  • D(Do)    :改善案を実施する
  • C(Check) :実施後の効果や、新たな問題が発生していないかチェックする
  • A(Action):このまま進めるか、別の案を考えるべきか方針を決める

ちなみに、最初は「改善後の効果が見えやすい施策」から始めると良いでしょう。なぜなら、実績が作れないと「経営層の理解」が得づらくなってしまうからです。

「無駄に時間のかかっている業務」など、実施して改善効果の出やすい業務から着手しましょう。

4. 評価・改善

PDCAを回して良い改善効果を得るために重要なのは、「Check」と「Action」の工程です。
まずは、改善案を実施する「期間」を決めます。2週間、1ヵ月などの期間を決めて、評価を行うイメージです。

実際に評価するときは、KPIを設定しておくのがおすすめです。KPIを設定しておくと、「目標」と「実際の結果」を比較して判断しやすくなります。

仮に、「3ヵ月で15%の業務改善を行う」というKPIを設定していたとします。1ヵ月実施した結果が、「7%の業務改善」だった場合を考えてみましょう。

このまま継続すれば、「3ヵ月で15%の業務改善を行う」という目標が達成できそうです。このように、達成できるか判断しやすくなるのです。方針が決まったら、Plan(計画)に戻りPDCAを回していく流れとなります。

ただ、改善できる業務をイメージしづらい方もいるのではないでしょうか。次に、業務プロセス改善で成功した事例を紹介します。

業務プロセス改善で成功した事例を紹介

今回は、業務プロセス改善で成功した2つの事例を紹介します。

  • 事例1:ANA
  • 事例2:ロイヤルホテル

1つずつ詳しく見ていきましょう。

ANA

1つ目は、航空会社「ANA」の事例です。ANAでは、以下の成功した事例があります。

  • iPadの導入したペーパーレスの実現により、約4億円の経費削減
    →経費の中から無駄なものを見極めて、解決した事例
  • 荷物預かり業務ができる機械を導入し、カウンター人員を約70%削減
    →時間のかかる業務を見極めて、解決した事例

特にペーパーレスの実現による約4億円の経費削減は、経費削減以外の効果も生んでいます。iPadの導入で情報共有がしやすくなり、情報連携にかかる時間を大幅に減らすことができたのです。

ロイヤルホテル

2つ目は、ホテル運営会社「ロイヤルホテル」の事例です。ロイヤルホテルでは、5S運動を実施した、業務プロセス改善の成功事例があります。

5S運動とは、以下5つに分けて作業環境を整備し、作業の品質・スピードを上げる施策です。

  • 整理
  • 整頓
  • 清掃
  • 清潔
  • しつけ

現状分析、把握した上で進めていく点では、業務プロセス改善の流れに最も近いかもしれません。以下で詳しく解説されているので、興味がある方はご一読ください。

参考:改善実践事例【株式会社ロイヤルホテル】

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

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まとめ

今回は、業務プロセス改善の概要、具体的な手順、改善事例について解説しました。

業務プロセス改善は、現状分析から効果が得られるまでに時間はかかりますが、紹介した事例のように、改善によって大きな効果を得られるケースもあります。

まずは、業務を振り返るきっかけとして現状をしっかりと分析し、改善点の洗い出しからはじめてみましょう。


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