プロキュアメントとは?業務内容を中心に意味を解説

 2022.01.11  株式会社システムインテグレータ

会社の利益を上げるために試行錯誤しているものの、なかなか実現に結びつかずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。その場合、自社の「プロキュアメント」の見直しを推奨します。プロキュアメントとは、製造・販売に必要な資材や人材などの調達業務のことです。この業務を最適化することで、業務効率化や売上向上を図れます。

この記事では、プロキュアメントの概要や主な業務内容、種類、仕入先の評価方法、最適化する方法についてご紹介します。 

プロキュアメントとは

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購買用語であるプロキュアメント(procurement)は「調達」を意味し、製造・販売において資材や人員などを調達する業務およびそのプロセス全体のことを指します。この業務は、製造業に限らず多くの業界において重要な役割を果たします。例えば、小売業では、販売する商品の調達、建設業では建築に必要な資材や人材の調達、医療では医薬品や医療器具の選定に役立てられます。いずれの分野においても、モノと収支とのバランスを適切に管理することが重要です。

これらの用語は業務内容を示す範囲が異なります。「調達」は生産計画に基づき、生産に必要な資材を適切なタイミングで仕入れて供給可能な状態にすることです。人材や設備などの整備や、機械のリースも含まれます。この業務の最大のミッションは必要なモノを適切なタイミング・量で、可能な限り安く揃えることです。一方、「購買」は必要とする資材の取得のみを指す用語のため、調達と比較して限定的な内容となります。 

eプロキュアメントとの違い

eプロキュアメント(electronic procurement)は「電子調達」を意味し、インターネットを利用した調達業務を行うアプリのことです。これは、発注業務を特定のルールに基づいて自動化するシステムで、場所や時間を問わず取り引きができ、コスト削減になることから多くの企業が取り入れています。

プロキュアメントが調達のプロセス全体を指すのに対し、eプロキュアメントは調達の手段や方法を指すという点で異なります。 

プロキュアメントの主な業務内容

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ここまでプロキュアメントの概要や類似した用語との違いについて解説しました。

では、実際にどのような業務を行うのでしょうか。ここでは、主な業務内容を6つご紹介します。 

調達要件の整理

単純に必要な資材を調達するだけではなく、仕入れるタイミングや必要な数量などを見極めることも仕事に含まれています。より安く、適切に仕入れるためにも生産計画を基に要件を整理し、仕入れ先を探す際の条件を詳細に定めておくことが重要です。

この過程を怠った場合、製造に必要なクオリティの資材が取得できない、あるいは納品が納期に間に合わないなど、生産計画に大きな影響を及ぼしかねません。このようなトラブルを防ぐためには現場や各部署の情報、仕入先の生産状況・経営状態など、様々な情報を収集しておく必要があります。 

仕入先の開拓や選定

より満足度の高い製品を安く生産・販売するためには、高品質の資材を安く提供する仕入先の開拓が欠かせません。とはいえ、高品質・低価格な資材を提供する仕入先であっても、無理難題を要求してくる、納期に遅れるなどのトラブルが頻繁に起こる場合は業務に支障をきたすことになるでしょう。仕入価格のみに捉われず、その他の要素も鑑みて開拓・選定する必要があります。

また、仕入先を複数確保して非常事態に備えたり、定期的に新規取引先を開拓したりといった業務も求められるでしょう。資材が調達できないリスクを最小限に抑えるためにも、日頃から対策を講じておかなければなりません。開拓を続けることで現在よりも好条件の仕入先が見つかる可能性もあります。

仕入先の開拓・選定方法としては、メーカーに直接問い合わせる、展示会に参加する、専用サイトを利用するなどが挙げられます。メーカーから仕入れる場合は、ロットでの購入や最小発注数量・最低金額が定められている場合もあるため、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較検討して調達要件に合う仕入先を見つけましょう。 

価格交渉

開拓・選定を行う際は、仕入先から提示される価格・納期などの条件が適正かどうかを判断しなければなりません。適正でないと判断した場合、仕入先と交渉する必要があります。スムーズな交渉のためにも、原価や市場動向といった基礎的な情報だけでなく、納期や品質といった幅広い知識を身に着けることが必要です。 

仕入先の管理

仕入先の生産能力を管理することで、適切なタイミングで自社に資材が届くようサポートします。

いきなりの発注では仕入先も迅速に対応することは難しいため、事前に生産計画を共有しておけば、計画をもとにした生産(見込み生産)が可能になり、迅速に対応できるはずです。

また、自社の生産計画の見直しなどで急な納期の変更が発生することもあるでしょう。不測の事態にも柔軟に対応できるように、仕入先と信頼関係を構築して情報を共有しておくことは大切です。また、仕入先の定期的な評価を行い品質や価格の確認を行うことも大切な業務のひとつです。 

最適なタイミングで資材を調達

プロキュアメントは「購買部門」と表現されることがありますが、先ほど解説したように、購入と調達は意味が異なります。プロキュアメントは適切なタイミングで材料や部品、資材を現場に届けることも含めた役割なので、開発・製造といった各部署と連携して生産計画を十分に理解してから、どのタイミングでどれくらいの資材が必要かを見極めることが大切です。 

製造現場への供給

製造現場に資材や材料などを供給することも重要な役割です。

また、仕入れの判断には現場の情報も必要となります。必要な時に必要な資材が現場に届いていなければ、生産計画や営業に大きな影響を与えてしまうからです。

プロキュアメントには、現場や各部署との素早い連携やコミュニケーション能力が求められます。 

プロキュアメントのおもな種類

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プロキュアメントは、仕入れる物の違いによって「直接材」と「間接材」の2種類に分けることができます。これらは、企業によって担当する部署に違いがあるため、確認の必要があります。 

直接材の調達

「直接材」とは企業の売上に直接関わる購買品のことです。製造業における材料や部品、資材などを直接材と言います。直接材調達の効率は、会社の収益性を決定する重要な要素と言えるでしょう。

日本では大企業を中心に調達部・購買部といった専門組織が担うケースが多く、中小企業では管理部や総務部といった部署が役割を担うこともあります。直接費は大きく分けて「素材費」「原料費」「買入部品費」の3種類が存在し、製品の製造法によって材料消費の形態も異なります。 

素材費

加工後も目視で確認できる材料のことを指します。機械における鉄、家具における木材、本における紙などが該当します。 

原料費

気体・液体・固体に関係なく成型する材料になるものを指すことが一般的です。ショートケーキなら、小麦粉や卵、牛乳、生クリームなどが該当します。 

買入部品費

組み立てに使用するネジや製品に取り付けるパーツなどのことです。自動車や自転車におけるタイヤなどが該当します。 

間接材の調達

「間接材」とは、企業の売上に直接の関わりはないものの、日常業務に不可欠なサービスまたは商品のことです。製造業で言う燃料や工具にかかる費用のことを指し、業務遂行のために利用する端末や事務用品、それらのメンテナンスなども含めて間接材と呼びます。日本では総務部や管理部が担当するケースが多く、欧米ではCPO(Chief Procurement Officer)という役職があり、専門の部署が存在するケースもあります。

直接材とは違い、必要なものを必要な時に発注するスタイルが確立してしまっている企業は多いでしょう。徹底した管理ができないため無駄なコストが発生したり、調達の効率性も落ちてしまっていたりすることも珍しくありません。こういった削減可能なコストを把握し、改善を検討することで結果として大きなコスト削減につながる場合もありますので、適切な管理がとても重要です。 

間接材は調達方法の違いによって大きく「見積購買品」「カタログ購買品」の2種類に分けられます。 

見積購買品

モノやサービスを買う際に見積が発生する費目です。対象は、物品からサービスまで多岐にわたります。たとえばサーバーの維持費やコピー費、携帯電話、ネット料金、電気代、賃料などは「調達契約品」と呼ばれています。また、広告やDM、チラシなどの広告宣伝費・販促費、業務委託や人材派遣などの外注費、施設管理費などは「都度見積品」です。 

カタログ購買品

ECサイトやカタログを使って購買する費目で、事務消耗品やMROなどの物品を数千円レベルの小ロットで購買することが多い特徴があります。同じ仕入先と長期的に取引を行うことが前提になるので、通常の仕入れよりも低コストで購入できる可能性が高くなるというメリットも存在します。 

プロキュアメントにおいて仕入先はどのように評価すべきか

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プロキュアメントにおいて、仕入先の開拓・選定が重要であることは先ほども解説しましたが、仕入先を選ぶ際の判断基準はどのようなものなのでしょうか。この項目では、仕入先を決める際の主な評価基準をご紹介します。

注意すべきポイントとして、仕入先の評価基準を定めていないと担当者ごとの基準が異なってしまうため、品質などに問題が発生してしまうケースが挙げられます。このようなトラブルを未然に防ぐためには、調達・購買部門全体で評価基準を標準化すると良いでしょう。 

資材の品質

仕入先の品質を見分けるには、資材そのものを見るだけでは足りません。どのような生産プロセスを辿っているのか、自社へ届くまでの梱包仕様や品質管理体制はどうなっているのか、などを細かく確認する必要があります。いくら安く品質のよい資材や材料の調達ができても、自社に届くまでに破損したり、管理不足による品質低下が発生したりすれば生産計画に大きな影響を与えるでしょう。そのようなトラブルを防ぐためにも、品質や生産プロセスといったポイントをしっかり評価することが必要となります。

また、既に契約している仕入先へ新しい発注を行う際にも「いつも利用しているから大丈夫」などの抽象的な理由で判断するのではなく、部品ごとに品質保証部門と掛け合って仕様書を作成してもらい、品質を担保するのがとても重要です。 

予算に見合った価格か

たとえ品質と価格が良くても、価格が予算を越えてしまっては仕入先として選ぶことができません。そのため、仕入先が価格交渉に応じるか否かも重要な要素です。

発注側は予算を抑えられれば製品価格や利益に反映させることができるため、積極的に価格交渉行います。その際は、一方的に条件を突きつけるのではなく仕入先の条件も聞き入れながら協議を進め、互いの納得がいく形で交渉することが大切です。 

納期どおりに仕入れられるか

品質や価格が理想的でも、納期通りに商品が届かなくては意味がありません。サービスにおいても同様です。納期に合わせて滞りなく生産が行われるかどうか、仕入先に確認しておくことも重要だと言えるでしょう。また、個別受注生産など仕入先の生産方式によっては、安定した生産が難しいケースもあります。その場合は、分散発注などの工夫も必要です。 

プロキュアメントの最適化にERPが活躍

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プロキュアメントの最適化には、スムーズな情報の流れを作ることが大切です。業務効率化にはさまざまなシステムがありますが、スムーズな情報共有や情報の管理ならERPの導入をおすすめします。ERPを導入することで、生産や販売、営業など社内部門のすべての情報を共通・一元管理することができます。

情報共有が進めば正確な仕入れが可能になり、プロキュアメントが最適化されるでしょう。 

バックオフィス業務改善ならシステムインテグレータ

多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
当社はERPをはじめとする情報システムの豊富な導入実績をもとに、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な改善策を提案します。業務の洗い出しや問題点の整理など、導入前の課題整理からお手伝いさせていただきます。
バックオフィス業務にお悩みをお持ちの方は、お気軽に株式会社システムインテグレータまでご連絡ください。

まとめ

今回はプロキュアメントについて解説しました。基本的にすべての企業で調達は行われていますが、業務に最適な形や経営を踏まえた活動ができているとは言えません。関連する情報を一つのデータベースに集約することで、調達活動についても改善点がより明確になるでしょう。

ERPを導入することで、プロキュアメントを含め販売、会計、人事などの業務や情報を統合することが可能です。ERPを導入することでどのようなメリットを得ることができるのか、詳細をまとめた資料などもございますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。


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