内閣主導で働き方改革実行計画が2017年3月に発表されてから数ヶ月が経過しました。「働き方改革」の重要なテーマの1つとして「労働生産性の向上」が挙げられています。
今回は、この「労働生産性の向上」に、ERPが有効な手段となるかどうか考えてみたいと思います。
働き方改革とERP
そもそも「働き方改革」の内容とは?
「働き方改革」は、言い換えると「一億総活躍社会を実現するための改革」です。
この改革が提言された背景には、労働人口の減少、長時間労働、少子高齢化、労働生産性の相対的な低さが挙げられます。
このような背景から「働き方改革」が提言されることになりました。
「働き方改革」では何をするか?
① 働き手を増やす
少子高齢化により労働者人口が減少する状況で、定年を迎えた高齢者や、育児や介護などの事情から職を離れた女性を労働者として雇用することで労働者人口を増やす必要があります。
② 出生率を上げる
出生率は2060年には1.35にまで減少することが見込まれています。出生率の低下は、晩婚、晩産化など様々な原因が考えられますが、労働時間の長時間化も大きな要因です。男性だけでなく、女性の労働者も増え、かつ長時間の労働により子供をもつ余裕がなくなり、結果少子化につながっています。
出生率を上げるには、男女双方の長時間労働を抑制するための施策が必要となります。
③ 労働生産性を上げる
日本の労働生産性は、OECD加盟国35カ国中22位(労働生産性の国際比較 2016年 公益財団法人日本生産本部)であり、加盟国平均を下回っています。先進7カ国(G7)では最下位です。
長時間労働を是正するためにも「労働生産性の向上」が最重要課題の1つです。
「働き方改革」とITとの関係
「働き方改革」を実現するために、企業で様々な取り組みが必要です。就業制度などの仕組の見直しも方法のひとつですが、ITが貢献できる部分も少なくありません。
そこで、その中でもERPがどのように貢献できるか考えてみます。
「働き手を増やす」×「ERP」
労働人口を増やすことは、リタイアした人や一度職場から離れた女性の再雇用、定年を迎えた人の継続雇用などがその解決策のひとつです。
このように働き手を増やすということは、労働形態が多様化しているということです。
このような多様化した労働者の中には、何かしらのハンデを負った人たちも含まれていることが考えられます。こういったハンデを克服するためにITやERPが活用できるかもしれません。
例えば、製造業の現場において製造実績を取得する方法として、見やすく、使いやすい画面のタブレット端末や音声認識を利用したりします。これにより高齢者の作業効率が向上し、結果として作業者としての寿命がのびるかもしれません。
また、育児や介護で離職している人でも、クラウド環境下で使えるERPシステムを利用することにより自宅でも作業ができるようになり、あらたな労働人口として期待ができるかもしれません。
「出生率を上げる」×「ERP」
ERPが直接的に出生率を上げることはできません。男女ともに労働時間を短縮することで、出生率を上げることに間接的に貢献できるかもしれません。
ERPでは、日々の業務をより短時間で効率的に遂行するための仕組みを提供することができます。
昨今ではERPの導入により外出先や自宅からでも基幹システムにアクセスできる環境が提供されるようになっています。
こうして労働時間を短縮し、プライベートに時間を割く時間が多くなれば、子供をもとうという気運が高まるのではないでしょうか。
「労働生産性を上げる」×「ERP」
ERPはまさに業務効率を高めるためのツールです。いろいろなシステムが混在し2重3重の作業をしていた状態から解放してくれることもERPの最も大きな効果です。このような非生産的な時間を削減し、付加価値の高い仕事に取り組めるようになると労働生産性はどんどん上がっていきます。
無駄な時間をできる限りなくし、本当に必要なことや重要なことに効率的に時間を割くことで労働生産性が上がっていきます。
また、最近ではAI(Artificial Intelligence)、RPA(Robotic Process Automation)といった新しい技術がどんどん世の中に出てきています。定型的で単純な業務処理は人間がやるのではなくRPAに担当させることで、従業員は単純作業から解放され、別の業務やより生産性の高い業務に時間を割くことができるようになります。
ある銀行では会社全体の事務を集約し、重複する業務を担当する人員を減らすことで、最終的には10年余りで2万人程度の業務量削減を目指すなどの取り組みがされています。
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多くの企業で人手不足が大きな課題となっていますが、バックオフィス業務にはいまだに属人化した作業やアナログ業務が残っており、企業の成長と発展を阻む大きな壁となっています。
バックオフィスの業務プロセスを最適化することで、コスト削減や属人化の防止だけでなく企業全体の生産性向上にもつながります。
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まとめ
「働き方改革」では、しくみとともに働く人の発想や意識を変えることが重要です。
ERPは、そのしくみ作りに貢献する最も強い武器の1つになると思います。ERPを有効につかってみなさんにとっての働き方改革を実現してください。
システムインテグレータはERP「GRANDIT」を活用した働き方改革を実現するためのご提案をさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。
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