AI(ディープラーニング)による画像分類とその活用法【初級者向け】

 2020.08.25  株式会社システムインテグレータ

画像認識の世界とビジネスの転用

AIによる画像分類とAI活用事例

AIは何が得意なの

前回はAIその中でもディープラーニングがどのように登場したのか、また私たちの身の回りでどのように使われているのかを紹介しました。完全無欠に見えるAIですが、とにかく使ってみればいいというわけではありません。

今回は画像認識AIの得意技3つを紹介し、そのうちの画像分類について少し詳しく見ていくことにしましょう。

*始めに断っておきますが、ディープラーニングなどを話している個所でもあえてAIと記載させていただきます。

 

得意技1:物体検知

画像中にある物体の位置と種類を予測します。例えば、飴が流れて来る工場のベルトコンベヤーでゴミが混ざっていた場合、そのゴミを検出するようなケースです。詳しくは次回のブログで説明します。

 

得意技2:画像生成

ある画像から新しい画像を生成します。例えば、写真画像の加工アプリで現在の自分を撮影、アップロードすることで、性別が変わった自分や未来の姿を見ることができるようなものも実はこのAI画像生成機能を使ったケースです。これも次々回のブログで詳しく説明します。

 

得意技3:画像分類

今回のブログでは、この画像分類について詳しく紹介します。画像認識とも呼ばれることがありますが、このブログでは画像分類で統一します。例えば、ある写真を見て、犬か猫どちらが写っているのか判別するケースがあります。

それでは、AIによる画像分類について詳しく見ていきましょう。

 

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しかし、画像分類では画像に映っている物体が何なのかは判別できても、その位置まで判別することはできません。位置の判別が加わると、画像分類ではなく物体検知と呼ばれるものになります。(物と位置を捉え車の自動運転を実現しようとするのは物体検知のAIを利用しています)これは次回のブログで詳しく紹介します。また、これはAI(ディープラーニング)での学習において言えることなのですが、学習するためのデータが正確でないと十分な性能を発揮することができません。

このAI画像分類という分野は、物体検知や画像生成の基礎となる技術なので非常に重要です。では、画像分類が実際に使われている例を3つ詳しく見てみましょう。

 

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ビジネス界でのAI画像分類の活用例

1.AIによるワインの異物混入検査

これまでワインの検査作業は人間による目視で行われてきました。ですが、瓶を光に透かし液体の中に混入した微小な異物をチェックするという検査作業は繊細で熟練の技術が求められます。

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これに対して、20195月にアサヒビールとNECは共同で輸入ワインの異物を自動で検査する機器を開発しました。AIを用いてこれらを検査、分類することで従業員のスキルに依存することなく、製品の質を均一化することができます。近年、ワインの輸入量が急拡大していることから、このような検査をする方々が不足してしまうことも見込まれます。下のグラフは果実酒(ワイン以外も含まれます)の課税数量推移ですが、これを解決するための手段として、輸入ワインのAIを使った自動検査機は大いに役立つかもしれません。

 

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(参考:国税庁酒類課税数量の推移より)

 

2.AIによる空港での入出国審査

訪日外国人数は、下のグラフが示すように最近10年で爆発的に増加しています。また、政府は訪日外国人旅行者を2030年には6000万人にする目標を立てました。これにより、出入国審査件数が大幅に増加することが見込まれるので、より円滑な審査が必須です。

(参考:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計より)

 

そこで、AIによる画像分類の出番です。パナソニックシステムソリューションズは顔認証ゲートを開発しました。これにより人間が行っていた出入国審査の一部に顔認証技術を使用して代替することで、より円滑な審査ができるようになりました。201710月、この機器は全国5か所の空港で採用され、今後も各空港に導入されていく予定だそうです。

 

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(出所:パナソニックシステムソリューションズ プレスリリース 法務省様がパナソニック製「顔認証ゲート」の運用を拡大)

 

3.AIによる内視鏡検査                 

激務だと言われる医師の仕事量ですが、日本政府が2019年に提出したレポートに記載されている医師の残業時間上限は年1860時間で、これでも以前より減少しているそうです。これは一般労働者の倍以上で、このような状況にAIメディカルサービスCEOの多田医師は危機感を感じていました。2016年、東京大学・松尾豊教授の講演「AIによる画像認識能力の進歩」を聞いた多田医師は、内視鏡検査を「AIで代替できるかもしれない」というアイデアを思いつきます。このアイデアを実現するためAIメディカルサービスを設立、2017年から内視鏡の画像をみて癌の兆候を発見するソフトウェアを開発しています。作成されたAIは人間も含めたテストで23人中4位という好成績で、2018年には6mm以上の胃がんを98%の精度で発見することができるようになりました。この内視鏡AI2021年の実用化を目指しているそうです。

AIが私たちの命を救ってくれる日も近いかもしれません。

 

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AI画像分類のビジネス活用の未来と課題

AI画像分類の概要とどんな場面で活用されているのかをご紹介してきました。では、AI画像分類ではできないこと、つまり課題は何でしょうか。また、これからのAI画像分類はどうなっていくのでしょうか。

AI画像分類が持つ課題、それはたとえ世界最高のAI画像分類であっても人間の常識や倫理といったものは学習していないということです。つまり、学習していないものは、AIにはわかりません。当然といえば当然ですが、結果として学習時にあらゆる例外や学習をさせる人間が気づいていないことをどのように学習させていくかといった問題を招いています。それによってAIの学習レベルも制限されてしまいます。加えて、もし偏った学習データで学習してしまうと、AIも同じように偏った結果しか示せなくなります。これらは学習時のデータをうまく設計することで、ある程度回避できますが、根本的な解決には未だ至っておりません。

現時点では、このほかにもいくつかの課題があるAI画像分類ですが、それらを解決するため日進月歩の研究が進められています。しかし、最新のAI画像分野の論文は1つのカンファレンスのみで年間5000を超え(CVPR,2019)、すべてを網羅するのは一流の研究者でも難しいことがわかります。また、AIを制作するために必要な知識や技術は向上し続けており、適切な設計で現実問題へ適用する難度は上がっていると考えられます。

そのようなAIですが、現実での応用例で紹介したように正しく使うことで仕事の効率を上げることができるでしょう。

 

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