アーキテクチャの意味とは? ITアーキテクト人材育成の重要性も分かりやすく解説

 2023.02.10  株式会社システムインテグレータ

アーキテクチャはIT分野における基本用語のひとつですが、近年では以前よりさまざまな場面で使われることが多くなってきたため、理解が曖昧な人も多いのではないでしょうか。本記事では、アーキテクチャの基本的な意味をはじめ、その種類や設計方法などを解説します。また、アーキテクトに必要なスキルや資格などについても紹介します。

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ITアーキテクチャとは?

まずはIT用語のアーキテクチャの意味をはじめ、DXとの関係、アーキテクトや新旧のアーキテクチャの違いについて解説します。

アーキテクチャの意味とは? ITアーキテクト人材育成の重要性も分かりやすく解説 1

アーキテクチャの意味

IT業界における「アーキテクチャ(architecture)」とは、情報システムの設定方法や思想のことです。直訳すると「建築物」「構造」であるように、元々は主に建築分野で使われる用語でした。IT分野においても、元はPCなどに使われているCPUの基本設計を指していた言葉ですが、近年はより広い用途に使われています。

アーキテクチャの新旧

ITの進化に伴って、アーキテクチャも当然進化していきます。例えば、最近のPCは昔のものとは段違いの演算処理能力や電力効率を誇っています。これはCPUの進化、ひいては「CPUの基本設計」としてのアーキテクチャの進化によるものです。CPUではインテル社の「Coreシリーズ」が有名ですが、この製品群の最新バージョンは第12世代に当たります(2022年時点)。最新のCPUは前世代よりも性能が進化しており、PCを買う時の価格にも影響を与えます。

アーキテクチャが担う3つの分野

アーキテクチャは、ITにおいて主に3つの分野を担います。

第一の分野は「インテグレーション・アーキテクチャ」です。企業ではさまざまな業務システムが存在しますが、それらのシステム間の統合や連携を行うための構造設計を意味します。

第二の分野は「アプリケーション・アーキテクチャ」です。アプリケーションの設計や構築をするための手法やロードマップなどを指します。

第三の分野は「インフラストラクチャ・アーキテクチャ」です。ITを活用するための前提となるハードウェアやソフトウェア、ネットワークなど、ITインフラ環境における「基盤」を設計することを意味します。

アーキテクト設計などができるアーキテクチャに必要なスキル

上記のようにITアーキテクトは企業において非常に重要な役割をなしているため、さまざまな能力が必要です。システム開発に関する広範な知識や設計技法が必要になるのは当然ですが、その他にもコミュニケーション能力やネゴシエーション技法、コンサルティング技法などが求められます。先述のようにITアーキテクトには顧客のニーズを満たすようなアーキテクチャ設計が求められるため、情報収集したりクライアントと交渉したりすることが欠かせないからです。また、プロジェクトを牽引する立場として、リーダーシップやプロジェクトマネジメント能力なども求められるでしょう。

アーキテクトに欠かせない資格

ITアーキテクトとして確かな信頼を得た上で仕事をするには、資格を取得することも大切です。例えばIPA(情報処理推進機構)は、「システムアーキテクト試験(SA)」というアーキテクト用の国家試験を主宰しています。また、プロジェクトリーダーとしての知識やスキルを磨くには、同じくIPAの「プロジェクトマネージャ試験(PM)」に挑戦するのもよいでしょう。こうした資格や試験合格実績を有することで、クライアントにも自分が確かな知識を持ったアーキテクトであることを証明できます。

アーキテクチャの設定方法

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アーキテクチャを設計するには、どのような作業が必要になるのでしょうか。

最初に取り組むべき工程は、顧客のニーズを洗い出すことです。ここでは、要件定義と要求定義を明確にし、システムに求められていることを構成要素ごとに分析します。また、構成要素間のインターフェースについても明確化する必要があります。

次のステップでは、具体的にシステムを設計していきます。先のプロセスで判明した要件を中心としてシステムに必要な機能を抽出・配置し、製品に当てはめて性能面を詰めていく工程です。その際には、システムの安全性を確保するためにセキュリティ面も考慮しなければいけません。また、性能を検証するために、プロトタイプを作ってテストする必要もあります。

この一連の流れは一回限りのものではなく、試行錯誤の繰り返しを通して製品をブラッシュアップしていくことが必要です。

アーキテクチャのデメリットや課題とは?

アーキテクチャの学習や設計に伴う課題として、どのようなことが挙げられるでしょうか。

まず留意するべきことは、時代ごとに必要なアーキテクチャは異なるということです。アーキテクチャは時代を経るごとに進化しているため、アーキテクトは常に最新の技術動向にアンテナを張り巡らし、継続的に知識を更新していかなければいけません。

ただし、最新のアーキテクチャといえども、常に最善の答えとは限らないことも注意点です。アーキテクトはその都度柔軟に最適なアーキテクチャを考えて設計することが重要です。

まとめ

IT分野においてアーキテクチャは、情報システムの設定方法や思想を表す言葉です。アーキテクチャの設計を担うアーキテクトには、デジタル技術に関する技術だけでなく、広範にわたるスキルや知見が求められます。
「SI Object Browser ER」はシステムアーキテクチャの標準化や、変更管理の工程などを合理化できる便利なツールです。ぜひ導入をご検討ください。

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