製造業がデジタル化の波に乗り遅れている理由とは

 2020.03.02  株式会社システムインテグレータ

経済産業省が毎年発行している「ものづくり白書」に記載されているとおり、世界では第4次産業革命への取り組みが着々と進められている一方で、日本の製造業におけるデジタル化は大きく立ち遅れています。IoTを含めた製造業のデジタル化を行うためには、その前提としてSCM(サプライチェーン・マネジメント)業務のIT化が必須となりますが、その導入自体があまり進んでおりません。
本ブログでは、なぜ製造業がデジタル化の波に乗り遅れているのかについて、業務のIT化を支えてきたERP(基幹業務統合管理)に焦点を当て、理由や背景について探っていきます。

※過去の産業革命と第4次産業革命の特徴概要
第1次産業革命:18世紀末英国で始まった「手作業」から「機械化」のはしり。蒸気機関車による交通革命も発生。

第2次産業革命:19世紀後半から「電力導入」により、欧米中心に工場だけでなく化学・電気・石油等の生産技術革新・輸送手段の変革が図られた。

第3次産業革命:20世紀半ばから後半にかけて、「コンピューター」により工場での機械が自動化され、より効率的に量産が可能になった変革。

第4次産業革命:一般的にはIoTやAI(人工知能)を用いることで起こる製造業の革新。

ERPが8年ぶりに「今後3年間でIT投資が増加するソフトウェア」の1位に

矢野経済研究所の2019年調査結果によると、今後3年間でIT投資が増加するソフトウェアでは、ERPが8年ぶりに首位になりました。回答社数482社、最大3つまで複数選択可能において、「ERP」と「セキュリティ関連ソフトウェア」が41.9%の同率で1位。それまでは「セキュリティ関連ソフトウェア」が単独で1位でした。

引用:IT Leaders「ERPが8年ぶりに「今後3年間でIT投資が増加するソフトウェア」の1位に ー 矢野経済研究所」

ERPが1位になった背景として同社は、「経営環境の変化に合わせて基幹システムを更新する動きが進んでいる」「ERPパッケージのクラウド化が進んでいる」「SAPのERP保守サポート期限が2025年に迫っている」ことなどを挙げております。SAP ERPの2025年問題につきましては以前のブログ「ERP 2025年問題にどう備える?」でも詳しく説明しておりますので、ご興味ある方はご覧ください。

SCM業務における業務ソフトウェア導入状況

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上図はERPを含む業務ソフトウェア利用率の2018年調査結果になります(MM総研調べ)。中堅企業の業務ソフトウェア利用率は「財務・会計」55%、「人事・給与」50%、「販売管理」36%、「生産管理」29%。大企業では、「財務・会計」54%、「人事・給与」45%、「販売管理」34%、「生産管理」31%でした。

「販売管理」や「生産管理」などSCM分野にパッケージシステムを導入している企業数は、中堅企業から大企業を対象にしても29%~36%程度であり、残りの企業はスクラッチ開発をした20~30年前のレガシーシステムを幾度もカスタマイズしながら使用する、もしくは表計算ソフトを利用する現状です。この結果は、ものづくりの根幹を支えるSCMがIT化されていない(≒属人化している)という非常に危うい状況にあることを意味しています。また、レガシーシステムであることが事業の変革や新規参入の障壁になっている企業も多く見られます。

ERPに関するお役立ち資料

国内製造業がSCM領域をパッケージシステム化しない理由

これらの結果で分かるとおり、国内製造業はワークスタイル変革に伴うIT投資は必要だと感じてはいますが、それが部分的に留まっている状況です。具体的に言うと「財務会計」や「人事給与」などバックオフィス系の業務領域を中心としたパッケージシステム導入は進んでいるものの、「販売管理」や「生産管理」などSCM領域においてはパッケージシステム導入が進んでいない状況です。

この背景には2つの要因があり、1つは国内製造業が要求する機能レベルが高いため、パッケージシステム標準機能がユーザの求めるレベルに到達していないこと。もう1つはパッケージベンダーが提唱する「パッケージシステムに業務を合わせる」ことが、SCMを経営戦略の一環として改革してきた国内製造業にはフィットしなかったことがあげられます。

国内製造業のデジタル化が進まない背景

こうしたSCM領域のIT化がデジタル化の波を乗り切るポイントの1つでもありますが、国内製造業の経営層の多くは、強い関心を持ちつつも、改革の一歩を踏み出せない現状です。
また、レガシーシステムを使用している場合、維持管理に多大なIT予算や工数を費やしており、新しいビジネスやイノベーションの創出に向けた投資はほとんど行われない実態があります。これは世界の製造業がスピーディにデジタル化を進める中で、国内製造業はデジタル化を推進するどころか、レガシーシステムを維持することで手一杯になってしまうことを意味します。

デジタル化の波に乗り遅れないためには

デジタル化を進めるにあたり、まずは自社の現状を把握することが重要です。SCM領域含む業務全体を把握し、問題点・課題をまとめます。そして関係各所に目的を理解してもらい、当事者意識を持って取り組んでもらいます。同時進行でERPやIoT・AI・RPAなどの最新技術の分析・評価を行う必要もあります。想像を越えるスピードで世界は変化していますので、スピード感を維持しながらも、一歩ずつ着実に進める確実性も求められています。
この「勇気ある一歩・踏み出し」が今の国内製造業各社には必要ではないかと考えます。

当社は多くの国内製造業に対し、レガシーシステムから統合型ERP「GRANDIT」への移行を行い、SCM領域の実現形態をデジタル化への後押しをしてまいりました。新しいビジネスやイノベーションの創出のために「GRANDIT」をぜひご検討ください。

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