買い物でポイントを獲得し、特典と交換するポイントサービスはすでに日常的なものになっています。ECサイトでも鉄板施策として、ユーザーがショップを選ぶ重要な要素の一つです。今回の記事ではポイントサービスのメリットとデメリット、実績のあるポイントサービスを紹介します。
ECサイト構築については以下の記事で解説しています。
ECサイト構築を徹底解説 | 費用相場・方法・制作手順から会社の選び方まで
ポイントサービスとは
ポイントサービスとは、消費者の利用に応じて自社で利用できるポイントを付与するサービスです。ポイントを付与することで消費者の利用頻度を向上させるのと併せて、商品やサービスのファンを増やすのが目的です。ECサイトにポイントサービスを導入することで競合対策にもなるでしょう。
しかしポイントサービスにはメリットもあればデメリットも存在します。それぞれ詳しくご紹介します。
ポイントサービスを導入するメリット・デメリット
ポイントサービスを導入しているECサイトは多くあります。ポイントサービスにもメリットとデメリットがあります。順に詳しく見ていきましょう。
ポイントサービスのメリット
実店舗と同様に、ECサイトでもポイントシステムによって商品に付加価値を与えることができます。同じ商品が同一の金額で販売されていた場合、ポイントサービスによる特典の違いで他社との差別化を行い、顧客の囲い込みにつなげることができます。また、会員ランクに応じたポイント倍率優遇やボーナスポイントなどは顧客のロイヤルカスタマー化にもつながります。
さらに、ポイント有効期限のお知らせでリピート機会の創出。さらに、ポイント強化期間、ポイント倍率アップ商品などのマーケティング施策を行うことで、購買意欲を高めることにもつながります。
ポイントサービスのデメリット
ポイントは言い換えれば「将来の値引き」となります。過度なポイントサービスは売上の減少につながり、また、ECサイトの性質によってはブランド価値を下げることにつながる可能性もあります。そのほか、ポイントは特定の要件を満たす場合、期末未使用ポイント残高を「引当金」として計上することになり、会計上の手間も発生します。
ポイントサービスを導入する際の注意点
では、ECサイトのポイントサービスを導入する場合にはどのような点に注意したらよいでしょうか。ここでは注意したいポイントについて解説します。
自社ポイントか共通ポイントか
ポイントシステムには大きく分けて、共通ポイントシステムと、自店のみで利用できる店舗独自のポイントシステムの2種類があります。
「Tポイント」「dポイント」などの共通ポイントシステムでは、すべての加盟店舗で相互にポイントを利用できます。他の加盟店からの誘客が期待できたり、大手ポイント会社のブランド力が利用できたりする点や、自社でシステム管理をする必要がない点がメリットです。その一方で、自店の独自性を生かしたサービスを行うのが難しく、加盟費用や利用手数料など継続コストがかさんだり、他の共通ポイントを使うユーザーを遠ざけたりする可能性があるなどのデメリットがあります。
これに対し、自店の独自ポイントはサービスの自由度が高いのがメリットです。ポイントの還元率や付与のタイミング、独自のキャンペーンなどを自由に決めることができますす。一方のデメリットとしては、ユーザーにとって魅力的なポイント制度を構築する努力が必要になるという点が挙げられるでしょう。
ポイントを付与するタイミング
ユーザーにポイントを付与するタイミングも重要です。ポイント付与のタイミングとしては商品の注文成立時や、商品出荷時などのタイミングが考えられます。ユーザーに最も印象づけられるタイミングは商品注文時にポイントを付与する方法ですが、代引きが成立しなかった場合や、キャンセルになったり返品されたりした場合に、ポイントを取り消す手間が発生するなどの難点があります。その逆に、ユーザーが商品を受け取ってからポイント付与までに日数がかかりすぎると、ポイントを獲得したという実感をユーザーに持たせることができず、リピート購入につながらない場合があります。
また、通常のポイントのほかに、会員登録時や初回利用、バースデーキャンペーンなどの特別ポイントを設定する場合もあります。特別ポイントの付与は購入意欲を促す効果が期待できますが、ポイント付与のタイミングが多すぎると、管理する手間が店舗側の負担増に繋がり、思わぬコストがかさむこともありますので注意が必要です。
リアル店舗とECの融合をどうするか
ECサイトだけでなく、リアル店舗も運営している場合には、ECサイトとの共通ポイントサービスとしてオムニチャネルを実践するサイトが増えています。
既にリアル店舗だけでポイントサービスを行っている場合には、既存の会員・ポイントデータとECのポイントをどのように名寄せ・統合するのかが検討課題となります。それぞれを独立したシステムとしてデータを連携することで管理をするのか、ポイント共通管理を行えるシステムを導入するのか、システム構築方針を決定する必要があります。
また、運用においてもリアル店舗とECサイトでの共通サービスとそれぞれでの独自サービスでメリハリを利かせるような工夫も必要となってきます。
ポイントサービスの導入におすすめのサービス3選
ここでは、ポイントサービスの導入やオムニチャネルのためのリアル店舗・EC連携を検討している方に向けて、ポイントサービスを構築するシステムを提供している管理会社3社を紹介します。
株式会社クレアンスメアード
クレアンスメアードのサービスではポイント管理、顧客管理、ポイント交換など多彩なオプションを組み合わせたポイント管理システムを構築することができます。
アプリごとインターネット上で使えるSaaS型のクラウドサービスで利用できるので、導入側のコストを最小限に抑えることができます。ECサイトやアプリとの会員連携やポイント付与・残高照会などを50種類以上用意されたAPIを通じてリアルタイムに連携することができます。大手企業や金融機関に利用されている信頼性の高さも魅力です。
株式会社ネクストポイントサービス
ネクストポイントサービス(NPS)はクラウドサービスでポイントカードシステムを提供しています。クレジットカードなどの決済端末で国内において約50%のシェアを誇る日本カードネットワーク(CARDNET)標準ポイントサービスに対応しており、CARDNETの端末で読み取れるポイントカードの発行ができます。
また、利用中のポイントサービスからの乗り換え対応も行っています。紙のスタンプカードや、リライトカード式のポイントカードから乗り換えたい場合などに、ポイント残高の移行や顧客情報移行のサービスも行っています。アナログの顧客管理からデジタル管理に移行したいと考えている場合におすすめです。もちろん、ECサイトと連携することも可能です。
株式会社エムズコミュニケイト
エムズコミュニケイトは大日本印刷の社内ベンチャーから発展して、ポイントサービス専門のマーケティング支援会社として独立した会社で、150社以上のポイントサービスシステム導入実績があります。ポイントカード発行や個人情報管理、運用支援、プロモーションのほか、ポイントサービス戦略の設計やシステム構築、コールセンター、ポイント交換商品の発送管理までワンストップで提供するほか、店舗の業種や規模、運営状況に合わせて必要な領域に絞ったピンポイント支援も行っています。幅広い企業への支援を通して顧客関係管理に役立つノウハウも蓄積しており、ユーザーとの良好な関係を築くため施策の提案もしています。
まとめ
ECサイトにおけるポイントサービスは売上アップやリピート化、オムニチャネル促進のために必要不可欠な施策です。反面、マーケティングプランや事業収支などと照らし合わせながら計画的に実行しないと、思わぬコスト増にも繋がり兼ねません。ポイントサービスを進めていく場合には常に効果検証を行いながら、ユーザー目線に立ったサービスを実践していきましょう。
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