ハレーションとは? 発生の原理や似た言葉、対策・防止方法について解説

 2023.11.07  株式会社システムインテグレータ

製造業の画像検査において、ハレーションをどう解消するかが課題です。この記事では、ハレーションの概要と発生の原理、有効な対策方法を詳しく解説します。適切なハレーション対策により、鮮明な画像を安定して映し出せるようになれば、外観検査の精度が向上し、人的リソースの最適化を見込めます。

ハレーションとはどんな現象?

ハレーションとは? 発生の原理や似た言葉、対策・防止方法について解説

ハレーションとは、レンズに強い光源が入り込むことで、画像の一部が白くぼやけてしまう現象を指します。元々フィルムカメラの分野で使われていた用語で、製造業においてはフレアやゴーストを意味する場合が大半です。

カメラを用いた画像検査でハレーションが生じれば、正しい判定が困難になり検査の精度が低下します。画像による外観検査は、品質の保証・維持・向上に直結する重要な工程です。外観検査の効率化と精度向上を目指し、ハレーションが起きる仕組みをよく理解した上で対策を検討しましょう。

ハレーションが発生する原理

上述したように、ハレーションは、強い光がレンズやカメラの中を反射することで発生します。製造業の現場では、対象物が光を強く反射する性質を持っていることも多く、これがハレーションを起こす要因のひとつになっています。

例えば、デジタルマイクロスコープを用いた金属の外観検査は、ハレーションが起こりやすいとされています。金属は光を反射しやすいため、その反射光がレンズ内で散乱することでハレーションが発生します。

光で白飛びした不鮮明な画像では、正しく品質管理を行えません。原因を解析し、ハレーションを避けるための創意工夫が求められます。

ハレーションを利用した検査方法もある

画像検査に悪影響を及ぼすハレーションですが、この原理を応用した検査方法もあります。顕微鏡を使用する際に特定の状況下でわざとハレーションを発生させ、落射照明では捉えきれない微細な製品表面の傷や汚れを観察するという手法です。

ハレーションと似た言葉について

画像検査でしばしば問題となるハレーションには、いくつかの種類があります。以下で解説する現象は、それぞれ原因や影響する範囲が異なりますが「不必要な光や信号が画像に影響を与えている」という点では共通しています。

画像処理の精度を高めるためには、これらの現象が起こる仕組みをよく理解し、ハレーション防止に向けた対策へと結びつけていくことが大切です。

1. ゴースト

ゴーストとは、レンズやカメラの内部で光が反射し、画像の一部に玉状や楕円形をした光が映り込む現象です。撮影時に強い光が直接レンズに入ることで発生します。複数のレンズ要素が組み合わさった高度な光学機器ほど問題になる傾向にあります。

2. フレア

フレアとは、レンズやカメラ内で光が反射した結果、画像全体が白く霞んだようになる現象です。発生の原理はゴーストと同じですが、特定の部分に光が映り込むゴーストとは異なり、画像全体が白っぽくなります。

ゴーストと同様、強い光が直接レンズに入り込まないようアングルを工夫するほか、レンズに入る光を調節する仕組みを取り入れることで防止できます。

3. アーチファクト(メタルアーチファクト)

アーチファクトまたはメタルアーチファクトとは、産業用のCT装置などでX線を用いた際に発生するハレーションです。この現象は、特に金属の周辺で生じやすく、金属がX線を吸収あるいは反射することで、画像に異常が発生します。

アーチファクトが発生すると、金属周辺でハレーションが生じ、その周辺は暗く映し出されます。特に、高精度な検査が求められる場面では、正常な検査を阻害する要因となるため早急に改善策を考えなければなりません。

ハレーション対策・防止方法5選

産業用顕微鏡やデジタルマイクロスコープで発生するハレーションは、画像検査の精度に悪影響を及ぼします。特にマイクロスコープを用いた検査では、非常に小さな対象を観察しなければならないため、ハレーションの影響も大きくなります。

1. 拡散照明を利用する

ハレーションは、金属鏡面などの反射しやすい材質に対して、一方向から光を照射することで起こりやすくなります。このケースでは、拡散照明の利用が有効です。拡散照明とは、光を均等に分散させて光の集中を防ぐ方法です。拡散照明は、金属やガラスなど光を反射しやすい素材検査の際に有効です。

2. SS値(シャッタースピード)を調整する

SS値(シャッタースピード)の調整もハレーション防止に高い効果を発揮します。SS値を調整すると、センサーが光を感じる時間(露光時間)を制御できます。SS値が大きいほどシャッターが開く時間は長くなるため、多くの光を取り込んで明るい画像を映し出すことが可能です。
逆に、SS値を小さくして取り込む光の量を絞れば画像は暗くなります。
基本的に、ハレーションは強すぎる光が原因で起こるため、SS値を小さくして光が飽和するのを避けると改善が見込めます。もちろんSS値を下げすぎないよう、適切なバランスを見極めることが重要です。

3. HDR・画像解析ソフトを利用する

HDR(High Dynamic Range:ハイダイナミックレンジ)とは、画像に明るすぎる部分や暗すぎる部分が出てしまうのを防ぎ、全体の明るさを最適にする技術です。上述したように、画像の明るさはSS値でも調整できますが、バランスよく調節するのは困難です。

HDRは、複数の明度で画像を撮影し、最適な明度で映った部分を自動的に合成して、ひとつの鮮明な画像へ合成する処理を行います。HDRや画像解析ソフトウェアを利用すれば、過度な白飛びや黒つぶれをバランスよく調整してくれるため、検査に適した画像を作ることができます。

4. 偏光板・偏光フィルターを使用する

偏光フィルターとは、特定の方向からの光のみを通過させ、それ以外の光を遮断・減衰させる器具です。素材の反射光が原因となっている場合、偏光フィルターで光を抑制すれば、ハレーションを防止できます。

一般的に使われている偏光フィルターは、レンズに直接取り付けて使用します。多くの産業用顕微鏡やデジタルマイクロスコープにも利用できるため、金属やガラス、ビニールなど、光を強く反射する素材の外観検査に有効です。

5. ハレーション除去機能を持った機器を選定する

ハレーション除去機能を内蔵した機器の導入も有効な手段です。ハレーションが頻繁に発生していたり、高度な検査精度が求められたりする製品の画像検査には、高性能な機器の活用をおすすめします。機器のリプレイス時に導入を検討してみましょう。

まとめ

画像検査の精度に大きく影響するハレーションは、レンズに強い光が入ることで発生します。
ハレーションが起こる原理が分かれば、有効な防止策を見つけ出せるはずです。頻繁に起こるハレーションを解消すれば、さらなる効率化が期待できます。

画像検査の精度を上げるには、画像自体を検査しやすい状態にすることはもちろん、そのほかにも検査機の導入やAIを活用した自動化なども選択肢の一つになります。検査の負荷軽減や検査精度の均一化を求めるのであればシステムの導入が欠かせないでしょう。
AIで外観検査を自動化し、検査精度を上げるためのポイントなどをまとめた資料もあるので、ぜひこちらも参考にご覧ください。

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