異常検知とは?その手法と特徴について

 2020.01.30  株式会社システムインテグレータ

異常検知とは、大多数のデータとは振る舞いが異なるデータを検出するための技術です。クレジットカードの不正使用検知、システムの故障検知、異常行動検知などさまざまな分野で異常検知技術が活用されています。

昨今、この異常検知を特に必要としている分野といえば、製造業ではないでしょうか?激しいグローバルビジネスを勝ち抜くためには、安定的かつ厳格な品質保証と生産性の向上が相対して要求されます。本稿では代表的な異常検知手法と特徴についてご紹介します。

異常検知の手法(ホテリング理論)

異常検知にはさまざまな手法があり、中でも有名なのが「ホテリング理論」です。この手法は、平均や分散といったデータの基本的な分布情報をもとにして、観測値(x’)より算出した異常度(a(x’))を用いて外れ値を検知するものです。

最初に、ほとんど外れ値が含まれていない1次元のデータセットを用意します。ホテリング理論においては、このデータセットの正規分布に従うことを前提としており、ヒストグラムなどを使用して正規分布であることを確認しておくことがポイントです。正規分布でない場合は、対数変換やボックスコックス変換などをかけて正規化する必要があります。

ホテリング理論の問題点

ホテリング理論は外れ値を検出する最も基礎的な方法です。しかしながら、以下のような問題点があります。

  • データが単一の正規分布から発生していると仮定するため、正規分布から著しく外れている場合や分布が複数の山を持つ場合は、外れ値を正しく判断できない
  • 正規分布のパラメータは変化しないとしているため、分布のパラメータが変化するような時系列データには適用できない

その他の異常検知手法

ホテリング理論以外にもさまざまな異常検知手法があります。

k近傍法

ホテリング理論ではデータが正規分布から生成されていると仮定するため、正常なデータが多数のクラスターからなる場合には上手く異常値を取り除くことができません。そこで、確率分布を明示的に仮定しない手法がk近傍法です。
この手法は、分類に使われる手法の一つで、与えられた学習データをベクトル空間上にプロットしておき、未知のデータが得られたら、そこから距離が近い順に任意のk個を取得し、その多数決でデータが属するクラスを判定します。

距離の定義にはユークリッド距離が使われることが多いですが、マハラノビス距離やマンハッタン距離など、任意の距離を用いることもできます。

A) ユークリッド距離

日常で用いられる距離で最も一般的なものです。平面なら2点の座標が求まれば、ピタゴラスの定理で表すことができます。

B) マハラノビス距離

変数同士に相関があるときに用いられる距離です。

C) マンハッタン距離

マンハッタンや京都のような碁盤の目のような街を移動するときの距離です。どこを通っても最短距離は等しくなります。

LOF(Local Outlier Factor)法

k近傍法では閾値をあらかじめ決めておく必要がありますが、どのような値を選ぶかはデータに強く依存しており、特に多次元の場合などは簡単ではありません。各クラスターでクラスター内におけるデータ密度が全く異なる場合には、k近傍法は不適切になる可能性があります。
そこでよく用いられる手法がLOF(Local Outlier Factor)法です。あらかじめ閾値を設定するk近傍法と異なり、LOF法ではデータの集積を空間における密度に置き換える方法となります。これにより外れ値の検知が容易となり、特定の閾値や基準を設定しづらい複雑な要素で構成されるデータ分布に対して用いることができます。
以上に挙げた手法以外にも異常検知の手法はたくさんあります。しかしながら、これら手法から最適なものを選択、使いこなして異常検知を実施するのは決して簡単でありません。特に製造業においては、どのようにしてリアルタイムな異常検知を実現するかが重要です。

異常検知システムを検討する

製造業において不良品の流出防止や品質保証を継続的に行うためには、生産ライン上またはライン外で外観検査を実施する必要があります。外観検査とは、生産過程の部品や製品の品質を保証するために、外観からチェックする検査業務です。主に部品や製品の表面に付着した汚れや異物、傷、バリ、欠け、変形など外観上の欠陥を検知し、良品か不良品かを評価します。

一般的な外観検査は、以下のような検査項目をすべて目視で確認していくため、作業員の負担が増大しています。

外観検査項目 内容
仕様、形状、構造にかかわる不良 形状 指定された形状からの変形、欠損、差異など
構造 組み立て時の位置ずれ、差異など
寸法 指定された寸法との差異など
色調の差異、変色や色ムラなど
意匠(デザイン)・印刷 指定された意匠・印刷との差異など
表面形状にかかわる不良 表面の見栄え・感触 しわ、筋、艶、ムラ、くもり、劣化、異触感、凸凹など
表面に発生した傷など
付着物 汚れやちり、異物などの付着
仕上がりにかかわる不良 仕上がりの丁寧さ バリや突起、欠けなど

生産ライン上で全数検査を実施している工場では、上記の項目をすべて目視で確認する必要があり、1個あたりにかけられる時間は限られています。そのため、ヒューマンエラーによって不良品が流出するリスクは常にあり、完全に品質を保証できない可能性もあります。

そこで注目されているのが、異常検知システムによる外観検査であり、検査をシステム化することで効率性と確実性を向上させようという企業が多数存在します。

画像認識技術とAIを活用

異常検知システムの中でも特に注目されているのが、画像認識技術とAIを用いたシステムです。画像認識によって生産ラインを流れる部品や製品の動画データと画像データをサーバーに蓄積し、AIがそのデータを取り込んで良品、不良品を判定していきます。人手不足を解消するなど、異常検知システムを導入することで検査業務にかかる工数、時間、コストを大幅に削減できます。

AISIA-ADによる異常検知

当社システムインテグレータが提供するAISIA-ADはディープラーニング(深層学習)を活用した画像認識を搭載した、最先端の異常検知システムです。ディープラーニングとは機械学習の一種であり、AI自身にデータ学習を繰り返させることによって高精度な認識精度を備えるための技術です。

AISIA-ADは高度な技術によって、生産ラインを流れる部品や製品の良品・不良品を瞬時に判断し、外観検査の効率性を大幅に向上します。さらに、異常検知に必要な機能をオールインワンで提供し、さまざまな検知方法に対応します。
AISIA-ADで自社に適した異常検知方法を採用することで、品質チェックを改善していきましょう。
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