「SQLiteって何?」「SQLiteと他のデータベースは何が違う?」
そんな疑問に応えるべく、SQLiteの概要から特徴、利用するメリットについて紹介します。
SQLiteやデータベースに興味がある方は、ぜひご覧ください。
SQLiteとは?
SQLiteを一言でいうと、オープンソースで軽量のRDBMS(データベース管理システム)です。SQLと名前が似ているため、データベース操作言語の一種と思う方もいますが、SQLiteはデータベースです。
データベースには、OracleをはじめMicrosoft SQL Serverなどの商用データベースが存在します。また、SQLiteと同じくオープンソースのMySQLやPostgreSQLも有名です。
SQLiteは名前のとおり、簡易的な(ライトな)データベースであり、サーバーとしてではなくアプリケーションに組み込むことで利用します。データベースは大掛かりなシステムで利用される、という印象が強いものですが、SQLiteは簡易的に利用することが可能です。また、SQLiteはパブリックドメインのオープンソースであるため、ソースコードを自由に改変して再配布することもできます。
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SQLiteの3つの特徴
ここでは、SQLiteの特徴・メリットを3つ紹介していきます。
設定不要な自己完結型システム
SQLiteは設定不要で利用することができます。ほかのデータベースであれば、設定ファイルを用意して、プロセスの起動や停止、データベースインスタンスの設定が必要です。
しかし、SQLiteはサーバープロセスではなく、ライブラリとして使用できるため、設定が不要なのです。SQLiteは「自己完結型システム」と呼ばれており、依存性が非常に少ないことからこのような特徴を持ちます。
マルチプラットフォーム
自己完結型システムであり、外部ライブラリへの依存性が低いことから、マルチプラットフォームに対応しています。SQLiteが対応しているOSは次のとおりです。
- Linux
- Solaris
- Windows
- Mac
- Android
- iOS など
サーバーやパソコンOSだけでなく、スマホOSにも対応しています。
さらに、SQLiteは非常に軽量であり、本体ファイルサイズは600KB程度です。消費メモリ量も少ないため、処理性能が低いデバイスにも組み込めます。
データ型の指定を強制しない
SQLiteはデータ型の指定が緩い特徴を持ちます。通常のデータベースであれば、テーブルのカラムごとに「文字列型」「数値型」といったデータ型を、明確に定義します。データ型が指定されたテーブルカラムは、指定外のデータを格納できません。そして、ほとんどの場合はデータ型を指定しないとテーブルを作成できないものです。
しかし、SQLiteはデータ型を指定せずともテーブルを作成可能です。さらに、1つのテーブルカラムの中に、複数のデータ型を格納することもできます。
開発スピードを上げるために、簡易的にデータベースを用意したい場合などは、細かくデータ型を指定しないほうが早く構築できます。
もちろん、SQLiteはデータ型を指定することも可能であり、指定しない場合でも格納されたデータによってデータ型を判別しています。あえて指定せずとも、SQLiteが自動的に判別してくれるのです。
他のデータベースとの違い
SQLiteと他データベースとの違いをまとめると、次のようになります。
- 軽量、コンパクト、省メモリ
- ライブラリとして使用できる
- 設定不要
ここまでに述べた特徴やメリットは、他のデータベースにはない大きな違いとなっています。しかし、他のデータベースと同じように利用することは可能です。
SQLiteは、中規模程度までのデータベースであれば、その他のデータベースと遜色がない処理性能を発揮すると言われています。また、「ギガバイト(GB)」「テラバイト(TB)」などの大容量データにも対応しており、利用は可能です。
SQLiteの使い方
SQLiteのダウンロード方法
・公式サイトにアクセス
SQLiteの公式サイトにアクセスし、「Download」のページに移ります。その後、対応したOSのインストーラーをダウンロードします。「Precompiled Binaries for Windows」と記載された場所の、自分のOSに適する拡張子がzipのファイルを選択しましょう。
( https://www.sqlite.org/index.html )
※OSによってインストール方法は変わる可能性があるため注意が必要
・zipファイルを解凍する
ダウンロードした拡張子がzipのファイルの中には、「sqdiff.exe」「sqlite3.exe」「sqlite3_analyzer.exe」の3種類のファイルがあります。SQLiteの本体のファイルは「sqlite3.exe」です。これらを解凍し、自分の配置したいフォルダに移しましょう。
・動作確認を行う
最後にきちんと動作できるか確認することが大切です。「sqlite3.exe」を実行し、動作が適切に行われているかチェック。
①データベース・テーブル作成
.open ファイル名 |
データベースファイルが作成されたかのチェック
.databases |
テーブルを作成する
create table テーブル名(列名1 データ型,列名2 データ型); |
テーブルが作成されたかのチェック
.table |
②基本的なコマンド
ヘルプの表示
.help |
設定情報の表示
.show |
バックアップ
.output backup.dump |
テーブルデータを出力したい場合
.dump テーブル名 |
復元する
.read backup.dump |
CSV取り込み・区切り文字の変更
.separator , |
指定ファイルデータをテーブルに挿入
.import file table |
テーブル一覧の表示
.tables |
カラムの追加をする
alter table テーブル名 add column 新しいカラムの名前; |
バージョンを表示する
select sqlite_version() |
終了する
.exit |
まとめ
SQLiteは軽量・コンパクトなオープンソースのデータベースです。設定不要・マルチプラットフォーム・データ型の指定が緩い、といった特徴やメリットを持っています。
性能に関しても、中小規模開発であれば、その他のデータベースと同等の処理性能を持っています。中小規模開発でデータベースが必要である場合は、SQLiteを選択することを考えてみてはいかがでしょうか。
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