導入事例:ピップ株式会社様

「お互いの議論を通じて、正しいものは何かが見えて来ました。」


ピップ株式会社様 導入事例
ピップ株式会社について

ピップ株式会社は、「THE WELLNESS COMPANY」という経営理念のもと、人々の心身の健康に貢献する事業を行っている会社です。

中心となる事業は、HBC+S(health=ヘルスケア商品、Baby=ベビー用品・マタニティ用品、Comfort=生活を快適にする商品、Senior=シニアケア商品)を中心とした商品のマーチャンダイジングとロジスティクスからなる卸事業です。全国のドラッグストアやホームセンター、eコマース、GMS、百貨店などにこれらの商品を迅速にお届けしています。

この卸事業に加えて、ピップエレキバン、ピップマグネループ、スリムウォーク、ピップロジ―テープなどP!のロゴで有名な健康関連商品を自社で研究・開発しています。
さらに最近では、一緒にいると元気になるコミュニケーション型ロボット「うなずきかぼちゃん」というユニークな商品でシニアマーケットに新風を吹き込んでいます。

商品開発事業本部を仮想カンパニーとしてGRANDITで情報管理

― 事業本部を仮想カンパニーとして情報管理をするというのは、面白い取り組みですね

当社は卸事業が主体なのですが、そこにP!マークでおなじみの商品開発事業があってメーカーとしての機能も備えています。事業本部の奈良工場で作った製品が、主に直接客先ではなく社内の卸事業へ渡るのですが、外から見るとそれは単なる在庫移動です。そのため、事業本部の収支や利益率が財務会計上なかなか分かりにくく、もっとシビアに見るために事業本部を1つの会社と見立ててGRANDITで情報管理したのです。

― 具体的にはどんな形で実現したのですか

GRANDITの特徴であるBI機能を活用し、事業本部のBS/PLや各種KPIの予定と実績の対比管理を行い、データの見える化、迅速な情報共有、データ精度の向上を実現しています。
全社の基幹業務システムや奈良工場の生産管理システムからデータをもらい、取引先や商品、カテゴリーなどのマスタを連携した上で、BIによりさまざまな分析データを見られるようにしました。GRANDITは支払申請と経費管理などの経費処理を中心に使い、メインはBIによる情報管理という構想です。

― システム化に踏み切った背景をお聞かせいただけますでしょうか

商品開発事業本部の収支情報を細かく見るという活動は5年前にはスタートしていました。3、4年くらいかけていろいろなデータ、指標をExcelで見られるようになってきたのですが、手間がかかる、見たい情報がさっと見れない、出てきたデータの内容が不十分などExcelでの限界も見えてきました。そこで本格的にシステム化しようということになったのです。

自社に合った提案、取り組む姿勢などを評価してベンダを決定

― GRANDITを選定いただいた過程も教えてもらえますでしょうか

ベンダ選定の前に、まず、自分たちは何をしたいのかを決めるのが結構大変でした。どんなデータを見たいのか、そのデータはどんな意味を持って、どう活用するのかなどを洗い出し、その結果ExcelではなくERPでやろうという構想を打ち立てました。
RFP(提案依頼書)を8、9社に出して提案してもらい、3社に絞り込んで2次選考を行い、最終的に御社に決定することになりました。

― 各社の提案を受けてどんな印象でしたか

すべてパーフェクトという会社はもちろんないのですが、取り組み姿勢の違いは感じました。要件を深く読み取った提案か、通り一遍の提案かははっきり出ていたように思います。

― 最終的に当社を選んでいただいたポイントはどんなところでしょうか

重要なコスト面において、他社と比較しても圧倒的な差があったこと。それに加え、GRANDITの画面の見やすさが印象的でした。また、ピップの要望や課題を解決する内容が提案に盛り込まれていたこと、社長がわざわざプレゼンに参加された姿勢などを評価して決めたように覚えています。

各KPIに計画値を定めて予実管理を実現

― 情報系システムの構築はゴール設定が難しいと思いますが、どのような手順で構築していったのでしょうか

最初にKPIを何にするかを決めなければなりません。従来から行ってきたExcelでの管理や計算式がありましたので、それを土台に、何をどう見るかのたたき台を作り、みんなの観点でまとめ上げて行きました。

― どのKPIにも計画値があるのはすごいですね

当社は予算や計画をきちんと立てようという風土があります。そのためExcel時代から経常利益や在庫、ブランド別など、かなり細かなKPIに対しても計画値を持つようにしていました。計画値のないものも、初年度の実績をもとに翌年以降は適切な計画が立てられるようになります。

― 分析結果の活用状況はいかがでしょうか

各現場での活用促進に関しては、まだ途上というところでしょうか。例えばブランド貢献利益をきちんと見れるようになったのですが、これをマーケティング観点で見る以外に、営業観点で見る、商品の企画・開発観点で見るなどの活用はまだ十分とは言えません。トップダウンで指導し、勉強会などを通じて各部署にもっと浸透させて活用度UPを図り、業績向上につなげていきたいと考えています。
ただし、Excel時代と違ってポチって押せばすぐに見たいデータが見れますし、データの信頼度も高いものになっていますので、仕組みとしては良いものができたと思っています。

― 当初の目的に対して実際に導入してどうでしたか

出来上がったBIの完成度はかなり高いと評価しています。まだ、こんな見方もしたいとか、分析するための区分を見直したいという要望もありますが、当初想定していたものとのギャップはあまりないですし、見たいデータの精度も高くて信用できます。2年使って実績がたまってきましたので、今年は前年比を予算に活かせるようにもなりました。課題は、先ほども言いましたがどうやって各現場の活用を促進するかです。

お互いの議論を通じて、正しいものは何かが見えて来た

― ベンダであるSI社の対応はいかがでしたでしょうか

ピップはメーカーと卸が一緒になっている業態なので、原価も何種類もあったりして理解するのが大変だと思います。でも、SI社の担当者はヒューマンスキルが高く、流通業独特の仕組みをすぐに理解してくれて言葉が通じたのでやり易かったです。

要望に対する対応が早く、提案もよくしてくれました。無理な要望に対しても必ずこういうやり方ならできるというカウンター提案をしてくれます。システムを作るだけでなく、要望をうまく受け止めてシステムにつなげてくれたので達成感あるシステムができたと思います。

一緒に仕事をして、我々も勉強になるところが多かったです。KPIの考え方、役割分担、原価に関する考え方など一緒に議論をする上でお互いに理解度を深め、正しい数値を求めることができたと思います。

― ありがとうございました。

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