製造業における業務のデジタル化とは?

 2021.02.01  株式会社システムインテグレータ

日本では1990年代から工場の海外移転が進み、グローバルなサプライチェーンが構築されてきました。ところが、昨今の新型コロナウィルス感染症の影響により、中国を中心とした自動車等のサプライチェーンに影響し、その後の感染拡大に伴い各国の需要が減少したことから、国内の製造業に大きな影響をもたらしました。

今回の新型コロナウィルス感染症の影響だけでなく、国内の製造業は米中貿易摩擦や天候要因、人手不足等の影響を受けて業績の減速傾向が強まっており、様々な状況変化に対応する力が求められています。

本ブログでは、製造業が直面する課題に対して業務をデジタル化することで、どのような対策ができるのかをご紹介します。

製造業が直面する課題

図1はJILPTの「デジタル技術の進展に対応したものづくり人材の確保・育成に関する調査」資料になります。製造業が直面している経営課題を見てみると、企業規模に関わらず「価格競争の激化」「人手不足」「人材育成・能力開発が進まない」「原材料や経費の増大」に対して課題を感じている企業が多いことが伺えます。

また、事業環境・市場環境の状況認識からも「顧客からの高度なニーズへの対応」や「製品の品質の維持・向上」「原材料コスト等の増大」といった経営課題も直結する認識を持っていることが伺え、これらの課題に対応する事が重要であると分かります。

図1:デジタル技術の進展に対応したものづくり人材の確保・育成に関する調査

業務のデジタル化による対策

これら課題に対する対策をまとめたものが下記になります。

1.価格競争の激化、原材料・経費の増大

コストの削減の為には、現状行っている業務内容を可視化し、無駄なコストが発生していないかを分析・対策することが大切です。分析した内容に対して、スムーズに意思決定できるようになることで、日々変動する外的環境への変化にも柔軟に対応する事ができるようになります。また、最適なサプライチェーンを構築することで、低コスト・短納期で提供でき、顧客満足度にも繋げることができるようになります。

2.人手不足・人材育成

限られたリソースの状況で業務をこなす為には、無駄な作業を削減したり、シンプルな仕組みを構築することで業務を効率化することが一つの方法として挙げられます。また、高度な技術伝承問題に関しては、熟練者のノウハウを継承できる仕組みづくり、もしくは業務内容を標準化/シンプルにすることで、属人化しない業務へと業務改革を行うことも検討していく必要があるのではないでしょうか。

3.高度なニーズへの対応、製品品質の維持・向上

今後は現場の良質なデータを活かして、顧客の新たなニーズに対応したビジネスモデルを確立していくことが重要です。そのためには、現場のデータ/課題の可視化や対策のスピード化、スムーズな意思決定ができる仕組みづくりが基盤として必要となっていきます。

これら対策の一つの手段として、業務のデジタル化が推進されています。業務のデジタル化により、

  • 可視化:企業内に蓄積されているデータを集約し可視化・データの分析に活用
  • 業務の標準化・効率化:シームレスなデータ連携・自動化により業務の標準化・効率化を推進
  • スピード化:リアルタイムに情報を連携・活用でき、スムーズな意思決定を促進

を実現し、上記の対策に対する基盤を構築することが可能となります(図2)

図2:業務のデジタル化による課題への対応策

ERPシステムの活用

業務をデジタル化するソフトウェアの一つにERPがあります。図3はERPの一例となりますが、このようにERPは、会計管理・生産管理・販売管理・調達管理・人事管理・給与管理など、企業経営に不可欠な基幹システムが統合管理されているITシステムです。

統合システムのため、各業務とのシームレスなデータ連携や複数システムへの二重入力等の手間を省力化し、統合管理によるデータ収集の簡素化・活用等が可能となり、「可視化」「業務の標準化・効率化」「スピード化」を実現できるシステムとなっています。

図3:GRANDIT概要構成図

まとめ

製造業におけるデジタル技術を活用している企業は、日本全体で見ても約半数とまだ少ない状況です。その背景として、昨今の新型コロナウィルス感染症による影響でIT投資ができない状況や、IT技術の活用を担う人材が確保できていない等の問題もあります。

しかし、JILPTの調査結果(図4)から、デジタル技術を活用している企業においては、自社の労働生産性の向上やそのままの人員配置で業務効率が向上し、成果が拡大したと実感している企業が、デジタル技術未活用企業よりも高いことも事実です。

図4:デジタル技術の進展に対応したものづくり人材の確保・育成に関する調査

現状の課題解決を行うために、今一度業務のデジタル化について検討してみてはいかがでしょうか?

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