導入事例:株式会社尾関様

「販売と会計の一元化はもちろん、テレワーク推進や組織の活性化にも有効でした」


株式会社尾関について
株式会社尾関について

株式会社尾関は、1903年創業という歴史を誇る化学品と電子部品の専門商社です。
旧システムで課題となっていた販売と会計の一元化、予測実績管理の実現を達成するため、新システムとしてGRANDITを採用されました。
GRANDIT導入の経緯や選定理由、導入後の効果などについて、システム導入プロジェクトを牽引されていた同社機能統括部の方々に話を伺いました。 

導入事例

正確な会計数値が得られず、業務の標準化もできていない状況に危機感

-最初に会社のご紹介をお願いします。

当社は1903年、現在の台東区駒形で染料和漢薬問屋を開業して以来、約120年にわたって事業を継続して、化成品と電子部品の専門商社へと発展しました。

現在は、化成品部門と電子部品部門を軸として、事業を展開しています。化成品部門では、無機顔料・有機顔料・染料・加工顔料などの着色剤をはじめとした各種色材および紫外線吸収剤・酸化防止剤・各種添加剤などの高機能材の他、住宅基礎保護材や制震ダンパーなどの住宅資材も取り扱っています。一方、電子部品部門では、各種トランス・インダクタ用鉄心(コア)の加工および完成品としてのOEM供給、電流センサなどの各種電子部品や自社設計製品のほか、金属切削加工部品を取り扱っています。

-GRANDITを導入する前は、どのようなシステムをお使いで、どのような課題をお持ちでしたか?

以前は販売と会計で実質的に別システムになっていて、データが一元化されていませんでした。これを最も大きな問題と考えて、新システム導入にあたっては、販売・会計のデータを一元管理できるシステムを導入したいという思いがありました。

また、前のシステムは、業務に合わせてシステム化する開発重視型でしたが、新システム導入にあたっては、標準機能を使ってカスタマイズは最小限に抑え、業務をシステムに合わせるというコンセプトで進めました。

-どのようなきっかけでリプレイスを検討されたのですか?

プロジェクトスタートの数年前から「企業価値の向上」という経営方針の下に、ガイドアドバイザーを入れてリプレイスの検討は重ねていました。先に挙げた課題の解決、クラウド化推進などの経営方針への対応があり、それらに加えて、業務の標準化という課題がありました。従業員一人ひとりが個々のスキルと裁量で仕事を進めていたので、誰かが休むと仕事がスムーズにまわらないという問題があったのです。前システムが老朽化していたこともあり、リプレイスの土壌は整ったと経営判断しました。

一緒に仕事をしていくビジネスパートナーとしてSI社を選定

-プロジェクトのスケジュールとベンダー選定方法について教えてください。

GRANDITを導入して本稼働したのが、2019年の12月。プロジェクトのスタートが2019年の2月、なので約10ヵ月間です。ベンダーの選定にあたっては、7社に提案依頼書を提示して、5社から提案を受けました。そこから一次選定で3社に絞り、さらにその3社からプレゼンテーションを受けて、二次の評価選定を行い、最終的にGRANDITの採用を決定しました。

-GRANDITを採用いただいた決め手は何だったのでしょうか?

GRANDITがシステムとして優れているという評価がまず一つ。それに加えて、ベンダーとして重視したのは、プロジェクトの推進手順やメンバーの姿勢、スキルです。どれだけプロとしてフォローしてもらえそうかという点に重きを置きました。私たちは今回のプロジェクトでベンダーを「ビジネスパートナー」と位置づけていて、一緒に仕事をしていくのにふさわしい相手と判断しました。実際、契約締結にあたってはMOU※を導入し、プロジェクトの範囲や期間、コストを限定しました。また、ステアリングコミッティを設置して、プロジェクト進行に支障が生じた場合に、経営者を含めて速やかに対応を決定するなどの仕組みも取り入れました。

※ Memorandum of Understanding:基本合意書

課題であった販売と会計の一元化を達成、コロナ禍でテレワーク推進の基盤にもなった

-GRANDITが稼働してからほぼ2年経ちましたが、以前と比較してどのような点にメリットや効果を感じていますか?

株式会社尾関について 01

まず最大の課題だった販売と会計のデータが一元化されて、正確な数値が得られるようになった点に効果を感じています。債権債務のデータもきちんと管理できるようになりました。

分断されていた工程を一元化するにあたって、組織もシステムに合わせて改変しました。以前は販売系を担当するメンバーと会計を担当するメンバーが別の組織に属していたので、コミュニケーションがスムーズではなかったのですが、それを同じグループにまとめることで、組織的にも連続性を持たせることができました。

また、GRANDITの導入によって、システムのクラウド化が実現しました。それに合わせてほかのアプリケーションもクラウド化を進めていたところ、直後にコロナ禍になったので、テレワークへの移行がスムーズに行えました。結果論ですが、これは大きな効果と言えるのではないでしょうか。もし以前のシステムを利用していたら、現在のようなテレワークは実現できていなかったと思います。

新システムの導入をきっかけにして、勤怠管理や名刺管理、FAXのペーパーレス化が実現するなどの波及効果もありました。

-GRANDITが稼働に至るまでの問題点や苦労などがあれば、教えてください。

まず、稼働までに10ヵ月かかったと言いましたが、実は予定では9ヵ月で稼働するはずだったのを1ヵ月延長しています。最終のデータ移行の工程は慎重に進めた方がいいと、ステアリングコミッティで意志決定し、1ヵ月延長するという判断をしたのです。苦労した点としてはそれが一つ。

プロジェクトメンバーの苦労としては、通常業務を兼務していたため業務量が膨大になり、両立が大変でした。その努力と成果を評価して、プロジェクトメンバーには翌期の賞与に「特別賞与」を付与して報いましたけども。(笑)

また、プロジェクトメンバーと、それ以外の従業員の意識の乖離が目立ったのには困りました。経営者はプロジェクトの節目で、全社員にその意義や重要性を周知徹底していたのですが、プロジェクトメンバー以外の従業員には、なかなか実感できなかったようです。

-安定稼働したと実感できたのは本格稼働からどのくらい経ってからですか?

化成品を扱う部署と、電子部品を扱う部署で差がありました。

特に受発注系の仕事をしているメンバーの使い勝手としては、化成品を扱う部署では割とスムーズに使えましたが、電子部品を扱う部署では「これまでできていたことができない」という意見が出たりして、安定稼働するまでに少し時間がかかりました。それでも普通に使えるようになるまで半年はかかっていません。

GRANDITのさらなる活用を進め、アプリとの連携や自動化にも前向きに取り組む

-今後の業務改善の予定や目標について教えてください。

GRANDITには様々な機能があって、標準機能であるにも関わらずまだ利用できていない機能があります。特に経営分析や資金繰りの機能はまだ活用できていないので、まずはこれを活用したいですね。国の制度として2023年10月からインボイス制度が施行されるので、その対応も課題の一つです。

連携アプリについては、電子請求書の発行システムを導入して、GRANDITとうまく連携させていきたいですね。

受発注作業の準自動化の構想もあります。住宅関係の業務では、受発注の件数が月に1,500件程度にもなり、現在は手動でシステム登録している状況です。この膨大な作業を自動に近い形で処理できないかと思っています。

顧客獲得のための新たな営業手法も模索しています。これからは外を駆け回って仕事を獲得するというスタイルだけでは限界がありますので、ここには継続して力を入れていきたいと思っています。

運用面での課題としては、「定着」と「再教育」が挙げられます。日常のオペレーションは回っていますが、業務改善は道半ばであり、個人差も目立ちます。2019年2月に開催した基幹システム導入プロジェクトのキックオフミーティングでは、当社の社長挨拶として【企業における基幹システム更改という情報化投資には、多額の「カネ」がかかりますが、得るものは基幹システムという「モノ」ではなく、本来その「モノ」で実現を果たす経営目的の「コト」であるべきである。企業の基幹システムは、事業継続リスクにもなりかねない経営問題でありますが、強い企業とは世の中の変化に耐えうる企業のはずである。このことをプロジェクトメンバー全員で認識し、行動して貰いたいと思います】と述べています。この基本方針を実現するために、GRANDIT導入後の「定着」と「再教育」が不可欠です。

-SI社に対する要望などはありますか?

SI社で良かったなと思う点は、保守・サポート体制です。現在、保守・サポートの対応範囲を広く持ってもらって、通常の問い合わせ以外に、軽微なカスタマイズも保守のなかに含まれている点はとてもありがたいですね。

また、問い合わせ事項に対する回答も、きちんとテスト環境で検証を行ったうえで本番環境に適用するというステップを踏んでもらえる。そういうミスを未然に防ぐような対応をしてくれる点もありがたいと思っています。

特に、これからは保守が一つのキーになると思いますが、今後も今の保守・サポート体制を維持してくれると嬉しいですね。

あとは、インボイス制度や電子請求書など、新しい取り組みに対しても引き続きご協力いただければ。プロジェクトメンバーでもITの専門家ではない人が大部分なので、プロの立場から、随時有益な情報提供やご提案をいただけると嬉しいです。

-お忙しい中、ありがとうございました。

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