導入事例:OCHIホールディングス株式会社様

GRANDITの導入で、外部データの活用とペーパーレス化が促進され、業務の効率化と属人化排除を実現


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OCHIホールディングス株式会社について

建築資材や住宅設備機器の販売を中心に、住宅や集合住宅、店舗等の建築工事も請け負う。グループ会社間での連携を行いながら、建築に関してはワンストップとなるべく包括的な事業展開を行っており、特に建築資材等においては、西日本でシェアNo.1を誇る。物流面をはじめ、顧客へのきめ細やかなサービスを強みとしている。

また、M&Aによる事業ポートフォリオの拡充により、グループ会社間の相乗効果による幅広い分野での事業展開、発展を目指している。

導入効果サマリー
  1. 外部データ利用の拡大に伴う二重入力の減少や、照会画面の拡充等による効率化
  2. サジェスト機能を活用し名称検索が可能となったことで、一定の属人化排除が実現

※本導入事例は弊社のGRANDIT ビジネスパートナーである株式会社インフォセンスが導入・開発支援した事例です。

複雑な要件と時間という制約を超えて

OCHIホールディングス様では、様々な問題を抱えながら25年来使ってきたオフコンから国産ERPGRANDIT」への移行を決めた

限られた時間の中で多数の拠点への導入・データ移行は困難を極めたが、インフォセンスの支援もあり、無事に移行を完了。導入後は大幅な効率化や、課題であった属人化の排除が実現できた。

25年前に導入したオフコンと、紙伝票からの脱却を目指して

新システムの導入は必然だった、とOCHIホールディングスの基幹システム再構築プロジェクト村上プロジェクトマネジャー(以下、村上PM)は振り返る。

「25年前に導入したオフコンには、様々な問題がありました。他社とのデータ連携が困難で、システム開発や運用保守は属人化していました。また、情報システム部門の規模や担当者のスキルの変化により、今後システムの継続運用が困難になる可能性もあり、そのようなリスクを低減するためには、システム基盤の外部保守を検討する必要があったのです」1

さらに、業務効率の悪さも大きな課題だった。
「入力伝票を紙で起票し、システムへ入力、さらにJ-SOXへの対応のためチェックリストを出力し、入力内容を照合する作業が必要となり、大きな負担となっていました。」(村上PM)
そこで、2016年秋、新システム導入に向けたプロジェクトを立ち上げて基本構想を策定し、2017年夏には最適なシステムとパートナーの選定に取り掛かった。

提案依頼書(RFP)に記載された内容は、多岐にわたる。

  • 建材業界独特の現場別の売掛管理
  • 上場会社として求められた移動平均法による在庫管理
  • リアルタイムの売上及び仕入管理
  • 紙に頼らない画面での工事現場の状況管理
  • モバイル端末によるシステム情報の活用 など

「また、当社グループで発生する大量のデータを活用する上でのレスポンスと、様々な方面から取得したデータの活用、グループ間データ連携、システム開発の汎用性や将来性なども要望として提示して、選定を行いました」(山木プロジェクトリーダー、以下山木PL)

GRANDITとインフォセンスを選定

複数の提案を受けてOCHIホールディングスが最終的に選んだのは、国産ERPのGRANDITと、その導入支援に精通したインフォセンスだった。

「GRANDITは、実績のあるパッケージだったので、データの整合性を確保するのにあまり時間はかからないだろうと考えました。また、上場企業への導入実績もあり、J-SOXへの対応も可能だった点は大きかったですね。インフォセンスは、私たちの提示したRFPに対して非常に説得力のある提案をしてくれました。建材業界のシステムは、フルスクラッチでなければ難しいと言われるほど複雑です。しかし、インフォセンスの開発スタッフはGRANDITのパッケージ内容に精通しており、建材業界の商習慣をよく理解した上で、カスタマイズによって当社の求める機能をGRANDIT上で実現可能だと提案してくれたのです。おかげで予算的にも当社が求める範囲内に収まりました」(村上PM)

複雑かつ多岐にわたる要望に対して、全てをパッケージの標準機能でカバーすることは不可能だ。インフォセンスは、丁寧なヒアリングによってパッケージでは不可能でも、クライアントが事業を拡大していく上で欠かせないと思われる機能については、カスタマイズで実現できる方策を探り、提案した。豊富な知見と技術力、対応力が高く評価された結果と言える。

5カ月間で20以上の拠点へ導入・データ移行

システムとパートナーは決定したが、ここからが本番だった。1拠点目の初回本稼働から、わずか5カ月間で、20拠点以上に対しGRANDITの導入と旧システムからのデータ移行を完了しなければならなかったからだ。しかもデータ移行作業ができるのは土日のみだった。

「作業にあたっては、現場の業務内容とGRANDITのシステム、双方をある程度理解している人間が必要でしたが、最大で8拠点に同時導入しなければならないなど、対象となる拠点数に比べて圧倒的に人員が不足していました。データ移行もかなり大変で、土日のみという限られた時間の中で、旧システムから必要なデータを抽出して、スムーズに移行しなければなりませんでした」(村上PM)

非常に困難なミッションであったが、プロジェクトのメンバーたちは、この難関を何とか乗り越えた。インフォセンスは、このプロジェクトに適任と思われる最良のスタッフを揃え、その時点で提供できる最高のサービスを提供した。

2「導入にあたっては、インフォセンスからの人的サポートに随分助けられました。また、データ移行に関しては、旧システムからデータを抽出する仕組みが整っていたこと、それを移行データに変換する仕組みを準備していたこと、そして、インフォセンスのGRANDITへのデータ移行スキルが非常に高かったことが成功の要因ですね」(村上PM)

導入・データ移行作業に限らず、プロジェクトには大小様々な壁があったが、常に前向きに取り組んできたことが成功の要因だと山木PLは語る。

「私たちと社員、パートナーであるインフォセンス、それぞれの間でとことん議論したつもりであっても、どこかで必ず手戻りは発生してしまいます。しかし、不安要素があれば、些細なことでも早めに意見をぶつけ合う、そうすることで、大きな手戻りは回避できました。私たちの業務を理解するのは難しいだろうと思っていましたが、インフォセンスの業務理解が驚くほど早くて助かりました。当然、当社のメンバーもインフォセンスも、理解度にはバラつきがありましたが、プロジェクトを通じてともに成長できた点も大きな収穫だと感じています。」(山木PL)

ペーパーレスによる業務の効率化と、属人化の排除を実現

短期間での導入・データ移行を経て稼働を始めたGRANDITだが、実際に次のような効果が表れている。

  • 外部データ利用の拡大に伴う二重入力の減少や、照会画面の拡充等による効率化

伝票の起票を極力なくし、システムのデータを利用して承認作業をワークフロー化することで、伝票の保管・押印・チェック作業が減少した。

  • サジェスト機能を活用し名称検索が可能となったことで、一定の属人化排除が実現

「今まではシステムに慣れた業務担当者が、全ての伝票入力を行っていましたが、サジェスト機能により、システムのコード情報を知らなくても入力が可能になったため、営業やシステムに慣れていない業務担当者も入力が可能になりました」(村上PM)

GRANDIT稼働基盤にAWSを採用

なお、今回のプロジェクトでは、GRANDITを稼働させる基盤としてAmazon Web Services(以下、AWS)を採用した。採用の理由は、AWSの方が性能の変更等に柔軟に対応でき、サーバの更新を含めた費用比較でオンプレミスと大差がなかったためです、というのが村上PMの評価だ。さらに、BCP対策(事業継続計画対策)なども考慮した結果、クラウドを選択するのは合理的な判断だったと言う。

「なお、ゆくゆくは、旧システムの情報系資産であるグループウェアや電子帳票サーバについてもAWSへの移行を検討しています。グループウェアはAWSに置くことで社外からの利用が可能となりますし、電子帳票サーバについては使用する時だけ起動するというような運用も可能になります」(村上PM)

グループ企業への開発展開、導入へ向けて

プロジェクトは既に次のフェーズに移っている。グループ企業への開発展開・導入だ。現在はまだ一部の会社間や営業所間の情報連携、データ連携にとどまっているが、グループ企業への展開を終えた暁には、GRANDITがグループ共通の販売システムとして稼働することで相乗効果が発揮され、より高いレベルでの効率化・合理化が実現できると期待されている。

「現在、政府からはDXの推進や、リモートワーク等の働き方改革の推進が求められています。インフォセンスには、GRANDIT以外のこのような取り組みについても協力をお願いしたいですね」(村上PM)


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