導入事例:共英製鋼株式会社 様

自社業務に最適化されているスクラッチシステムからGRANDITに切り替えた理由と評価


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共英製鋼株式会社様は、自社の業務に合わせてスクラッチ開発したAS/400ベースのシステムを25年間使っていました。このシステムを長い間改変しながら使い続けてきたのですが、ついに2018年4月にこれをERP「GRANDIT」に切り替えました。

オーダーメイドのシステム、もしくはスクラッチシステムからパッケージソフトへの切り替え判断は、さまざまな企業にとっても共通する大きなテーマです。なぜ、切り替えを決断したか、どのようにしてプロジェクトを進めたか、切り替えた結果の良かった点、悪かった点などを林部長と中石参事にインタビューでお聴きしました。

共英製鋼株式会社について

共英製鋼株式会社は、建築用鋼材を製造・販売する電炉メーカーです。鉄筋コンクリート用棒鋼、ネジ節鉄筋のほか、平鋼、Iバー、等辺山形鋼、構造用棒材などの形鋼類も生産しており、鋼材の主要需要地である関東、中部、関西、九州の4エリアすべてに製造・販売拠点を保有する唯一の電炉メーカーです。

また、電気炉の熱エネルギーを利用して医療廃棄物・産業廃棄物を溶かす「廃棄物の無害化溶融処理」を中心とした環境リサイクル事業も展開しています。数千度の熱を発する電気炉を利用することで、二次廃棄物がほとんど出ないリサイクル処理を実現しています。

1963年に日本の電炉メーカーとして初めて海外に進出し、現在は成長市場のベトナムと成熟市場の米国と日本の3拠点でバランスよく海外鉄鋼事業を展開しています。


長く使い続けてきた自社システムから切り替えた理由

-長く使い続けていた自社システムをERPに切り替えようと決断した背景を教えてください。

林部長:
旧システムは、自社業務に合わせて内製スクラッチで開発したもので、当然ながら自社業務にはピッタリ合うように作られていました。しかし、時代の変化に合わせて改変、追加を繰り返してシステムを使い続けてきた結果、スクラッチ開発の弊害がいろいろ浮き彫りになってきたため、さすがにリプレースしようということになったのです。

-どのような弊害が顕著になってきたのですか。

一番の理由は、長年使い続ける中で改築、増築を繰り返してきたことで、プログラムが複雑に入り組み、全体像や改変の影響の見極めが困難になってきたことです。

-そこでERPに切り替えようと?

すぐに切り替えると決断したわけではなく、何とか現行システムを改変して使い続けることもいろいろ模索しました。でも、税制改変や社会の制度変化への対応なども専門化、高度化している中、自分たちで維持するのが容易ではなくなっていました。さすがにもう限界と思い、決算の信頼性が崩れないうちにシステムを刷新するしかないという判断に至ったのです。

ERP導入におけるベンダ選定の判断基準

-そしてベンダ選択を行ったわけですね 。
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中石参事:
RFIの段階で10社にお声掛けさせていただき、RFPでは3社に絞りました。実は当社は、各事業所が独自に進化させてきたフロントシステムと呼んでいる販売・購買管理システムがあります。これらが独自だからこそ、連携する共通の会計システムは特殊なものにならざるを得ず、各社ともフィット率は低い状況でした。それでも、会計システムはスクラッチ開発よりもベースがあるERPの方が良いと考えました。

-当社もフィット率50%を切っていたと思いますが、それでも選んでいただいた理由をお聞かせください。 

林部長:
一言で言うと、提案内容が優れていたという点です。当社も完全に旧システムのコピーを作るつもりはなかったのですが、RFPはどうしても旧システムベースで書かれています。それに対して当社の立場に立って考えていただき、こうした方が良いというリコメンドがきちんと盛り込まれていました。

また、こちらからの質問に対するレスポンスの速さも評価した点です。他社は持ち帰って確認するということが多かったのですが、自社で作っている製品(コンソーシアム方式)なのですぐに回答いただけて、この会社なら当社のことをきちんとサポートしてくれそうだと思いました。

-ありがとうございます。 

実は3社のプレゼンに対して、プロジェクトメンバーが評価シートをもとに採点しました。対象が会計システムなので、各社とも幹の部分にそれほど大きな違いはなかったのですが、今後10年、20年と使っていくので若い人の意見を尊重して判断しました。

どのERPが一番当社のビジネスモデルに合っているか、どの会社が一番当社の面倒を見てくれるか、最終的にはこの2つの点で、この会社だったらというソリューション力で選んだことを覚えています。

プロジェクトスタートからカットオーバーまでの課題や不安

-2016年6月から11月まで半年間要件定義を行ったわけですが、順調でしたか。 

中石参事:
こちらがシステム構築に関して不慣れだったこともあり、こんな感じで進めていて大丈夫なのだろうかと実は不安でした。プロジェクトメンバーと一緒に要件定義を行いながら、もっと深堀りしなければ、もっと良い要件定義をしなければ、という思いがずっとありました。  

-こちらは他社向けのプロジェクトに比べると、要件定義工程で課題をしっかり出してもらえたので、順調に進められているという感触だったのですが、全く真逆だったのですね。 

中石参事:
本当にお先真っ暗な心境でした。ただ、確かに着実に前に進められている実感はありました。SI社のリコメンドにより当初想定していた帳票をばっさばっさ切り詰めたりして、範囲を小さくしたことも良かったと思います。こんなに削って業務が回るかと不安もありましたが、各事業所代表のプロジェクトメンバーが勇断してくれました。

要件定義中に感じていた漠然とした不安は、基本設計で具体的に仕様が決まる中で少しずつ解消されました。基本設計は1ヶ月ほどずれ込んだのですが、きちんと積み残しのない状態で詳細設計工程に入れました。

-帳票を削ったことは最終的にどうでしたか 。

8ヶ月間運用してみた結果から言えば、落として良かったです。ユーザーから多少の要望は出ていますが、致命的なことは発生せずに運用が回っているので、「あると便利はなくても平気」という帳票が多かったのだと思います。

以前のシステムは、至れり尽くせりのスクラッチなので、ボタン一発で必要な帳票が望みどおりの形式で出力されていました。新システムは、その代わりに自分でデータを落としてExcelで加工する運用になっています。手間は少し増えますが、その分、自分で確認したいデータを好きな形式で出力できる便利さがあります。

-カットオーバーまでの間に大きなトラブルはありませんでしたか。 

特に大きなトラブルはありませんでした。1回、当社がやるべきデータ移行のための準備作業が遅れたことがあって大事になりかけたのですが、その際もSI社が担当者のタスクをわかりやすく整理してくれたおかげでなんとかなりました。

林部長:
そのとき、私も「ああ、これか!」って思いました。ベンダ選定の際にソリューション力で決めたと言いましたが、これがそうだって改めて実感した出来事でした。

-カットオーバーしてからはどうでしたか。  

中石参事:
2018年4月に本番稼働したのですが、思ったよりもスムーズに旧システムから新システムに切り替えできました。ユーザーも新しい運用に慣れてはいなかったのですが、SI社が親身になって各事業所を訪問し、運用指導してくれたおかげで、スムーズに使えるようになったと思います。
ただ、私が勤務している本社はGRANDIT導入によって業務の見直し※が進んでいるのを目の当たりにすることがありますが、事業所ではうまく使えているのかな?という心配があります。

※ 業務見直し例の一部
・でんさいねっとの活用で、紙手形・通知書の削減(紙コスト・手形リスクの軽減)
・各事業所でバラバラだった入金等の各種処理業務フローの統一
・データがExcelで出力されることで、分析等の作業効率・内容の向上

林部長:
導入検討時、業務を楽にするのがシステムの役目なので、テーラーメードの方が既製服よりもいいのではという考えもありました。しかし、実際に
ERPを導入してみると、世の中のスタンダードに自分たちが合わすことにより業務の見直しが進むメリットをかなり実感できる結果になりました。 

スクラッチからERPに切り替えたことの総括

-スクラッチからERPに切り替えて良かった点、悪くなった点を総括していただけますか。 

中石参事:
旧システムの至れり尽くせりがなくなったのは、悪い点と良い点があったと感じています。悪い点は、情報システム部に頼めば、どんなことでも便宜を図ってもらえる便利さがなくなったこと。良い点は、データ出力してExcelで加工できるようになったことで、ユーザーのExcelスキルなどITリテラシー向上のきっかけに繋がったと思います。Excelを使いこなせれば、短縮できる業務は多いと感じています。

また、多くの部署を巻き込んだシステム刷新はとてもいい経験になりました。旧システムは情報システム部門に頼りっぱなしだったのですが、ユーザーが参画して一緒にシステムを変えるというマインドを持てたのは良かったと思います。

-今後の展開に関して、何か考えていることはありますか。 

林部長:
今回の刷新により、継続的、高品質、拡張性を備えたシステムを導入できたと思っています。こうしたシステム基盤が手に入ったので、これからは、より有意義な使い方を追求して「真の武器化」を目指していきたいと思っています。

SI社のサポートに関して

-最後に当社のサポートなどについて忌憚のないご意見をお願いします。  
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中石参事:
非常に親身になってサポートしてくれていますが、これからもずっとこのような過保護なサポートを続けて欲しいです(笑)。

林部長:
SI社は当社に大変寄り添ってくれていると思っています。もちろん、お客だからということはあるのでしょうが、プラスアルファで当社の懐に入ってくれています。今回のプロジェクトは、SI社だからこそ大きなトラブルがなくできたと思っています。

実は、当社では年間でもっとも功績があった仕事に対する社内表彰制度があるのですが、今年は今回の会計システム更新プロジェクトが受賞しました。これは社内ではニュース性も大きく、本当に栄誉なのことなのですが、プロジェクトチームはもとより、関係者の多大な支援、そしてSI社のソリューション、それらを結集させたチーム力で得た成果が認められたものとして誇りを感じています。

-ありがとうございました。

インタビューア&記事 システムインテグレータ 梅田弘之 

共英製鋼株式会社

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