ECサイトを構築したり、既存システムを刷新したりしたいものの、ECシステムをどのように選べばよいのか、何に気をつけるべきなのかわからない、といった方は少なくありません。本記事では、ECサイト構築の方法やシステムの選び方、刷新時に考慮すべきポイントについて解説します。
ECシステムの構築方法
ECシステム構築のためには、構築方法について理解しておくとシステム選択の際に役立ちます。ASPやオープンソース、パッケージ、クラウド型などがいくつか方法がありますが、それぞれどのような特徴やメリット・デメリットがあるのかを解説します。
ASP
ASPは、ベンダーが提供しているクラウドサーバー上に、ECサイトを構築できるサービスです。有料ASPだけでなく、BASEやSTORESのような無料サービスもあります(決済手数料などは有料)。
ASPのメリットは、サイト構築や運用のコストを抑えられることです。そのため、個人でECサイトを運営している方や、とにかくコストをかけたくない事業者にはおすすめの構築方法でしょう。~数万円/月で構築、運用ができるため、他の方法に比べて圧倒的にコスト面では有利です。また、システムは自動でアップデートされるため、常に最新バージョンを利用できます。
デメリットとしては、カスタマイズ性の低さが挙げられます。ベンダーが提供するプラットフォームを利用するため、大掛かりなカスタマイズができません。そのため、企業やブランドの独自性、個性を打ち出すことは難しいでしょう。事業拡大を踏まえて、機能面を拡張させたいのなら、ほかの構築方法の選択をおすすめします。サイト構築における自由度の低さが気にならず、低コストでの構築と運用を重視する方にはおすすめです。
オープンソース
一般に公開されているプログラムソースのことを、オープンソースと呼びます。現在ではさまざまなオープンソースのサービスがあり、よく知られているところではWordPressが挙げられます。
この方法では、ネット上で公開されているプログラムをインストールし、ECサイトを構築します。ドメインの取得やサーバー契約などの費用は必要ですが、ソースコードの利用やインストールにコストはかかりません。そのため、低コストでサイト構築できます。
また、ソースコードを書き換えることで、自由にカスタマイズできるのも魅力のひとつです。新たな機能の追加やデザインの変更なども、他の構築方法と比べて幅広く行えます。そのため、自社にとって理想的なサイト制作もできるでしょう。
ただし、自由度の高さゆえに、カスタマイズや保守メンテナンスなどに高度な専門知識、技術を要します。ソースコードを扱うには、プログラムの知識や技術が欠かせません。場合によっては、外注する必要もあるでしょう。また、公開されているソースコードを利用するということは、知識さえあれば弱点を簡単に見抜けるということです。そのため、セキュリティの強化にも力を入れなくてはなりません。
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ただし、自社に専門知識や技術を有するエンジニアが在籍しているのなら、オープンソースの利用はおすすめです。この方法なら、低コストで、限りなく理想に近いサイトの構築が可能でしょう。
パッケージ
ECサイトの運営にはさまざまな業務が発生します。フロント業務をはじめ、商品在庫や顧客データの管理業務などもそのひとつです。売り上げの少ない立ち上げたばかりのサイトなら、その労力は最小で抑えられますが、事業が大きくなるにつれ、重い負担となって圧しかかってくるでしょう。
パッケージなら、ECサイトの構築のみならず、運営に必要な機能をまとめた形で販売されています。構築に必要な機能がほぼそろっているだけでなく、拡張性も高いです。柔軟にデザインのカスタマイズもできるうえ、ユーザビリティを優先したサイトも制作できます。今後、事業拡大を視野に入れている事業者なら、それに合わせて機能の変更や追加も可能です。なかには、基幹システムとの連携を自動で行い、さまざまな業務のサポートをしてくれるものもあります。ベンダーからのサポートも受けられるため、初めてECビジネスをスタートする企業でも安心です。
とはいえ、ASPやオープンソースなどと比べ費用は高くなります。初期費用として数百万円~、月額費用として数十万円~をみておくとよいでしょう。そのため、それだけの費用を出しても十分な利益が見込め、ある程度事業が軌道にのった企業向けの構築方法といえます。
クラウド(SaaS)型
クラウド(SaaS)型とは、クラウド上で提供されているパッケージであり、先述したパッケージのクラウド版のことです。パッケージ同様、サイト構築や運営に必要な機能がそろい、さまざまなシステムとの連携もできます。
ECサイトのベースとなるシステムのアップデートはクラウド上で自動的に行われるため、常に最新の状態に保たれます。柔軟性や拡張性も高く、オーダーメイドに近いクオリティのサイト構築が叶えられるでしょう。
デメリットは費用の高さです。多くの場合、パッケージよりは安価に利用できるものの、ASPやオープンソースに比べると費用は高くつきます。パッケージ同様、クラウド(SaaS)型は、十分な予算があり、高額な費用以上のメリットが得られる企業に向いています。また、ソースは公開されていないため、自社でプログラムに手を加えるといったこともできません。
EC刷新時に考慮すべきポイント
さまざまなポイントを考慮すべきですが、特に大切なのはベンダーの信頼性を確認することです。また、機能要件を整理することも外せません。失敗しないよう、EC刷新時に考慮すべきポイントを押さえておきましょう。
信頼できるベンダーか
サービスを提供しているベンダーはいくつも存在しますが、信頼できるかどうかは重要なポイントです。信頼できないベンダーが提供したサービスでは、導入したものの、不具合やサポートに対応してもらえない、といったことにもなりかねません。
信頼できるかどうかを確認するには、過去の実績を必ずチェックしましょう。ベンダーの公式ホームページなどで、いつから事業を行っているのか、どのような制作事例があるのかなどを確認してください。制作事例では、自社が理想的とするデザインや機能のサイトを構築しているかも確認しましょう。
また、ベンダーに見積もりを依頼すると、質問が返ってくることがありますが、このときの質問内容から、ある程度の信頼性を量れます。信頼できるベンダーは、クライアントの希望を可能な限り叶えようと考えます。そのため、見積もり前にはさまざまな質問をクライアントへ投げかけるのです。
たとえば、現状どのような課題を抱えているのか、いつまでに構築したいのか、システム刷新の理由、機能要件などが挙げられます。このような質問をきちんとしてくれるベンダーなら、信頼性が高いといえるでしょう。また、きちんと細かい部分までヒアリングしたうえで金額を計算しているため、精度の高い見積もりが期待できます。
機能要件の整理
新たなECシステムに、どのような機能を実装するのかを明確にする必要があります。ベンダーと打ち合わせしながら決めるのが一般的ですが、あらかじめどのような機能を実装したいのか、整理しておきましょう。機能要件が不明のままでは、求める機能が実装されません。
実装する機能が定まったら、あらかじめ優先順位も決めておきましょう。優先順位がはっきりしていれば、予算がオーバーしそうなときもスムーズな取捨選択ができます。
ECサイトに求める機能は企業によって異なりますが、運営に不可欠な機能としては外部システム連携やキャッシュレス、ポイント対応などが挙げられます。ほかにも、商品検索やFAQ、商品レビュー、ランキングなどの機能も検討してみましょう。
ECサイト構築パッケージ SI Web Shopping
SI Web Shoppingは純国産のECサイト構築パッケージです。多様なサービス・システムと連携ができたり、カスタマイズの自由度が高かったりと柔軟性が高く、必要なシステムを統合することでバックオフィス業務の統合が実現できます。
また、プログラムソースを公開しているため、システムのブラックボックス化を防ぎ、ベンダーへの依存を抑えることができます。ECサイト運営の内製化支援も行っているため、将来的に内製でのサイト運営やカスタマイズを検討されている場合にも最適なソフトウェアとなっています。
まとめ
ECシステムを選ぶときは、ベンダーの信頼性を確認し、機能要件を整理したうえで選びましょう。ベンダーの信頼性は過去の実績や、見積もり前の質問内容からある程度把握できます。また、個々のサイト構築方法にメリットとデメリットがあります。それらも理解したうえで検討を進めていきましょう。
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