近年はさまざまな事業がECサイトを導入して、インターネットを介した販売経路を確立しています。
特にアパレル向けのECサイトに注目が集まっていて、業界全体がネットへの進出を進めて市場規模を伸ばしているのです。
こちらではアパレル向けのECサイトがどのようなサービス・機能を使って、顧客体験を引き出しているのかを紹介します。
これからECサイトの構築を検討しているのであれば、アパレル業界の事例をぜひ参考にしてみてください。
ECサイト構築についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
ECサイト構築を徹底解説 | 費用相場・方法・制作手順から会社の選び方まで
アパレル業界の現状と将来とは
アパレル業界は、ネットの発達や顧客の意識の変化によって、これまでとは違ったスタイルでの営業が進められています。
ECサイトをはじめとした、既存の販売形式とは違った方法に注目されているのです。
まずはアパレル業界の現状と将来について紹介します。
店舗への集客が難しくなっている
現状のアパレル業界には、店舗への集客が難しくなっているという課題があります。
90年代以降市場全体が縮小傾向にあったなか、2020年は新型コロナウィルスによって実店舗の売上は大きな打撃を受けました。
大手アパレルブランドでさえ売上の減少がみられ、店舗の閉鎖や外資の日本撤退も珍しくありませんでした。
一方で、EC市場は拡大傾向にあり、アパレルに限った話ではないものの期待できる数値を示しています。
経済産業省の調査によると2018年の段階でアパレルのEC市場規模は1兆7,728億円となっていて、これは前年比7.74%の上昇という結果になっているのです。
実店舗にこだわるのではなく、ECサイトに移行するなどの効果的な販売戦略を取ることで、売上の増加を見込むことができるでしょう。
店舗からWEBへEC化が加速的に進んでいる
近年の世界情勢の変化を受けて、アパレル業界も実店舗からWEBを媒体としたECサイトへの移行が加速しています。
実店舗と比較すると、ECサイトは維持費などが安く抑えられるというメリットがあります。
そのため売上確保のために、実店舗ではなくECサイトの運営を重視するアパレルショップも増加しているのです。
また、アパレルのメイン客層になりえる女性や若年層が、スマホでのECサイト利用に慣れている点もポイントです。
アパレルのEC市場はスマホ経由のユーザーによる利用が過半数を占めているため、若年層に対してスムーズなアプローチが行えます。
さらに近年は高齢者のスマホ保有率も上昇しているため、ECサイトでの買い物がさらに盛り上がっていく可能性もあるでしょう。
アパレルECの将来性
今後もアパレル市場では、ECサイトの運営を開始する企業が増加していくと考えられます。
その理由には、以下の3つの要因が挙げられます。
- アパレルのECサイトでの販売を効率化するツール、ソリューションの登場
- マーチャンダイジングサイクル(仕入れから売上までのサイクル)の短縮による販売機会の増加
- 実店舗とECサイトの在庫や顧客データをまとめて連携する機能の発展
上記のような環境が整っているため、アパレル事業は将来的にもECサイトで利益を上げやすいと考えられるでしょう。
一方で、すべての事業をEC化し、実店舗を撤退してしまうのは時期尚早です。
現状の外出制限が撤廃され、また外に出て買い物ができる世の中になれば、アパレルの
販売スタイルもそれに合わせていく必要があります。
実店舗とECサイトの両方を運営していくことが、アパレル業界のスタンダードになる可能性が高いです。
アパレル向けECサイトのサービスとは
近年のECサイトには、アパレルの販売向けに作られたサービスも充実してきています。
各種サービスを活用することで、服をネットで買うことに不安を感じている顧客にも、的確なアピールが可能です。
以下からは、アパレル向けのECサイトのサービスを紹介します。
体に合うサイズの問題を解消
ECサイトでは実際に服を自分の体に合わせることができないため、ぴったりのサイズを選びにくいという問題がありました。
しかし、近年のECサイトはアパレル向けに、サイズを含めた服選びをサポートしてくれる機能が充実しています。
ネットでも安心して服を購入できる環境を、顧客に提供できる点が魅力です。
例えば株式会社メイキップの「unisize」は、最短1分のアンケートに答えるだけで体に合ったサイズをおすすめしてくれます。
国内外の洋服ブランドを対象にサイズデータを蓄積しているため、正確なサイズの提案に期待できるでしょう。
そのほか、服のサイズガイドの詳細を表示する専用の商品ページを作成できるサービスなどもあり、顧客が求める情報を適切に提供できる環境構築も行えます。
コーディネートアプリとの連動
ECサイトの商品画像を見ながらでは、良いコーディネートのイメージがわかないという問題に対して、コーディネートアプリとの連動を行えるサービスを提供しています。
例えばコーディネートサイト「WEAR」は、モデルやスタッフの着こなしを700万以上公開しており、ユーザーはお気に入りのコーディネートを保存することができます。
またZOZOTOWNと連携しているため、自身のIDと連携させればコーディネート画像のページから気になったアイテムを購入することができます。
家で試着できるサービス
アパレル系のECサイトでは、実際に商品を自宅で試着できるサービスの提供も進んでいます。
例えば「Stitch Fix」は、服のサイズや好みに関するアンケートに答えることで、スタイリストがそれに合わせたアイテムを5つ選んで配送してくれます。
その後は実際に家で試着をし、気に入ったならそのまま購入し、気に入らなかった場合には返送することが可能です。
アパレル向けECサイトの顧客体験を知る
アパレル向けのECサイトは、新しい顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を提供できるというメリットがあります。
以下の3点を参考に、アパレルのECサイトならではの顧客体験をチェックしてみましょう。
実店舗でしか購入していない顧客を特別なオファーで誘う
実店舗とECサイトの両方を使っている顧客と比較して、実店舗のみの顧客はLTV(顧客生涯価値)に大きな差が出ています。
そのためECサイトを運営する際には、実店舗でしか買い物をしていない顧客に対して、特別なオファーでECサイトの利用を促すことがポイントです。
例えば実店舗だけを使っている顧客に、ECサイトでお得に使えるクーポンをメールで配布するなどの対応が考えられます。
一度ECサイトを使ってもらうことで、サイトの充実度やサービスの質を知ってもらうことができます。
今後実店舗とECサイトのどちらを使うか選択してもらうことができるため、購入機会を増やすことが可能です。
顧客の行動からMAツールによって関心を生む
そのため顧客の行動を分析して、MAツールによって購買意欲を刺激するためのアプローチを行うことも重要です。
閲覧履歴、カートに入れた商品、お気に入りの商品などの情報を参考に、関連商品・情報を提供することで、改めて商品への関心を引き出します。
カゴに入れたまま放置されている商品を「お買い忘れがあります」と伝えるのではなく、そのデータを参考に新しい商品を別でアピールできる点がメリットです。
別の切り口からECサイトの魅力を伝えられるので、顧客により良い商品を選んでもらうことができます。
求める商品を表示する精度の向上
MAツールなどによって顧客にECサイト内の商品を紹介できても、それが的外れなものであれば購買意欲の刺激につなげられません。
顧客が求めている商品をECサイトに表示するとき、よりマッチした情報を見つける精度の向上を行うこともポイントです。
例えば「Glisten」は、コンピュータービジョンとNLP(事前言語処理)を活用して、より顧客が求めるものに近い類似商品を提供しています。
ECサイト内の商品数が増えていく将来のことを考慮すると、より商品表示の精度を高めることは顧客体験に欠かせないものとなるでしょう。
ファッションECサイトの機能を比較した記事もありますので、ぜひ併せてご覧ください。
ファッションECサイト、比較してみました
まとめ
アパレルは、ECサイトの影響を強く受けている業界の一つです。
これからの顧客体験を重視するのなら、実店舗だけでなくECサイトの構築と発展も必要な業務に含まれるでしょう。
ECサイトの構築ご検討の場合はお気軽に弊社までお問い合わせください。
また、ECサイト構築の基本をまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひダウンロードしてご覧くださいイト構築の基本をまとめた資料もご用意していますので、こちらもぜひダウンロードしてご覧ください。
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