無料のRPAツールを比較

 2019.09.27  株式会社システムインテグレータ

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は定型業務を自動化し、無駄な業務、コストを削減できるツールとして、多くの企業が導入を検討しています。
しかし、多くのRPAではライセンス利用料がかかります。そこで昨今はライセンス料金が発生しない、フリーソフトのRPAが登場しています。
今回はRPAのフリーソフトのメリット、デメリットをご紹介したいと思います。

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RPAの料金

①料金体系

多くのRPAのライセンス利用料は月額制、年額制といったサブスクリプションモデルで提供されています。
一般的な業務システムのように「買い切り型」で提供しているようなツールは少ないように感じます。
また、RPAではライセンス利用料とは別に「導入費用」「保守サポート費用」がかかることが一般的です。
「導入費用」はベンダーが業務自動化のためのロジックを、ユーザーの要件に合わせて構築するための費用です。
「保守サポート費用」は導入後の運用フェーズにおいて、ユーザーの不明点やRPAにエラーが発生した際に必要になるものです。
エラーが発生すると業務が止まってしまうので、それを迅速に解決するために保守サポートに加入するユーザーがほとんどです。

②年間料金

上記のような料金体系のため、企業規模・導入規模によってはRPAの導入には数百万円から、多い場合は1千万円単位で費用がかかる場合もあります。
そのため2010年ごろから市場に出始めたRPAは当初気軽に導入できるようなものではありませんでした。また無駄な業務やコストを削減するためにRPAの導入にコストがかかり過ぎるため、費用対効果が出るまでに時間がかかります。
このような状況から、RPAが登場し始めた段階では、資金力のある大企業が導入することがほとんどでした。
とは言え、ITトレンドを入手し、企業規模に関係なく採用を検討したい企業としては

  • 「コストをかけずに」
  • 「社内での効果有無をじっくり検証したい」
  • 「信頼ある・実績ある」
  • 「導入後のサポート対応が充実」

等を各社キーワードにかかげ、 まずは「コスト」をキーに徐々に価格を抑えたRPAが登場してきました。

フリーソフトのRPA

①RPAの低価格化

前述の通り導入、運用に多くのコストがかかるため、RPAを導入される中小企業はそれほど多くなかったように感じます。
そこで徐々にライセンス料金を抑えたRPAが登場してきました。
ライセンス利用料金が月額数万円で利用でき、保守サポートもしてもらえるような製品もあり、多くの企業が採用しやすい料金になりつつあります。

②無料のRPAの登場

また一部の企業からは、ライセンス利用料金がかからないRPAが登場しています。
以下が主なフリーソフトのRPAです。

RPA Express

概要

アメリカのWorkfusion社が提供しているRPA。デスクトップ型のRPAでWorkfusion社のホームページからクライアントPCにダウンロードして利用する。

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メリット

企業規模やユーザー数などの制限なく、無償で利用できる。また利用期間の制限もないため、ライセンス費用は永久的に無償。

デメリット

UIが英語のみ。またマニュアルサイト、ナレッジサイトも英語である。サポート対応も基本的に英語であるため、自主学習できるユーザーでないと利用が難しい。
※ただし、日本でのお客様拡大に伴い、サイトの日本語化は徐々に進んできている。

UI Path

概要

ニューヨークに本社を置く、RPAベンダー。世界的にも多くの導入実績を持つ。日本でも導入実績多数。

メリット

日本でも多く導入されており、日本法人も立ち上げている。そのため、画面も日本語で直感的に操作しやすい。また取り扱いベンダーも多いので、サポートを受けやすい環境にある。

デメリット

無償版の利用企業に制限がある。企業規模や利用人数など、複数の条件により、無償で利用できるかどうかが判定される。条件を満たさなければ、ライセンス費用が発生。

Sikulix

概要

画像認識技術を使った、UI自動化ツール。厳密にはRPAではないが、RPAのように使うことができる。

メリット

完全無料で、商用利用も可能。またOCR機能も完備。

デメリット

条件分岐等の処理を設定する場合は、プログラミングスキルが必要な場面がある。
ある程度、ITリテラシーの高いユーザーでないと使いこなせないかもしれない。

上記に挙げた以外にも、先日ソフトバンクが出資を表明したオートメーション・エニウェアも詳細は不明ですが、小規模企業やディベロッパーに対して無償でライセンスを提供することを明かしています。

  無償・有償 メリット デメリット
1 有償RPA ・サポートサービスが受けられる
・サーバー版管理ができ安心した運用
・費用がかかる
・うまくいかなかった時の代えが難しい
2 無償RPA ・失敗リスクが費用面でほぼなし
・検証をじっくりできる
・サポートが無い・薄い場合が多い
・機能が限定される
  製品名 メリット デメリット
1 RPA Express ・企業規模、ユーザー数の制限がない
・利用期間の制限がない
・画面が英語のみ
・マニュアルサイトも英語
※一部日本語化は進行中
2 UI Path ・画面が日本語
・日本法人もあり、サポートも充実
・日本での実績も豊富
・無償利用できる企業に制限あり
(利用人数、企業規模など)
3 Sikulix ・完全無料で商用利用も可能
・OCR機能も完備
・プログラミングスキルが必要な場合がある

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まとめ

このように無償のRPAもメリット、デメリットがあります。
当社で取り扱いをしているのは、最初にご紹介したRPA Expressになります。
RPAの導入・運用を行いたい際は、是非システムインテグレータまでお声掛けください。

※本ブログは2019年9月27日掲載のものです。現在RPA Express無償版ダウンロードの提供はしておりません。

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