「D2C」とは?注目される背景やメリット、成功事例まで解説!

 2021.06.24  株式会社システムインテグレータ

「D2C」という言葉をご存知でしょうか。D2Cとは、消費の形態が変化する時代において登場した新しい販売モデルのことです。端的にいうと、ECサイトを中心としたビジネスモデルであり、自社で企画から製造、直販まで手がける手法です。

本記事ではD2Cの基本知識、成功事例、構築ポイントなどをご説明します。今後、D2Cに着手される際に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。 

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「D2C」とは?

Portrait of a serious businesswoman using laptop in office

はじめに、D2Cの基本知識をご説明します。

D2Cとは「Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」の略称であり、企業が製品やサービスの企画、製造、販売を一貫して行うことです。販売代理店や流通業、小売店などを仲介せずに消費者に直接販売するビジネスモデルになります。

D2Cの特徴は、製品の企画や開発の段階で消費者の意見や要望を傾聴することができるため、独自性の高い商品が仕上がる点です。

D2Cを行う企業は、独自ブランドの構築を目指すことが多く、大衆向け製品のように大量生産や大量消費を前提とした製品とは性質が異なります。 

D2Cの市場規模

売れるネット広告社が行なった「デジタルD2C」の市場調査(※)によると、デジタルD2Cの市場規模は3兆円に達すると予測されています。同調査によると、デジタルD2C市場規模は、2015年に1兆3,300億円ほどでしたが、2019年には2兆円を突破しました。

ここでいう「デジタルD2C」とは、ECサイトなどのデジタルを活用したD2Cなので実店舗は含みませんが、インターネットやスマートフォン、SNSなどの普及によりデジタルD2Cが注目されています。今後も順調にデジタルD2Cの市場規模は拡大していくものと予想されています。

特にSNSは企業と消費者が直接つながることができる媒体です。SNSを通じて企業と消費者がコミュニケーションを図り、自社製品の魅力を伝えられるようになりました。その後、直接店舗などで対面せずにECサイトを通じて販売できるようになったことも、D2Cの市場規模の拡大に影響しているでしょう。今やデジタルD2Cは大手企業だけではなく新興企業や中小企業も参入しています。

(※)「デジタルD2C」の市場調査|売れるネット広告社

B2CやECとの違い

D2Cに関して理解を深めていくと、「B2C」や「EC」との違いも気になると思いますので、それらの違いについてご説明します。

B2Cは「Business to Customer(ビジネス・トゥ・カスタマー)」であり、企業が消費者に製品やサービスを提供することです。これだけではD2Cとの違いがわかりにくいかもしれません。

B2CとD2Cは「企業」と「顧客」という取引の対象が明確になっている点で共通していますので、大まかにB2Cの中にD2Cが含まれていると考えて問題ありません。

これまでは、メーカーであれば中間に流通業者や小売業者が入っていたため、B2Cといっても顧客に届くまでに企業同士の取引であるB2Bの商流が挟まれていました。BtoBtoCのようなイメージですね。

メーカーによる直販がD2C、という言い方をすると新しく聞こえないかもしれませんが、SNSなどを中心とした顧客との直接的なコミュニティやブランドストーリーへの共感や参加を通じて広まっていくという点がD2Cの新しい部分と言えます。こちらについては後半で解説していきます。

一方、ECは「Electronic commerce(エレクトロニック・コマース)」であり、販路を意味します。自社のECサイトから商品を買ってもらったり、コールセンターへの問い合わせから商品を発送したりすることです。実際の店舗を構えない、店舗に在庫を置かない、卸売業者を介さないで直接売るなど、流通の仕組みを示す言葉になります。

D2CはECに加えて、SNSの活用や販売用サイトのSEO対策を行い、それをきっかけに商品を購入してもらいます。場合によって商品のショールームなどを開設して、消費者に訴求していくことも考えられます。基本的に他社のプラットフォームやメディアを活用せずに、独自性を直接伝えていくチャネルと、直接販売するチャネルをミックスしたものがD2Cです。

最近の傾向ではインフルエンサーに自社商品を紹介してもらい、その情報をもとに消費者がECサイトなどから直接購入するパターンが多くなっています。情報が消費者に直接届き、ECの形態が採用できるのがD2Cと考えてみてください。 

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D2Cのメリット

Close up of businessman hand drawing business strategy sketches-2

ここからは、D2Cのメリットを詳しくご説明します。D2Cのメリットは主に3つあります。

収益性が高い

前述のとおり、D2Cは流通業者や小売業者などを介さずに消費者へ直接商品を届けることができるため、収益性が高いです。販売代理店との契約やショッピングモールへの出店の必要がないため、各種手数料も発生しません。

また、D2CをECで実施する場合は店舗を構える必要がないため、店舗家賃や人件費などの削減が可能です。このように削減したコストは、販売価格の値引きなど消費者のメリットとして還元できます。

そのほか商品開発への充当や、マーケティング費用として活用すれば、さらに売上を伸ばすことも可能です。

ただ最近では実店舗を販売チャネルと捉えず、顧客とのコミュニケーションの場としてECから始まり、その後実店舗をマーケティング活動として作るというケースもあります。 

顧客との距離が近い

D2Cで自社ECサイトを開設すると、顧客の属性や購入履歴、サイト内での行動履歴など、さまざまな情報を取得できます。仮にショッピングモールに出店すると販売データ以外の顧客情報をみることができません。

D2Cで直接販売するからこそ、顧客のさまざまなデータを取得できるわけです。そのデータを活用して、個別に最適なメッセージを送信したり、おすすめの商品を紹介したりすることもできます。顧客との距離感が近いこともD2Cの特徴といえるでしょう。

D2Cならば、あらゆるメディアを活用して商品を紹介する機会も多く、SNSで紹介するだけでも効果が期待できます。たとえば、インスタライブなどのライブ機能を活用して消費者のリアルな声を集めるなど、ユーザーとの距離感を縮められる施策もあります。

このような施策の積み重ねが顧客との関係性を深めていき、顧客ロイヤリティを高めることにつながります。顧客ロイヤリティが高まればリピーターになり、安定した売上につながります。新規顧客を獲得するにはリピーターよりも5倍のコストがかかるといわれているため、既存顧客の顧客ロイヤリティを高めることは収益性の向上にも効果があるわけです。 

自由度が高い

D2Cは自由度の高さもメリットです。自社製品を販売代理店やそのほかの販売ルートへ提供すると、契約内容や業界の習慣などにより販売価格を変更できないことがあります。

また、キャンペーンを希望通りに実施できず集客につながらないケースや、ブランドイメージにそぐわないキャンペーンを強いられることもあるでしょう。

しかし、D2Cであればそのようなことを気にせずに、販売価格を決めたり販売方法を決定したりできます。さらに、消費者の生の声を直接拾えるため、製品の企画や開発に反映するリードタイムやコストが小さいです。

このような自由度の高さが独自性を出すことにもつながり、ブランディングに有利です。ブランディングができれば価格競争を避けることができるため、収益の安定化などさまざまな面で好循環になります。 

新規CTA
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D2Cの懸念ポイント

Therapist listening to patient during group therapy session

メリットが多いD2Cですが、懸念ポイントもあります。以下2点、しっかりと把握しておきましょう。 

成果が出るまで時間がかかる

D2Cは成果が出るまでに時間がかかります。たとえば、販売チャネルとしてECサイトを構築しても、ユーザーの獲得やそこからファンになってくれるまでにそれ相応の時間がかかります。

そこで見込み顧客の集客、自社や自社商品に興味を持ってくれたユーザーの購買意欲を向上させるための仕掛けが必要です。

具体的には商品の魅力を存分に伝えられるようなコンテンツを更新し続けていくことが挙げられます。また、段階的にメッセージを送るステップメール(ステップメッセージ)などによる顧客育成も必要でしょう。

コスメならば画像や動画、テキストだけでは使用感がわかりにくいため、サンプル品の提供も検討してみてください。アパレルならば試着しないと購入しない顧客も存在するため、一時的にショールームを設置する必要もあるでしょう。

このように見込み客を自社の顧客にするには、じっくりと時間をかけてブランド力を高めることが大事です。 

顧客開拓にコストがかかる

前項で述べたように、見込み客から自社の顧客になってくれるまでには時間がかかります。さらに見込み客の開拓までにはコストもかかることを覚えておきましょう。最終的に自社の商品を購入してもらうには、商品を認知してもらうことが必要です。

商品力に優れていても、世に知れ渡らなければ購入されません。自社でECサイトを構築したとしても、認知度や信頼度はゼロからのスタートです。そのため、広告出稿やコンテンツの投稿、SNS運用など集客が必要になります。

そのすべての工程を自社でまかなえることは少なく、外注するケースも目立ちます。売上に目処が立つまでは、時間とともにコストもかかることも理解しておきましょう。 

D2Cが注目されるようになった背景とは?

Multi ethnic group of succesful creative business people using a laptop during candid meeting

D2Cは今後、市場規模が伸びていく販売方法といえます。しかしながら、D2Cがここまで注目されるようになった背景は何なのでしょうか。ここでは、D2Cが注目されるようになった背景をご説明します。 

ニーズの多様化

インターネットやスマートフォンの普及により、消費者はさまざまな情報を得られるようになりました。その結果、消費者自身が商品についてしっかりとリサーチしてから購入するケースも増えてきています。

また、SNSを通じて商品の使用体験を共有して楽しむ人も増えています。サブスクリプション型のサービスも増えてきており、消費者の価値観が「所有」から「利用」に広がりもみせています。

消費者が自分自身に合う商品を探したり見つけたりすることに加え、購入、利用することなど自由にコントロールできるようになったわけです。この多様なニーズへピンポイントにアプローチできるのがD2Cになります。 

SNSの普及

消費者にとって今やSNSの利用は生活の一部となっています。企業も消費者とのコミュニケーションの手段として、SNSを活用することが当たり前になってきました。

この消費者との直接的なコミュニケーションが商品開発にも十分に活かせます。また、自社商品のターゲットを細かくセグメントして、価値に共感してもらえそうなユーザーにダイレクトにアプローチすることも可能です。

商品を購入してもらった後に、使用した感想をSNSでシェアしてくれる可能性もあります。良質な投稿であれば、顧客が新たな顧客を呼ぶ好循環を生んでいきます。このような外的要因もD2Cが普及した理由といえます。 

D2Cの成功事例

Businessman writing e-marketing terms in front of a business team

すでにD2Cに取り組んで成功した事例があります。以下3つの成功事例をご紹介します。 

COHINA

「COHINA(コヒナ)」は「小柄な女性にぴったりサイズの洋服を届けたい」と、アパレル未経験の2人の女性が立ち上げたブランドです。

デザイナーや製造工場のつてもない状態でスタートしましたが、インスタライブを毎日実施しての情報発信や、参加者からの声を吸い上げて製品の開発を行い、今やInstagramのフォロワーは19万人になっています。(2021年5月現在)

COHINA

PHOEBE BEAUTY UP

「PHOEBE BEAUTY UP」は、ウェブやSNSなどの運営を手がける、DINETTE社のプライベートブランドです。当初はまつ毛の美容液の販売を手がけており、その後はフェイスマスクなどの商品の展開で売上を伸ばしました。

ターゲットが若い女性ということで、Instagramを中心としたSNSを活用している点が同社の特徴です。ブランド立ち上げの際から、独自の世界観を発信し続けた点が成功の要因といえます。

オウンドメディアの運営に注力して、ユーザーの声を徹底的に取り入れてデザインに活かしました。

PHOEBE BEAUTY UP

 BASE FOOD

「BASE FOOD(ベースフード)」は「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションにしています。完全栄養の麺やパンを開発して世に広める事業を展開中です。

商品は自社ECサイトで販売をしており、サブスクリプション型を採用しています。毎月、定期的に商品が届き、健康的でおいしく続けられる食品を提供し続けています。

BASE FOOD

D2Cサイトを構築する際のポイント

Business person touching colorful charts and diagrams

ここからは、D2Cを実店舗ではなくECで実現する場合のポイントについてご紹介します。D2Cサイトを構築するときは、以下の2点がポイントとなります。 

テクノロジーを活かす

D2Cを構築するときはテクノロジーを存分に活かすことがポイントです。D2Cと聞いて「メーカー直販をECで行うだけ」と勘違いする企業も少なくありません。

しかし、D2Cの本質は現代のテクノロジーを活かした顧客へのアプローチです。前述のとおり、SNSを使った集客や広告宣伝が代表的なものです。また、細かなデータを蓄積してその内容から施策を検討することも有効です。

テクノロジーを活かしてこそ、D2Cの構築がうまく進むといっていいでしょう。 

適切な構築方法を選択する

D2Cサイト構築には、モール型、ASP、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチがあります。それぞれに特徴があり、自社にとってどの構築方法が最適なのか検討することが大事です。

たとえばモール型は、ショッピングモールのようなものですので、モール独自の機能によりD2Cサイトの構築がスムーズに行えます。自社にD2Cモール構築のリソースが足りないときなどには有効です。一方で自由にサイトの構築ができないデメリットもあります。ブランディングが難しくなり、顧客の獲得に影響が出る可能性も考えられます。中・長期的なD2Cサイト運営を考えるならば不向きです。

このようにそれぞれの構築方法にはメリット・デメリットがあるため、しっかりと検討しましょう。 

ECパッケージでの構築をお考えなら「SI Web Shopping」

D2Cサイトの構築でパッケージ(ECパッケージ)を検討している方に、弊社の「SI Web Shopping」をご紹介します。

SI Web Shoppingは、1996年にリリースされた日本初のECサイト構築パッケージで、これまで1,100以上ものサイトに導入されてきました。

レコメンド機能や多様な決済方法などD2Cサイトの構築に必要な機能を備えており、自社用にカスタマイズも可能です。この機会にぜひ、SI Web Shoppingの活用をご検討ください。 

まとめ

本記事ではD2Cについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。D2Cにデジタルでの参入をお考えの場合は、本記事内でご説明したとおり、テクノロジーを活かして適切な構築方法を選択することが大事です。

なお、弊社ではECパッケージの「SI Web Shopping」を提供しています。ECサイトの構築に関してお悩みや疑問点がありましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。また、お役立ち資料も公開中ですので、ぜひご利用ください。


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