大手アパレルブランドといえば、多くの方がユニクロやZARA、ZOZOTOWNなどを想起されますよね。
ただ近年ではインフレによる価格上昇や買い控えにより、アパレル事業者のビジネス拡大の難易度が上がってきており、なかなか事業をスケールできないというところも増えています。
とはいえそんな中でも昨今、
「Z世代」を中心に爆発的に成長を続けているアパレルブランドがあります。
そのブランドはユニクロやZARAなど大手トップアパレルブランドの時価総額を超えており、
世界的にも注目されています。
今回は、そんな話題の中国発ECの「Shein」をご紹介します。
本記事では、
・Sheinのビジネスの強み
・Sheinの特徴
・実際の購入体験レビュー
を中心に解説していきます。
アパレルECを今後一層成長させたい、アパレルEC事業にトライしてみたい、というEC事業様はぜひ参考にしてみてください。
世界でTOPの時価総額を誇るSheinとは?
Sheinはアメリカで設立されたアパレルファッションブランドです。
「Z世代」を中心に爆発的な人気を誇っており、推定時価総額が1000億米ドルを超え、ファストブランド最大手のZARAやH&Mの合計を上回っています。(米ブルームバーグ調べ)
また、利用者も広がりを見せており、月間利用者(MAU)が前年同月比420%と大幅に増加、ZOZOTOWNを抜く勢いをみせています。
いま飛ぶ鳥を落とす勢いを見せているSheinですが、どういったビジネスモデルでここまで事業を成長させているのでしょうか。
ビジネス視点で具体的に見ていきます。
Sheinのビジネスモデルの特徴
以下でSheinの具体的なビジネスモデルの特徴を3つピックアップします。
「チャイニーズ価格」で市場を圧巻
Sheinはアメリカのファッションブランドであるものの、商品の製造や管理自体は「中国」で行っています。
中国では、洋服の値段が日本よりも格段に安く「1着で数百円程度」というものも少なくありません。
また、Sheinには「店舗」がないので固定費が掛かりません。
そういった低コストで商品を提供できる点と、直接顧客に国際便で配送する点が、送料を抑えたうえで「低価格」を実現できる要因になっていると考えられるでしょう。
そのため、海外で「チャイニーズ価格」としてビジネスできるという強みがあります。
小ロット生産管理体制
Sheinは、中国国内に大規模なサプライヤーネットワークを構築しています。
現在では3000以上のメーカーが参画しており、そういったメーカーに各アイテム100~200着のみ発注をする仕組みをとっています。
そして、生産した服の売れ行きなどを独自のソフトウェアでリアルタイムに追跡して、売上だけでなく閲覧行動などのデータをもとにアルゴリズムを活用して顧客の好みやニーズをキャッチアップします。
そのなかで、生産商品へのエンゲージメントが高い場合、生産量を上げるというフレキシブルな生産管理方法を採用しています。
そうすることで、売れる商品を選定でき、「死に筋」は排除できます。
98%の販売率
Sheinでは、徹底した生産管理・販売方法により販売率98%と高い水準を誇っています。
そのため、他ファッションアパレルが陥りやすい「余剰在庫」の心配が少ないという点がビジネスとしての1つの強みとして挙げられるでしょう。
一般的に、余剰在庫が増えてしまう原因としてはSPA(製造小売業)企業の存在や、ブランドイメージの毀損防止のためにプライスを下げられない、といったことがあります。
一方でSheinは、各サプライチェーンへの小ロット発注や、顧客のデータをもとに、売れ筋を特定しプライス調整を行うため、在庫が捌ける仕組みが整っています。
実際にSheinで商品を購入してみた
今回は実際にSheinの商品をECサイトで購入したので、商品購入や配送リードタイムから実際の商品についての感想までご紹介していきたいと思います。
UI/UXについて
Sheinでは日本語対応しているため、言語の壁無くサクサク利用できます。
またネイティブアプリなので、直感的に利用できる点も魅力。
TOPページには、「1万円以上の購入で15%OFF」など、割引クーポンの案内があり、購買意欲を刺激する仕組みになっています。
割引率も、最大99%など新規の顧客獲得にも力を入れていることがわかります。
ナビゲーションバーに各カテゴリがあり、利用したいカテゴリを選択して閲覧することがきます。
カテゴリ画面では、カテゴリのキャンペーンバナーと商品一覧、そのほかに顧客毎にパーソナライズされた商品が表示されます。
パーソナライズも顧客の志向に合わせた商品が表示されるので、購入する確率が高い商品を常に提案しているといえます。
決済について
Sheinの決済方法は3つあります。
・PayPal
・コンビニ
・クレジットカード
です。
2022年12月時点ではpaypayやLINE Payには対応していませんが、今後需要の拡大とともに利用できる決済手段も増えていくと考えられます。
なお今回は、クレジットカード支払いにて決済を行いましたが、
海外アプリだしセキュリティが不安、という方はコンビニ支払いをお勧めします。
配送について
配送のリードタイムとしては、ちょうど1週間後に商品が届きました。
商品は中国が発送元になっており、国際便で郵送されます。
包装は海外からの直送ということもあり、丁寧な包装ではありませんが、商品が傷ついているといったことはありませんでした。
今回、洋服だけでなく「靴」など国内だと郵送料が掛かりそうな、かさばる商品を購入しましたが、クーポンで割引されたこともあり2000円程度と、とても安価に購入することができました。
品質について
実際にSheinの商品を着用した感想としては、ZARAやGUと近しいレベルと感じました。
生地なども特別薄いわけでもなく、普段利用する分には最適。
そのため、千円~ぐらいの低価格帯で購入できるなら、非常にコストパフォーマンスが高いと思います。
ただ、レビューによっては「生地がとても薄い」、「商品のサイズが思っていたものと違っていた」という声もあります。
そのため、購入前に商品情報のレビューや着用モデルを参考に購入することで、買ってみてイメージと違った!ということを防ぐことができるでしょう。
アパレルの今後のスタンダードになるかもしれない
今回はSheinのビジネスモデルや特徴、商品購入レビューについて記載してきました。
Sheinは新たなビジネスモデルで爆発的な売上をあげており、こういった成功例に倣ってビジネスを展開していく企業も増えていくかもしれません。
今後、より多角的で独自な視点でビジネス展開を求められるEC業界。
自社で顧客のニーズを掴んだビジネスができるデジタル基盤を作りたい!というEC事業様は、
ぜひ一度SI Web Shoppingにお問い合わせくださいませ。
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