物流ロボットとは?種類や導入のメリットも解説

 2022.09.05  株式会社システムインテグレータ

物流の需要が高まるなか、EC事業を展開する企業で作業の効率化が見込める物流ロボットを導入するケースが増えています。本記事では、注目を集める物流ロボットについて概要を示し、物流ロボットの種類について解説します。また、物流ロボットを導入した場合に、どのようなメリットとデメリットがもたらされるのかを紹介します。

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物流ロボットとは

物流ロボットとは?種類や導入のメリットも解説 1

物流ロボットとは、物流に欠かせない業務を効率化したり、自動で行ったりする機械やロボットのことです。たとえば、仕分けやピッキングなどの単純作業を、人間の代わりに自動で行います。
少子高齢化で人口が減り続けている日本では、生産年齢人口も減少し続けています。また、力仕事を伴う物流の仕事は求職者に敬遠されがちであることから、物流の現場では人手不足に拍車がかかっています。物流ロボットは、物流の需要が増えれば増えるほど     人手不足が深刻になる物流業界において、現場の負担を軽減して問題を解決する一手として期待され、活用されています。

物流ロボットの役割

物流ロボットは一般的に、人間と一緒に働くことを前提に開発されており、完全な無人化を目指すものではありません。
物流ロボットの役割は、今まで現場で人間が行ってきたことの一部を機械やロボットが代わりに担うことで、業務全体の生産性をアップするとともに、コストを削減することです。
また、従業員にかかっている過剰な負荷を減らすことも大切な役割です。従業員の負荷が減ることで、過労にならずに元気に働ければ、現場における安全性の向上や人的ミスの削減につながります。

自動倉庫との違い

物流ロボットも自動倉庫も、物品の移動や管理を効率的に行う役割を果たします。自動倉庫については、物流ロボットの一種として広くとらえられることがありますが、ここでは自動倉庫と物流ロボットを異なるものとして考えてみましょう。

自動倉庫とは、自動搬送ロボットや倉庫管理システムなどを備え、倉庫をまるごと自動化した非常に大掛かりな設備です。倉庫内に作業員がいなくても設備を運用できるので、倉庫内を無人化できて抜群の作業効率が期待できます。
一方、汎用性の高さが物流ロボットの特長です。たとえば倉庫内でレイアウト変更が生じた場合に、自動倉庫では対応が難しくなりますが、物流ロボットならば対応がしやすいという違いがあります。
また、自動倉庫は限られた種類の物品を大量に運搬する必要のあるBtoBに向くのに対し、物流ロボットはさまざまな場所に多種多様な物品を少量届けなければならないBtoCに向いています。

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物流ロボットの種類 

物流ロボットは世界中のメーカーで開発が行われていますが、汎用性が高く、人間と協働して作業の効率化をはかれる物流ロボットには、主に以下の3種類が存在します。ここでは、種類ごとに物流ロボットを解説していくので、自社にどのような種類を導入すればよいか、検討する際の参考にしてください。

物流ロボットの先駆けともいえる存在であるAGV

AGV(Automatic Guided Vehicle)とは、無人で物品を搬送するロボットのことです。無人搬送車などとも呼ばれます。物流ロボットの先駆け的な存在で、モノを運ぶことに特化しており、フォークリフト型、積載型、牽引型などのタイプがあります。
その仕組みは、倉庫の内外にAGVが走行するためのレールを設けてその上を進ませるか、走行ルートを示すQRコードや磁気テープを貼っておき、AGVがその上を読み取りながら進むことで、目的地まで荷物を運ぶというものです。

人間との協力が可能なAMR

AMR(Autonomous Mobile Robot)とは、レーザーや画像認識技術などを利用して周囲にある物体を検知することにより、目的の場所への自律移動を可能にした物品搬送用ロボットです。AMRはAGVとは違って、走行するのに誘導用のレールや磁気テープなどを必要しません。人間と協働するという特徴があるので、自律走行搬送ロボットや協働型搬送ロボットなどの別名があります。
AMRは大規模な倉庫における商品の搬送で、人間とともに活躍します。その活用の仕方は、自動走行でピッキング場所に到達したAMRに、人間が倉庫の棚からピックアップした商品を積み込み終えたら、AMRを次の目的となるピッキング場所や梱包場所まで自動走行させることで、商品を搬送するという流れです。

棚ごと商品を運ぶGTP

GTP(Goods To Person)とは、目的の商品が収納されている棚を、ピッキング担当者が作業している場所まで運搬するロボットです。棚流動型ロボットや棚搬送型ロボットなどとも呼ばれています。
GTPはピッキング担当者のもとまで商品の入った棚ごと運び、ピッキング作業が終了したらその棚を元の位置に戻します。そのおかげで担当者は目的の棚を探し出して、その棚まで歩いて往復する必要がなくなります。人力のみのピッキングでは、棚までの往復に労働時間の多くをつぎ込むことになるので、GTPの導入は作業員の労力を大幅に軽減するのに役立つでしょう。

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物流ロボットを導入するメリット

物流ロボットを業務に導入した場合には、絶大な効果が生み出されるでしょう。ここでは、物流ロボットによってもたらされる2つの主要なメリットについて言及します。

ヒューマンエラーが無くなる

人間がロボットに対して行う設定作業などで間違えなければ、物流ロボットが代行する部分についてのヒューマンエラーが無くなります。物流全体の品質の維持や向上につながるでしょう。
人間が作業を行う場合には、どれだけ注意を払ってもミスをおかしてしまう可能性があります。そのため、物流の品質が落ちないように、ダブルチェックなどを行ってミスを最小限に抑える必要性が出てきます。しかし、ダブルチェックを行うとなると     人員の確保が大変で、人件費もかかります。
深刻な人手不足の状況下で、物流の品質が問われる物流業界において、人を増やさずに品質の維持や向上が見込めることは、大変魅力的な点です。

業務の効率が上がる

物流ロボットの導入によって、業務の効率を大幅に上げられます。物流ロボットは人間とは違い、疲れがたまって処理速度が落ちたり、ミスが増えたりすることはありません。人間よりもスピーディーに商品の場所を特定して、商品を運搬することが可能です。したがって、定型業務のスピードは人間が行う場合に比べて、ロボットの方が格段に速くなります。

定型業務の処理能力に圧倒的な差がある人間とロボットですが、ロボットにはできない非定型業務がたくさんあります。その部分を人間が担当することで、複雑な業務でもスピーディーに行えるようになるでしょう。

物流ロボットを導入するデメリット

物流ロボットを導入するならば、生じる可能性のあるデメリットについても押さえておく必要があります。ここでは、主に問題となる2つのデメリットを紹介します。

導入にコストがかかる

物流ロボットを導入する際には大掛かりな機械を入れるので、コストが高額になることを覚悟しなければなりません。初期費用のほかにも、導入後には保守・点検のための費用が継続的に発生します。機械が劣化して使用できなくなれば、再び初期費用並みの金額をかけて新しい機械を導入しなおさなければならないでしょう。メンテナンス作業ができる従業員も必要なので、人件費も無視できません。

環境構築までに時間がかかる

物流ロボットを導入したからといって、すぐに使えるわけではありません。導入後、物流ロボットを業務に使用できる環境の構築が完了するまでには、それ相応の時間がかかります。

適切な環境を構築するための工事や設定を行うには、専門知識を有する人材が必要です。また、従業員が物流ロボットを運用するための知識を学ばなければならないでしょう。在庫情報など必要な情報のデジタル化や業務フローの変更も行わなければなりません。

まとめ

物流ロボットの導入には多額のコストがかかり、在庫情報などのデジタル化が必須です。しかし自社に適切な物流ロボットを導入することで、省人化や業務の効率化を実現できます。

物流業界の人手不足は深刻な状態となっているため、このようなロボットの活用はより促進されるでしょう。


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