C2Mとは?完全受注生産型ビジネスモデルについて詳しく解説

 2023.02.07  河田 優美

近年新型コロナウィルスによって、ECの普及が進みさらに進み、さまざまな商品への顧客ニーズが顕在化されてきています。

そういった背景もあり、データドリブンなビジネス戦略を通じて顧客のニーズを満たすことがより重要になってきている、といえるでしょう。

 

そこで今回は、ビックデータ分析に基づいたビジネスモデルである「C2M」についてご紹介していきます。

C2Mを理解することで パーソナライズされた顧客のニーズを拾い上げた製品提供について知見が得られるので、ぜひご一読ください。

 

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C2Mとは

C2M(Customer to Manufactory)は2020年に中国のEC業界で提唱されたもので、製造者が消費者から直接注文を受けて、商品を製造する「完全受注生産型モデル」です。

製造者は消費者からパーソナライズされた製造依頼を受けて、商品を作成します。

 

近年、大手のECプラットフォームでは、自社で蓄積したビックデータ、AI技術などを駆使して、顧客の指向や情報などをキャッチアップ。

そして、その情報を製造者へフィードバックすることで新たな商品の開発や、商品の改良に役立てています。

 

C2Mは完全受注生産型ということもあり、製造者は在庫を抱えるリスクがありません。

そのため、製造者側はリスクを低減してC2Mビジネスモデルで事業を進めることができます。

 

また、消費者にパーソナライズされた商品を製造するため、イメージしていた商品と手に届く商品とのギャップが少なく、消費者に満足してもらいやすいビジネスモデルであるといえるでしょう。

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C2Mのビジネスモデルの特徴

以下ではC2Mの具体的な特徴についてご紹介していきます。

高品質な商品を選ぶユーザーが多い

C2Mビジネスモデルのユーザー層は、高い品質の商品を求める傾向にあります。そのため、「高品質であるもの」を前提に低価格な商品を追求します。

自身が求めるクオリティの商品を求めるものの、ブランドには興味を示さないという層の消費者には特にフィットしやすいといえるでしょう。

ECプラットフォームが優良メーカーと提携し、価格にこだわる

C2MビジネスモデルではECプラットフォームが大手ブランドが利用するようなOEMのメーカーと協力して、品質のよい低価格な商品を提供できるように努めます。

大手のブランドのOEMメーカーを採用することで、消費者にも安心で品質の高い商品であることアピールすることが可能です。

 

またECプラットフォームは闇雲にOEMメーカーと提携するのではなく、以下のような採用基準を設けることで製品の品質を担保しています。

  • 世界的に有名なブランドとの製造に携わったことがある
  • パーソナライズオーダーに対応できるようなサプライチェーンがある
  • 消費者に手頃な「工場価格」で商品を提供することができる

また、ECプラットフォームには「商品レビュー」や「返品率」なども評価基準にしているところもあり、例えば商品レビューに悪い評価が1%以上ついた場合には、該当商品はECプラットフォームによって削除されます。

こういった基準を設けることで、ECプラットフォームは品質の高い製品を消費者に提供することができるのです。

ECプラットフォームのデータベースを活用している

C2Mには業界の動向や顧客の消費行動などの膨大なデータベースが有効に役立ちます。なぜなら、そういった情報が今後のターゲットを選定するための材料になるからです。

またこういったビッグデータは各ブランド関係構築するための足掛かりとなります。

ECプラットフォームと提携したブランドは、サプライチェーンやC2Mビジネスモデルを利用することで、プラットフォームに存在する消費者に対して効果的な製品購入のアプローチを行うことができるのです。

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C2Mの将来性

C2Mはライブコマースのような顧客との距離が近いチャネルとの相性が非常に良いため、そういったチャネルを軸に成長していくと考えられます。

なぜなら、MCは消費者からの声を拾い上げて、製造者にフィードバックしやすい環境なので、今後の製品改良や顧客のニーズ分析に役立てることができるからです。

 

最近では、P2C(Person to Consumer)のようなインフルエンサーが消費者に対して、商品を企画・生産して中間業者を挟むことなく消費者に提供するようなスタイルが増えてきました。

そのため、顧客がライブコマースを通じて購入すること自体が当たり前になってきているので、そういった背景からC2Mは今後も成長するといえるでしょう。

C2Mの企業の取り組み

marspetcare

中国のEC大手の「JD.com」と米国ペット業界大手企業「マースペットケア」は2020年8月に、アレルギーや消化器にトラブルを抱える猫に特化したフードを共同開発しました。

この開発の背景には、JDがビッグデータを解析するなかで、消費者が「猫のアレルギー」について、憂慮していることを発見。

 

そして、その情報をマースペットケアに提供し、同社が穀物が猫の食物アレルギーを誘発することを解明しました。

そして、商品開発のためのデータをJDから受け、市場への需要予測を実施し、最終的に穀物を利用していないキャットフードをマーケットに展開しました。

このように、プラットフォームのデータベースを有用に活用することで製造者が新たな製品開発や改良を行うことができ、結果的に新しいマーケットを生み出すことにもつながるのです。

従来のビジネスモデルを再構築するC2M

今回はC2Mについて解説してきました。

顧客と製造者を直接結びつけ、顧客のニーズに応えていくC2Mのスタイルは今後より一層増えていくと考えられるでしょう。

 

C2Mビジネスモデルを活用して顧客へアプローチしたいとお考えのEC事業者様はぜひ一度、SI Web Shoppingにお問い合わせくださいませ。


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