基幹とは?基幹系システム、情報系システム、ERPについて

 2021.04.28  株式会社システムインテグレータ

本記事では、基幹(基幹システム)について詳しく解説をしていきます。また、基幹系システム、業務系システム、情報系システムのそれぞれの特徴をご紹介したうえで違いについても解説いたします。これから企業のシステム効率化や開発に関わるという方の参考になれば幸いです。

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基幹とは

基幹とは?基幹系システム、情報系システム、ERPについて

そもそも基幹とはどういう意味かを改めて押さえておきます。基幹とは、物事を成り立たせるために必要なおおもとのことです。植物には根っこがあるように、この世の物事全てにおおもととなる事象が存在します。それを基幹と呼びます。

企業活動、経営において欠かせないおおもとのシステムのことを「基幹システム」と言います。ビジネスの現場においては略して「基幹」と呼ぶこともあります。

基幹業務とは

基幹業務とは、企業のビジネスの根幹を支える業務のことです。企業で必ず必要な会計や財務などの業務が基幹業務にあたります。

つまり、基幹業務とは全ての企業において必要な業務なのであり、その利益に関わるのが基幹業務なのです。

基幹系システムとは

基幹系システムとは、基幹業務を管理したシステムで、いわゆる基幹システムのことを指します。主に基幹系システムのカバー範囲は以下の通りです。

  • 販売管理
  • 生産管理
  • 購買管理
  • 債権管理
  • 債務管理
  • 会計管理
  • 経費管理
  • 人事管理
  • 給与管理

業種によっては、生産管理が不要な場合もあると思いますが、一般的な顧客に対して何かを販売する一連のプロセスから、必ず発生する社内業務を管理するのが基幹系システムです。

後述する情報系システムは、なくても他の手段で代替可能な業務領域をカバーしたシステムなのに対して、基幹系システムは代替不可能な領域をカバーするシステムです。

同じ業務を紙やエクセルで行うことは不可能ではありませんが、業務を管理する一連のプロセスに載せるにはやはりシステムを利用しないとなりませんので、仮に基幹系システムがトラブルで停止したとしても、復旧後にその間の業務を再度基幹系システムで行う必要があります。

各システムの違い

基幹とは?基幹系システム、情報系システム、ERPについて-1

ここでは、基幹業務で活用できる各システムの違いについて詳しく解説をしていきます。

基幹系システムと業務系システムの違い

基幹系システムと業務系システムに明確な違いはありません。強いてあげるならば、基幹系はそれぞれの業務が連携された、いわばERPのようなものを連想するのに対し、業務系はどちらかというとその業務に特化された独立したシステムを連想する、といったニュアンスの違いがあります。もしくは業務に関わるシステムのうち、基幹業務にまつわるシステムを基幹系システム、それ以外の業務にまつわるシステムを業務系システムといったような言い方で使い分けされるケースもあります。

少なくとも言えるのは業務系システムは「企業の業務」を効率化するために作られたシステムで、どの業務を指しているかはケースバイケースということです。
使い分けは曖昧なので、認識の違いが起きないように確認しながら使った方がよいかもしれませんね。

基幹系システムと情報系システムの違い

情報系システムは、社内外のコミュニケーションや事務処理の効率化などに利用されるシステムのことです。ですので、情報系システムも業務系システムの1つといえます。基幹系システムとの違いとしては、基幹業務そのもののシステムではないということです。業務系システムも、基幹系業務でない業務のシステムというニュアンスがあるので、そういった観点では業務系システムと情報系システムをはっきりさせるのは難しいかもしれません。

一方、情報系システムにはグループウェアであったり、メールシステム(メーラー)、社内チャットなど、社内外の情報のやりとりやコミュニケーションにまつわるというシステムという捉え方もあり、こちらの方がはっきりとした違いと言えます。

またその特徴から、基幹系システムと異なり、情報系システムは停止したとしても、他の手段で代替可能なものとして捉えられています。メールが届かないなら、電話やFAXで、みたいなイメージですね。

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だからといって止まって良いわけではないですが、基幹系システムと比べると影響が少ないものとされています。

基幹系システムの重要性

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基幹系システムは企業の活動を円滑に進めるために非常に重要です。基幹系システムを使った具体的な業務内容についても解説しましたが、ここではなぜ基幹系システムが重要なのかについてご紹介していきます。

業務を効率化する

基幹系システムを利用する大きな目的は業務の効率化です。しかし、業務の効率化のためにシステムを利用するという点においては、業務系システムや情報系システムと変わりません。効率が悪くなっても、業務を継続して行うことができるのなら問題ないと考える方もいるでしょう。しかし、基幹系システムが運用できなくなることによって生じる業務の非効率化は、まさにレベルが違うのです。

例えば、数万人規模の企業において、基幹系システムの1つである給料の自動振り込みができなくなったとしましょう。そうなると、企業の担当者が銀行に直接足を運んで、一人ひとりの口座に給料を振り込むという作業を行わなくてはいけません。

確かに、業務を継続することは可能です。人力を駆使すれば、給料を支払うことは可能でしょう。しかし、それは現実的でしょうか。数万人の給料を直接振り込むというのは、時間をかければ行えるという範疇を大きく超えています。

したがって、基幹系システムが運用できなくなると、業務は大きく非効率になってしまいそもそもの実施が不可能に近くなるのです。そのため、基幹系業務は企業にとって欠かせないものとなっています。

ミスや損失を防ぐ

もう1つの大きな目的がミスや損失を防ぐことにあります。先ほどの例で考えてみましょう。

例えば、給料の振り込みに基幹系システムが利用できなかったとします。先ほどは基幹系システムが利用できないと、そもそも業務を実行することすら難しいとご説明しました。しかし、今回はそれでも業務を遂行しようと、銀行に直接振り込みにいったとしましょう。

数万人の給料をそれぞれ振り込んでいくわけです。作業量は膨大です。これを人力で行なった場合、ミスを一切起こさないことができるでしょうか。どれだけ優秀な人であっても、あまりに作業量が膨大な場合は、ミスを起こしてしまう可能性があります。

仮に間違って支払うべき給料よりも多く支払ってしまったとしましょう。社員の方によっては、明細と振り込まれた給料が一致しているか確認しない方もいます。もし、多く振り込まれていることに気づかないまま給料を受け取ってしまったら、それがそのまま企業の損失になるのです。

このように、基幹系システムを使うことで、仕事上のミスを回避することが可能となります。ミスはそのまま損失につながります。基幹系システムを活用しないことによって、企業が受けるダメージは計り知れないのです。

基幹系システムはあればいいというものではなく、なくてはならない存在です。給料の振り込みを例としてご紹介させてもらいましたが、それ以外にも基幹系システムが使われている業務は数多くあります。基幹系システムは企業の根幹となる非常に重要なシステムなのです。

ERPの存在

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基幹系システムと似ている意味の言葉にERPがあります。基幹系システムについて理解を深めるうえで、ERPの存在は欠かせません。ここでは、ERPの意味やその歴史について詳しく解説をしていきます。

ERPとは

ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の頭文字をとった略語です。日本語になおすと、統合基幹業務システムと呼びます。

基幹系システムによって成立している企業の業務は数多くあります。会計業務、人事業務、生産業務、販売業務など数多くの種類があるのですが、それらの基幹となる業務を統合して、情報を一元化するためのシステムがERPです。

つまり、基幹系システムの管理がより便利になったものがERPであるといえるでしょう。ERPを導入している企業は増えつつあり、利用するメリットも非常に多いです。

ERPの歴史

従来は、会計業務、人事業務、生産業務、販売業務などそれぞれの管理を個々のデータベースで行なっていました。当たり前ですが、部門によって業務内容は違います。業務内容が違えば、求められる情報や処理の方法も異なってきます。そのため、個々のデータベースで管理をするしか方法がないと考えられていました。しかし、企業全体で考えてみたとき、これらの業務はリンクしている部分も多くあります。

例えば、販売業務を行うためには商品の生産を行わなくてはいけません。商品を生産するためにはコストがかかります。そのため、ある程度企業がお金を利用する必要があります。

簡単に説明しましたが、今のパターンだと販売業務、生産業務、会計業務がリンクしています。そして、企業における全ての業務は、会計業務へと集約されていくのです。

今までは、販売業務によって得た売り上げや人事業務における給料情報などを会計処理に入力し直す必要がありました。販売業務の注文状況によって生産業務は生産数を決めなくてはいけません。その注文状況を人為的な作業によって生産業務に反映させる作業も必要でした。

作業に手間がかかるということはミスも生まれやすくなります。企業においては、これらの業務をどれだけ効率良く行うかが永遠の課題でした。それを解決するためにERPが生まれたのです。

ERPがおすすめな理由

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ERPがおすすめである最大の理由は、業務の効率化につながるからです。基幹系システムがそもそも業務を効率化するために作られたものなのですが、それと比較してもさらに業務を効率化することが可能なのです。

基幹系システムだけでは、効率化できる業務の範囲が限られています。会計業務や販売業務など、それぞれの業務においては人力での作業を減らすことができます。しかし、それぞれの業務をつなげるための作業は人力で行わなくてはいけません。

ERPであれば、個々の基幹系システムと業務系システムを連携して統合管理するため、それぞれの連携業務を人力で行う必要がなくなるのです。業務の内容自体は別物なのですが、1つの企業内で行われている作業という点に違いはありません。手間はなるべく排除することが望ましいのです。

ERPを使えば、業務間でデータのやり取りをする手間がなくなります。それだけでなく、経営層にとっては企業の経営状況をリアルタイムで確認できるようになるなどのメリットがあります。業務を効率化することによって、社員の負担を減らしたり、ミスを削減したりするだけでなく、今まで確認しにくかった情報も簡単に知ることができるのです。

情報を一元管理することで、社内の重要情報を集約し、経営状況の可視化や経営判断の材料に使用できます。それぞれの業務を単独で管理している場合では成り立ちません。データを相互に連携させ、業務をより円滑にするためにもERPは非常に重要であり、おすすめといえるでしょう。

6.まとめ

基幹系システムについて詳しくご紹介いたしました。基幹系システムがないと、企業の業務のほとんどは成立しません。企業は常に、どのように業務を効率良く行うかを考えています。基幹系システムがなくなってしまうと、効率化とは程遠い原始的な作業で業務を遂行しなくてはいけません。

また、より効果的・効率的な業務遂行のためには、基幹システムやその他の業務系システムを連携させ、データを統合管理することが非常に有効です。データの統合管理はERP導入によって実現できます。
ERPに関する詳しい資料は多数ご用意してありますので、業務効率化をご検討の場合はぜひご覧ください。

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