2024年問題とEDIへの影響とは?対策のポイントを解説

 2022.05.13  株式会社システムインテグレータ

企業活動は時代の流れや環境の変化の影響を否が応でも受けてしまうため、柔軟に対応していく姿勢が重要となってきます。現在ISDN回線を利用したシステムを使用している企業が直面するとして大きな注目を集めている課題が、「2024年問題」です。

当記事では、2024年問題・ISDN回線の概要から、大きな影響を受けるシステム・領域、EDIシステムの再構築の方法、再構築の課題・対策について解説します。EDIシステム等を使用しており2024年問題に対処する必要がある方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

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2024年問題とは

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2024年問題とは、NTT東西が固定電話網のIP化に伴い現行のISDN回線サービスであるINSネットのデジタル通信モードを廃止する予定であることから、同回線を使用している企業の業務へ影響を及ぼすという問題です。2024年1月から順次固定電話網の移行が開始され、2025年1月には完全に移行が完了する予定となっています。

ISDN回線を使用している現行のシステムが使用できなくなるため、多くの企業がシステムの再構築や別のシステムへの移行といった対応を迫られています。

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ISDN回線とは

Blue virtual technology background with lines and grids

ISDN(Integrated Services Digital Network)回線とは、NTTにより1988年からサービス提供が開始された、電話回線を使用したデジタル通信技術のことです。主な特徴は以下の通り。

  • 1つの回線で2つ以上の回線を利用することが可能
  • 同じ回線で電話・FAX・インターネットの併用が可能
  • 当時としては高速な64kbpsの通信速度を実現

アナログ回線が主流であった当時においては、デジタル回線による高速インターネット通信を利用できるISDNの登場は人々に衝撃を与えました。

ブロードバンド回線の品質が安定化するまでの期間は、主流の回線としてインターネット発展を支え続けてきた回線となります。

ISDN回線の廃止理由

ISDN回線が廃止されることになった大きな理由は、旧世代の回線であるが故に以下のような問題を抱えていることが背景として挙げられます。

回線・設備の老朽化

長年使用され続けた回線・設備の老朽化により、通信インフラとしての維持・管理が困難であるため。

高速回線の普及

ISDN回線は現代の光回線・ADSL回線と比べると速度で大きく劣っており、一般的な利用者は減少しているため。

利用料金が高い

ISDN回線は現在主流として利用されている料金の約2倍近い料金であり、速度の遅さと相まってコストパフォーマンスが非常に悪いため。

ISDN回線廃止で影響を受ける領域

ISDN回線は現在多くの業界のさまざまなシステムに使用されているため、回線が廃止されることによる影響は多方面に及びます。例えば、次のようなシステムはISDN回線を業務に使用することができなくなります。

  • EDIシステム
  • POSシステム
  • CAT端末
  • 銀行ATM
  • レセプトシステム
  • WANシステム

特に、EDIシステム・POSシステムを長年利用している企業が多い飲食業界・食品業界・小売業界・アパレル業界においては、ISDN廃止が業界に与える影響も大きなものとなります。

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ISDN廃止で影響を受ける「EDI」とは

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EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)とは、企業間を専用回線で繋ぎ、受発注処理・出荷処理・納品処理・請求処理・支払処理といった企業間取引業務を行うためのシステムです。ISDN回線を使用した旧来のEDIは、インターネット回線を使用した最新のWeb-EDIと区別して「レガシーEDI」と呼ばれており、2024年のISDN回線の廃止により大きな影響を受けるとされています。

EDIの種類やEDIの代替手段となりうるBtoB-ECについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご参考下さい。

EDIとは?種類や利用するメリット、Web EDIについてわかりやすく解説

BtoB ECとは?BtoC ECとの違いと成功のポイント

EDIは再構築が必要

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ISDN回線を使用した旧世代のEDI(レガシーEDI)は、ISDN回線廃止により即座に使用できなくなるわけではなく、当面の間はメタルIP回線と呼ばれる代替回線を使用することで通信を行うことは可能です。

しかし、メタルIP回線の処理速度は遅く、あくまでも次のシステムへ移行するまでの代替措置であるため、根本的に2024年問題を解決するにはEDIを新しいシステムへと再構築する必要があります。

レガシーEDIに代わる次世代のEDIとして有力視されているのが、以下にご紹介するインターネット通信回線を活用したWeb-EDIです。

Web-EDIとは

Web-EDIとは、一般のインターネット通信回線とブラウザを使用して受発注やデータの送受信といった企業間商取引を行うシステムのことです。簡単に説明すると、従来のEDIをWeb上で実現した仕組みとなります。

Web-EDIのメリット

一般的なEDIよりも導入・運用コストを低減できる

Web-EDIはクラウドベースで提供されるため、専用システムを構築する一般的なEDIよりも導入・運用にかかるコストを大幅に低減することが可能。

最新のインターネット回線を利用した高速通信が可能

Web-EDIは、最新のインターネット回線を利用した通信を行うことができるため、電話回線を利用した従来のEDIよりも遥かに速い通信が可能。データの送受信・処理を素早く行うことで業務効率化を図ることができる。

安全な環境下で利用できる

Web-EDIは専用回線を使用する一般的なEDIよりもセキュリティが低い印象がありますが、実際は最新のセキュリティ技術が用いられており、セキュアな環境での商取引が可能。

Web-EDIのデメリット

標準化されていない

Web-EDIのシステムやプロトコルは標準化されておらず、複数の仕様が混在している状況。取引先企業と仕様が異なる場合は商取引を行うことができない。

導入には取引先の合意・協力が必要

Web-EDIは、従来のEDIと同じく自社の意向だけでは導入することができず、取引先の合意・協力が必要となる。

EDIの再構築における課題と対策

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2024年問題は、レガシーEDIを新しいEDIへと再構築することで問題を乗り切ることができるとされています。しかし、EDIの再構築といっても簡単に済む話ではなく、実施にあたってはいくつかの課題が立ちはだかります。

ここでは、EDI再構築にともなう課題とその対策について解説します。

各種システムの見直しが必要

EDIの再構築を行う際には、EDIのシステムだけを刷新すれば良いわけではなく、連携している以下のような各種システムも併せて見直しを行う必要があります。

  • 自社基幹システム
  • 接続先システム(販売先・仕入先・物流・工場・金融機関等)
  • 顧客基幹システム(販売・仕入・在庫・会計)

更に細かく細分化すると、サーバー・データベース・ネットワーク・アプリケーション等の見直しまで必要となります。

EDIの再構築は、このようにEDIだけを別のシステムに入れ替えるという単純な話ではないため、システムの構成全体を俯瞰して再構築を進めることが重要です。同時に全てのシステムを見直すことはできないため、システムごとに作業の切り分けを行い、段階的に進めることがポイントとなります。

取引先との協議が必要

EDIは取引先との受発注に使用するシステムであるため、再構築を行う際には、新システムの仕様・プロトコル・取引方法・取引ルールなどさまざまな点を取引先と協議して調整しておく必要があります。協議はEDIを使用して取引を行う全ての取引先が対象となるため、多くの時間・労力を要することが大きな課題です。

スムーズに調整が進むとは限らないため、EDI再構築がスタートする前には調整が完了するように、先を見越して早めに協議を進めておくことがポイントとなります。

プロセスに時間がかかる

EDIの再構築は、検討すべき項目・見直すべき項目が非常に多く、取引先や再構築を依頼するベンダーと何度も調整を重ねる必要もあるため、再構築のプロセスには多くの時間・労力・コストが必要です。2024年問題に対して多くの企業が同じタイミングで対処を行うため、EDI再構築に対応したベンダーへ依頼が集中してしまうという懸念も考慮しておかなければならないでしょう。

EDIの再構築には時間がかかるという事実や、スケジュール通りに進まない可能性も考慮して、できるだけ迅速に着手することや余裕を持ったスケジューリングを行うことが重要な対策となります。

まとめ

2024年問題は、EDIを利用した商取引を行っている企業にとっては、必ず対処しなければならない問題です。ベンダーには多くの企業から依頼が集中することや、システムの刷新には膨大な工数を要することから、できるだけ早めに着手することを強くおすすめします。

レガシーEDIに代替するシステムとしてはWeb-EDIが一般的に言われている有力な候補となりますが、企業を対象としたECシステムであるBtoB-ECへの移行もおすすめの解決策のひとつです。

弊社では、BtoB-ECの概要・メリット・導入方法等を詳しく解説した資料を無料でご提供しています。2024問題の解決策としてBtoB-ECを検討している方は、ぜひご活用下さい。

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