導入事例|PlowDays株式会社様

ECモールの開発
コスト削減とともに社内リソースの育成、プロ意識の醸成を目指す


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PlowDays株式会社 執行役員 植田 雄一郎様(左)、代表取締役社長 平田 静子様(右)

PlowDays株式会社(以下「PlowDays」)は、ビオファーミング(自然栽培)の普及に関する経済活動を通じて環境や経済についての社会課題を解決するべく2018年に設立されました。

PlowDaysは、ビオファーミング(自然栽培)を軸として社会課題の解決を図る仕組みである「ビオソーシャルプラットフォーム」において、2022年10月にビジネスモデルのグッドデザイン賞を取得し、同年12月にはこのビジネスモデルにおいて特許を取得しました。今回、このビジネスモデルの一環であるECモール「ビオモール」の開発にあたりSI Web Shoppingが採用されました。

導入事例集

まずは御社の事業についてお聞かせください。

平田氏:現在、持続可能な社会の実現に向けて特に環境問題は優先すべき全世界の社会課題として取り組みが行われています。同時に、近年注視されているもう一つの社会課題が相対的貧困層の増加や生涯賃金の減少などの経済問題です。特に日本では人口減少による経済の失速やスタグフレーションの継続などのマイナス要因によって、この問題の深刻化が懸念されています。

そこで私たちは、一人一人が正しい選択をできる知識・スキルを獲得し活かす機会が必要であると考え、ビオソーシャルプラットフォームを構築しました。

ビオソーシャルプラットフォームでは、人が生きる上で欠かせない食という分野にビオファーミング(自然栽培)という手段でアプローチすることによって、環境問題の解決も目指しています。

ビオソーシャルプラットフォームとは何ですか?

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出典:PlowDays株式会社(https://plowdays.com/news/6aqCBAvs

平田氏:ビオファーミング(自然栽培)は、農薬も肥料も使用しない栽培方法です。近年農薬による生態系の破壊や肥料から発生する温室効果ガスが環境問題として注視されており、ビオソーシャルプラットフォームは、このビオファーミング(自然栽培)の普及に関連する経済活動を通じて、このような環境問題の改善を目指す仕組みです。ビオファーミング(自然栽培)に関わるビオカスタマー*1、ビオパートナー*2、ビオファーマー*3の三者をつなぎ、それぞれが相乗効果で拡大していくことにより、ビオソーシャルプラットフォーム全体が活性化し、ビオファーミング(自然栽培)の普及が図られます。

*1 ビオカスタマー:ビオファーミング関連商品の購入や講座による啓蒙などのサービスを受けることができる消費者
*2 ビオパートナー:ビオファーミングの普及につながる経済活動を仕事として行い本プラットフォームの拡大に寄与するパートナー
*3 ビオファーマー:ビオファーミングで生産する農家

ビオファーミング(自然栽培)は、生態系を崩さず持続可能性に優れた栽培方法のひとつだと私たちは考えています。その反面、栽培の難しさによる担い手不足や認知度の低さから市場の拡大が難しいという課題があります。
しかし、近年、環境問題への意識が高まっていることもありビオカスタマーは今後急速に増えていくことが期待できます。ビオファーマーを増やすためにはまず需要を増やしていかなければなりません。そのためにも両者をつなぐプラットフォームが必要となるのです。

私たちはビオソーシャルプラットフォーム上でビオカスタマー、ビオパートナー、ビオファーマーの三者相互協力によって便益が生まれる構造をつくることでビオファーミング(自然栽培)の市場を拡大し、環境問題を改善することを目指しています。

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今回開発された「ビオモール」はビオソーシャルプラットフォームのなかでどういった役割を担うのでしょうか。

平田氏:ビオモールはビオソーシャルプラットフォームの核として、環境に配慮された原料などで生産された食品「サスティナブルフード」を扱うECモールです。ビオパートナー・ビオカスタマー・ビオファーマーの三者をつなぎ、市場の拡大に大きく関わる重要な役割を担います。

ビオモールの構築にSI Web Shoppingを採用いただいた背景を教えていただけますか?

植田氏:ビオモールの構築にあたっては、開発自由度の高いECモールのパッケージを探していました。SI Web ShoppingではSDGs支援プログラムや内製化支援プログラムなどがあり、当社のビジネスや開発スタンスに合致したサービスが提供されていたことが大きな魅力でした。

ほかにも、買い切り型のパッケージで費用対効果がいい点、開発言語がJavaで安定して使えそうな点、ほかのオープンソース製品の懸念点だったセキュリティやサポートがしっかりしている点などを踏まえ、SI Web Shoppingの採用を決めました。モール型に対応したパッケージはそもそも製品が少なく選択肢が限られていたのですが、スピードやコスト、開発自由度の高さ、サポート体制といった当社が求めるような条件では、最も適したパッケージだったと思います。

ビオモールの開発には、ビオパートナー・ビオカスタマー・ビオファーマーそれぞれのニーズなど考慮しなければいけない要素が多く、自由度の高さが必要でした。今後も継続的に開発していくのであれば社内でもスピーディに対応できる必要があります。その点においてSI Web Shoppingが最適と判断しました。

開発を進めるにあたっては、どのような体制で取り組まれたのでしょうか。

植田氏:SI Web Shoppingの開発経験があるプロジェクトマネージャーのもと、開発はエンジニア2名体制で進めました。社内にJavaエンジニアがいなかったため、導入を決定してからまず1カ月ほどでJava言語のキャッチアップを行う必要がありましたが、システムインテグレータの丁寧なサポートを受けながら未経験の言語でも安心して開発を進められました。

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SI Web Shoppingはサポート体制も充実していて、パッケージの恩恵を受けながら素早く機能を実装できるため、人的リソースが限られたなかでも取り組みやすかったです。

また、機能が豊富なので今後展開するにあたっても柔軟に対応でき、スモールスタートや大規模なモールの展開にも適していると思います。

とはいえ当社の場合、現時点ですべての機能を使っているわけではなく、開発にあたっては必要な機能の選定から取り掛かりました。標準機能で実現したいことのベースはカバーできていたため、あとはもともと作っていたデザイン案にあわせて変更を加えていきました。

開発を進めるなかで苦労されたことはありましたか?

植田氏:今回、コストを抑えるためにAWS*4の仮想サーバーではなくコンテナ上で環境を構築したのですが、アーキテクチャの違いもあって思っていた挙動が実現できず、困った場面がありました。その際もサポートの方に丁寧にフォローいただいて無事に環境を構築することができました。

*4 AWS:Amazon Web Services、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービス

今後SI Web Shoppingに期待されることはありますか?

植田氏:現状、ビオモールのユーザー情報はもともとの基盤とは別に管理されている状態にあるので、会員基盤の統合やSSOへの対応などユーザー認証におけるカスタマイズ性が強化されるといいと思います。また、今後はECモールだけでなくコミュニケーションやアフィリエイトなどほかのサービスや機能も追加していきたいと思っているので、API Gateway上の各種サービスの認証の統合や切り離しが柔軟対応できるといいですね。

インタビューにご協力いただきありがとうございました。

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