日鉄日立システムエンジニアリング株式会社様
「"OB" 導入は10年前~今では全社で活用」
日鉄日立システムエンジニアリング株式会社では、「SI Object Browser」(以下OB)を全社的に展開し、様々なプロジェクトで活用している。同社技術部プロジェクトサポートオフィス シニアマネジャー 高橋政美氏、産業・流通ソリューション第一事業部 グループリーダー 砂野(いさの)成弘氏に「OB」をどのように活用しているのか詳しく伺った。
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日鉄日立システムエンジニアリングの業態
本日は、使用されている開発ツールについてお話しを伺います。最初に、日鉄日立システムエンジニアリングの業態をお聞かせください
日鉄日立システムエンジニアリング株式会社(以下NHS)は、新日本製鐵株式会社(※)と株式会社日立製作所のジョイントベンチャーとして1988年4月に設立されたシステム開発会社です。今日では、お客様のニーズを捉え、最適なシステムを提案・構築するトータルソリューションプロバイダーとして、アプリケーションからミドルウェア、基盤までの各領域で、コンサルティングからシステム設計・開発・保守に至る一連のサービスを総合的に提供しています。特に、製造業向け基幹系システムの分散化、ERPパッケージを用いたBPR、オブジェクト指向技術を駆使した金融アプリケーション開発、分散系オープン基盤構築など、適所に先進技術を取り入れたシステム構築には、お客様から高い評価を頂いています。およそ400名規模の会社ですが、社員の約8割がプロマネ・SEです。
※2001年4月に新日鉄ソリューションズ株式会社出資に変更
「OB」導入は10年前~今では全社で活用
システムインテグレータ(以下SI)のどんなツールをお使いですか
高橋氏: 「OB」と「ER」を使っています。「OB」を使い始めたのは10年程前です。OracleはCUIベースなので、初心者にわかりにくく、何かいいツールはないかと探していて、SIのサイトで「OB」を見つけました。試用版をダウンロードして使い始めて、バージョンアップを重ねながら使ってきました。
CUIでコマンド入力した方が早いというOracleに精通した技術者もいますが、お客様をお待たせせず、修正や変更の依頼に対応するためには、わかりやすいツールが必要でした。
「SI Object Browser」の第一印象はどうでしたか
今のバージョンと違ってまだ初期のものでしたから、全てに満足という状態ではなかったと思います。とはいえ、GUIベースで作業ができて「操作性が良いなあ」「SQL Serverでの作業と遜色がないなあ」と思ったことを覚えています。まず1ライセンスを購入して、次のプロジェクトで5ライセンスを追加購入。その後、全社に展開できるようライセンス数を拡大して、様々なプロジェクトで活用しています。
お客様の中にも「OB」ユーザがいらっしゃって、「OBがあると便利だよね」「OBがあって助かった」と話題になることも多いですよ。
マルチベンダープロジェクトの開発案件も多いと思いますが、他のツールを使用することもありますか
残念ながら(笑)、別のツールを指定されることもあります。
ただ、Oracleを使ったプロジェクトの場合は、「OB」を使うことが多いように思います。
「SI Object Browser」をどのように使っているか~プロマネの立場から
プロマネの立場で、管理者の砂野様は「OB」をどのようにご活用でしょうか
砂野氏: 「OB」の豊富な機能の中で、私が使っているのは、きっとほんの1-2割です。具体的に「OB」をよく使うタイミングをあげると、次の4点でしょうか。
- 後工程で手戻りがないように、設計時にSQL文の実行計画や統計情報を検証するとき
- パフォーマンスチューニングを行うとき
- 本番移行の際、データベース定義情報をスクリプト出力して利用するとき
- GUIでテストデータを作成するとき
「SI Object Browser」の評価点
「OB」を評価できるのはどういうところでしょうか
いろいろありますが、特に以下の点で重宝しています
- 初心者にも上級者にも使い勝手が良い
- 設計書を効率的に作成できる
- パフォーマンスチューニングにおいて有用である
- テスト時にダミーデータを大量に生成できる
評価点その1:「初心者にも上級者にも使い勝手が良い」
順にお聞きします。評価点の1「初心者にも上級者にも使い勝手が良い」とは具体的にはどのようなことでしょうか
「OB」は、GUIで操作することもできますし、SQLコマンドを直接入力することもできます。私自身は、コマンドを打ち込む方が早いので、GUIを表示しない設定にしています。
逆に、経験の少ない技術者は、GUIを使って効率的に作業を進めています。
評価点その2:「設計書を効率的に作成できる」
2番目、「設計書を効率的に作成できる」とは具体的にどのようなことでしょうか
仕様変更が生じて、システム開発段階でテーブル定義を変更しなければならないことがあります。そんな時は、「OB」の設計書出力機能を使って最新のデータベース環境からテーブル設計書を出力しています。
この機能で、設計書と実際のテーブル定義との不整合を防ぐことができます。
評価点その3:「パフォーマンスチューニングにおいて有用である」
3番目、「パフォーマンスチューニングにおいて有用である」とは具体的にどのようなことでしょうか
特にデータ量が多いお客様の場合には、システム開発段階から「OB」でパフォーマンスの悪いSQLを調べ、担当者に指示して修正を加えながら、プロジェクトを進めています。その甲斐あってか、システム納品後に、データベースのアクセス性能が問題になることもなく、お客様から高い評価を頂いています。
評価点その4:「テスト時にダミーデータを大量に生成できる」
4番目、「テスト時にダミーデータを大量に生成できる」とは具体的にどのようなことでしょうか
パフォーマンステストの際には、何百万件という大量のデータが必要になります。このテストデータを作成するのが大変で、手間もコストもかかっていました。ところが、「OB」を使うとあっという間に大量のテストデータを作ることができて、とても助かっています。
この機能は、「OB」のセールスポイントになると思います。ユニークキーだけを採番することもできて、本当に重宝しています。
「SI Object Browser ER」の活用と評価
「ER」について教えてください。「ER」はどのようにお使いでしょうか
高橋氏:プロジェクトでは、参画メンバーにシステムの全体像を理解してもらうことが大切です。「ER」のリバースエンジニアリング機能で作成したER図を使えば、テーブルの相互関係を視覚的に捉えることができますので、システムの全体像をプロジェクトメンバーに説明する際に活用しています。もちろん、お客様へのご説明にも使っていますが、全体をビジュアルに俯瞰できると好評です。
Excelを使ってER図やテーブル定義を書いていたこともありました。テーブル定義書からCREATE TABLEのSQL文を生成するツールを自作したこともあります。けれども、それぞれを手作業でやっていると効率が悪く、変更を繰り返しているうちにどうしても統一が取れない状態になってしまう。「ER」を使ってから、実体としてのデータベースと各ドキュメントの整合性に苦労することはなくなりました。
また、既存システムを保守する際には、実際のデータベースと定義書が違っていることも珍しくありませんから、まず「ER」のリバースエンジニアリング機能を使って、いま動いているデータベースのER図を作成して、テーブル定義書を作成するようにしています。
導入時に比較したものはありますか?
2製品と比較、検討しました。ひとつは、以前からある著名な製品です。大規模案件ではこの製品を指定されることもありますが、価格面から中小規模案件に導入することは難しい。もうひとつの製品は、リバースしか出来ず、フォワードが出来ませんでした。「ER」は、必要十分な機能があり、リーズナブルな価格設定だと思います。
「ER」の評価について教えてください
今までお話したことですが、以下の3点を評価しています。
- リバース、フォワードの両方に対応
- 必要十分な機能とリーズナブルな価格設定
- 見やすいER図の出力がお客様やプロジェクトメンバーへの説明に有用
今後の期待
「OB」および「ER」に対して今後の期待があればお聞かせください
「OB」については、SQLエラー時に、エラー箇所がわかるといいですね。それから、テスト結果のエビデンスを細かくとっていますので、それが簡単にできるような支援機能があると助かります。
「ER」については、必要な箇所だけ印刷できる機能(※)が欲しいですね。今は、Excelに取り込んで編集してから印刷しています。それから、自由に色を付けられると便利だと思います。
※ERの新しいバージョンでは、列単位で印刷対象を指定できるようになりました。
新しいバージョンでは色についても対応済みです。
お忙しい中、ありがとうございました。
日鉄日立システムエンジニアリング株式会社
企業サイトURL:http://www.nhs.co.jp/
取材日時:2008年9月
このホームページに記載されている社名、商品名、ロゴは各社の商標または登録商標です。
SI Object Browser ガイドブック