TIS株式会社様

「経営戦略を推進するための、データモデリング技術の向上」


TIS株式会社様

日本屈指の大手ITベンダー、TIS株式会社(以下TIS)は、データモデリング技術向上のために全社標準ツールとして「SI Object Browser ER」を導入しました。

TISの考えるデータモデリングの重要性とは何か。
なぜ「SI Object Browser ER」が選ばれたのか。

技術本部 基盤技術センター 主査の森未英氏、事業統括本部 ビジネスシステムコンサルティング事業部 エンタープライズプロジェクト推進室 主任の谷口大資氏、同主任の大小田恵子氏に伺いました。

目次
  1. 経営戦略を推進するための、データモデリング技術の向上
  2. 全社標準ツールの選定へ
  3. メリット1:作業効率の向上~二度手間をなくす~
  4. メリット2:お客様との情報共有~「わかろうとしてくれる」~
  5. メリット3:設計者間の情報共有~1つのリポジトリ~
  6. トライアル版を活用する
  7. 誰もが使える環境の為に、SI Object Browserを選ぶ
  8. SI Object Browser ERのユニークな機能
  9. ツールだけでは普及しない
  10. システムインテグレータへの期待

経営戦略を推進するための、データモデリング技術の向上

「データモデリング」は会社で取り組み重要なテーマです

データモデリングに関する、これまでのTISの取り組みをお聞かせください。

(森)TISでは2006年に中期経営計画「exceed'08」を策定しました。その中の重要テーマの1つが「『品質+効率化』の絶え間ない追求」で す。そのため、全社の品質向上や最新技術の普及を支援する基盤技術センターでは、これまで様々な施策を推進してきました。
その1つとして力を入れてきたのが「データモデリング技術の向上」です。

なぜ、「データモデリング技術の向上」に力を入れてきたのでしょうか?

近年のビジネス環境の変化に伴い、開発プロジェクトの規模や複雑さは増しています。一方で開発期間やコストは削減されていきます。品質を維持しつつ、開発効率を高めていかなくてはなりません。

お客様の業務を理解し可視化するための手法としても、データモデリングは有効です。要件定義から外部設計の段階で十分な業務分析ができていないと、後工程での手戻りを無くすことはできません。

経営戦略を推進するための、データモデリング技術の向上

では、具体的にどのような事をしてきたかを教えてください。

データモデリングを全社的に普及させるために、全社標準として導入するモデリングツールの選定を2006年6月から始めました。選定にあたっては、既に部 門などで個別に購入しているケースが多くあったため、ヒアリングやアンケートによって情報を集めて候補ツールをリストアップしました。その中の1つが 「SI Object Browser ER」でした。

SI Object Browser ERは社内で既に使っている人も多く、全社導入してはどうかという現場からの声もいくつか挙がっていたツールでした。

なぜこれまで多くの部門で使われてきたのでしょうか。データモデリングツール活用の具体的なメリットを教えてください。

(森)ヒアリングやアンケートで多かった意見としては、次の3つが挙げられます。

  • 作業効率の向上
  • お客様との情報共有
  • 設計者間の情報共有

メリット1:作業効率の向上~二度手間をなくす~

では順に伺います。「1.作業効率の向上」とは?

(谷口)私は最近では、大衆薬を扱う製薬メーカーの、約3,000の小売店を管理する販売情報システムの構築にSI Object Browser ERを使っていましたが、まず何より二度手間がなくなるという事が大きいと思います。

具体的には、モデリングが実装にそのまま繋げられるということです。 ER図を作ると、そこからテーブル定義書などのドキュメントとDDLが同時にできます。別々に作るのでは整合性を維持する手間がかかりますが、SI Object Browser ERのようなツールを使えば、メンテナンスも1カ所で済みます。二度手間がなくなるということです。

利用者の多くは、こういった事を含めた、フォワードエンジニアリング(ER図からデータベースを生成)やリバースエンジニアリング(データベースからER図を作成)がやりたくて、購入したのではないでしょうか。

メリット2:お客様との情報共有~「わかろうとしてくれる」~

「モデル図はお客様とのコミューニケーションツールです」

次に「2.お客様との情報共有」とは?

(大小田)私は最近では中古車販売会社のCRMシステムの要件定義にSI Object Browser ER を使っていましたが、お客様との全体像の共有、すり合わせに効果的だという実感があります。

お客様は業務を言葉で説明します。私たちはそれを正確に理解、解釈しなくてはなりません。理解が正しいかを確認するときに、例えばExcelで細かいテー ブルの一覧表を見せたとします。お客様にとっては、それをチェックするのは負担のかかる作業です。小さな間違いがあってもそれを見逃してしまったり、「よ きにはからえ」というような雰囲気で先に進んでしまったり、というリスクがあります。その小さな間違いが、後工程での大きな手戻りに繋がってしまいます。

モデル図で示すとどう違うのでしょうか?

「お客様がわかろうとしてくれる」と言えます。お客様とのミーティングでSI Object Browser ERを立ち上げ、モデル図を見せます。図だと一目でわかるので、お客様が間違いを探しやすくなります。

わかりにくい資料ですと見つけにくいことでも、例えば「この線はこっちに繋がるんじゃないの」という言い方をしてくれます。こちらからも「ここは線が1個 ですか、それとも複数繋がりますか」という聞き方ができます。間違いが見つかったとしてもその場で修正できますし、修正による差分もデータベースに簡単に 反映できます。

メリット3:設計者間の情報共有~1つのリポジトリ~

最後に「3.設計者間の情報共有」とは?

(大小田)大規模なプロジェクトの場合は多くの設計者で作業を分担します。それぞれの設計者がバラバラにER図や定義書を作っているのでは、それぞれの整合性を維持することだけで時間がかかってしまいます。

SI Object Browser ERのようなツールを使うことで、関連した情報を 1つのリポジトリとして収めることが可能です。それにより矛盾点が見つかりやすくなりますし、情報共有や次の工程へ繋げることが容易になります。設計担当 者の引継ぎが発生した際にも、抜け漏れを防ぐことができます。

トライアル版を活用する

「トライアル期間のうちに成果物を作ってしまいます」

ところで、全社標準ツールとして選定される前にはどのようにSI Object Browser ERを購入されていたのですか?

(谷口)既に多くの利用者がいる部門では、新たに必要な人が増える場合にはプロジェクトの費用に初めから組み込む事が多いようです。値段も手ごろなので、承認されなかったというケースは聞いたことがありません。

あるいは、システムインテグレータの サイト から無料トライアル版をダウンロードして使ってみて、その上で購入を申請するという場合もあります。私はそうでした。

使えそうかどうか、まずはトライアル版をダウンロードしてチェックをしたのですか?

いいえ、そうではなく、その時に担当していたプロジェクトで実際に使用し、成果物を作りこみました。サンプル的にちょっとER図を描いてみるだけでは、わからないことが結構あります。ですから実際のプロジェクトでモデルを作ってみたほうがいいです。

それに実際の成果物を作ってしまったので、トライアルの期限が経ったときに「ここまで作りました。この先も使いたいので購入してください」と言えました。 どう役に立つのかを具体的に成果物で示すことができますから、申請は楽でした。私の他にも、そのようにして現場で個別購入した人は多いのではないでしょう か。

誰もが使える環境の為に、SI bject Browserを選ぶ

それでは「全社標準ツール選定」の話に戻ります。標準ツールの候補はSI Object Browser ERだけだったのでしょうか?

(森)最終的に調査対象を5つに絞りました。一番高価なものでは 1ライセンスが100万を超えるツールもありましたし、逆に無料のオープンソースのツールもありました。

その後の選定の経緯を教えてください。

まず操作性の段階でオープンソースのツールは採用を見送りました。これらは、関 連線を引くときに付けられるコネクションの位置に制限があるものが多かったよ うに思います。コネクション位置が自由に配置できないと、エンティティ数が増えた時、業務の流れを表しつつ、見やすく配置する事が難しくなります。 これは、設計者に余計なストレスをかけ、データモデリングへの苦手意識になりかねない、と考えました。

また高額なツールについては、確かに豊富な機能が搭載されて いるのですが、実際に使うことを考えると、その豊富な機能を全て 使いこなすようなプロジェクトがそれ程数多くありません。費用対効果が良くないと考えました。

最終的に残ったのは、SI Object Browser ERと別のツールの2つでした。その後の比較検討の結果、SI Object Browser ERの採用が決定されました。

なぜSI Object Browser ERが選ばれたのでしょうか?

動作が非常に軽く操作が直感的であること。実プロジェクトに耐えうる機能を備えていること。そして、全社標準ツールとしてより多くの人に使ってもらうことを考えた場合、価格面に大きなアドバンテージがありました。

SI Object Browser ERのユニークな機能

SI Object Browser ERに機能面での優位性はありましたか?

(森)アンケート結果の中には「レポート定義、レポート出力、オブジェクト名が一括変換できる」、「性能検証用に大量のテストデータを作る機能がある」と いった意見がありました。テストデータの生成は他のツールにはない、SI Object Browser ER 独自の機能ですね。

(谷口)他にも、実装面でDDLを書き出した時には日本語の論理名をコメントとしてつけられます。そしてリバースエンジニアリングをする時にはそれをまた読み込むことができます。かゆい所に行き届いたツールです。

ツールだけでは普及しない

「研修でも標準ツールにしています」

その後の導入プロセスを教えてください。

(森)2006年12月より、現在では社外にも公開されている「SKIP」という社内SNSを使って告知をし、希望者がすぐに利用できるようにしました。 SI Object Browser ERは既に利用者も多かったため、導入もスムーズでした。

普及のためのポイントは何でしょうか?

ツールを配布するだけではだめということでしょう。ツールはあくまでも手段です。データモデリングの重要性やモデリングの手法などの情報提供もセットでなければならないと考えています。
このことは、現場の意見としてもアンケート結果にはっきりと出ています。

具体的にはどのように情報提供をしているのでしょうか?

若手~中堅社員を対象とした、データモデリング研修を全社で展開しています。その研修の中でSI Object Browser ERを標準ツールとして使っています。従来までのデータモデリング研修では別の ツールを使っていたのですが、研修会社の方にお願いをして変更して頂きました。

システムインテグレータへの期待

「これからも業務を支えるツールを提供してください」

最後にシステムインテグレータへの期待を教えてください。

(森)現在ではSI Object Browser ER の普及は順調に進んでおります。それに連れて現場からの細かい質 問やリクエストも増えてきてます。これらを積極的に取り込むサー ビスをしていただけるとありがたいです。

1つ具体的にリクエストを挙げると、エンティティにつけられる色をもう少しきれ いなものが選べるといいですね。 ER図は「お客様の業務を理解して解釈したことを表現するためのもの」でもあり ます。エンティティはUMLのステレオタイプに相当する表現が無いので、色でバリエーションをつけられると、お客様とのやり取りもよりス ムーズになると思います(※1)。

これからも当社のサービス品質や生産性の向上のために、効果的なツールの提供やサポートを期待しています。またデータモデリング普及の推進役になっていただけると心強いです(※2)。よろしくお願いいたします。

※1:頂いたこのリクエストは、最新バージョンで反映しました
※2:弊社社長 梅田が過去に連載していたデータモデリングの 参考サイト

お忙しい中、ありがとうございました。

TIS株式会社様

企業サイトURL:http://www.tis.co.jp/
取材日時:2008年6月

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SI Object Browser ER ガイドブック