インフラ
【業界取り組み】
インフラ業界は、AI(機械学習)の分類、識別、特徴量を抽出する技術を活用して、以下のような取り組みが行われています。道路の外観検査から線路内の侵入者の異常検知、橋の劣化の分析・予測など、非常にAIの活用が活発な業界です。
【AI活用分野】
AI活用分野ごとにAIの活用ポイントと実際の活用事例をご紹介します。
インフラ内またはインフラ設備の異常検知
「異常検知の実現」でのAI活用のポイント
・姿勢認識の特徴を分類し、識別して、人の異常を検知できること
・画像/映像から物体を抽出して分類、識別し異常を検知できること
【線路内の異常検知にAIを活用した事例】
東急テクノシステムのニュースリリースによると、踏切監視カメラと映像伝送技術、さらにAI技術を組み合わせて、踏切の安全性向上を目的としたAIを用いた「踏切映像伝送システム」の実証実験を実施するそうです。
【出典元】ニュースリリース「人工知能(AI)を用いた「踏切映像伝送システム」の実証実験を行います」
https://www.idaj.co.jp/case/industry01/idaj_news_vol96/
【設備の異常検知にAIを活用した事例】
IT Leadersの事例ニュースによると、東京電力パワーグリッド(東京電力PG)は画像・映像解析AIと異音検知AIを活用して変電設備異常診断システムを導入し、巡視時間の50%以上の削減を目指すそうです。
【出典元】「東京電力PG、AIを活用した異常/劣化検知システムを約1300カ所の配電用変電所に導入」https://it.impress.co.jp/articles/-/17185
道路や橋の外観検査
「外観検査の実現」でのAI活用のポイント
・画像の特徴量を学習し、正常/異常の分類ができること
・学習用のデータを大量に準備することで良否判定の精度を高めることができること
【道路や橋の外観検査にAIを活用した事例】
=事例1=
株式会社大林組のプレスリリースによると、特殊なカメラで撮影した土木構造物の画像から、コンクリート表面のひび割れの幅と長さを自動検出する手法を確立し、さまざまなコンクリート構造物の初期点検に展開し、安全性の高いインフラの構築・維持に取り組んでいくそうです。
【出典元】「AIによる画像解析技術を利用したコンクリートのひび割れ自動検出手法を確立」https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20180405_1.html
=事例2=
日刊工業新聞の記事によると、地中レーダー探査装置を用いて、路面下の空洞や埋設物を調査サービスしている川崎地質株式会社は、地面下の画像データの解析作業にAIを活用することで、判定時間を約10分の1に短縮できたそうです。
【出典元】「川崎地質、AIで路面下空洞の解析サービス−下水道管老朽化に対応」https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00446230
分析/予測
「分析/予測の実現」でのAI活用のポイント
・特徴量を自動で設計できること
・予測モデルを自動で設計できること
【分析/予測にAIを活用した事例】
=事例1=
マイナビニュースの記事によると、NEXCO東日本とNTTドコモは「AI渋滞予知」(NTTグループのAI「corevo」を構成する技術)を関越自動車道に適用し、従来の渋滞予報カレンダー(渋滞予測)の所要時間予測結果と比べて、1日の最大誤差が30分以上となる日が5分の1になるなど、大幅な改善が確認できたとのことです。
【出典元】「ドコモとNEXCO東日本、「AI渋滞予知」で関越道の渋滞予測して配信」https://news.mynavi.jp/article/20191219-942406/
=事例2=
株式会社DeNAのニュースリリースによると、DeNAは、画像解析技術を活用し、広範囲かつ高頻度で降雨量を予測することができたそうです。これによりダム運用の効率化に貢献することが期待されるそうです。
【出典元】「AIを活用し、降雨量データの精度が向上」
https://dena.com/jp/press/004530
=事例3=
ITmedia NEWSの記事によると、NTTドコモと京都大学は、橋の上を車両が通る様子を撮影した動画から車両の重量を推定した上で、橋のたわみや揺れを解析し、橋の劣化の有無を推定するAIを共同開発したそうです。
【出典元】「AIが「橋の劣化」を推定 ドコモと京大が開発 打音検査を効率化、富山で実験も」https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1912/05/news149.html