検査機(ルールベース)とAIの違い
検査機(ルールベース)とAIの違い
AIと検査機は、人間と異なり疲労による判断ミスは起きません。一度設定や学習をした欠陥はほぼ認識できるため、不良品の出荷を減らすことができます。
しかしAIと検査機にも得意不得意があります。自社にとって適したほうを選ばないと、余計な負荷やコストが発生し、逆に効率が悪くなることもあります。従来実用化が難しかった外観検査の置き換えを実現するには、製品・撮像・運用の条件によってAIと検査機の適正を見極め活用することが重要です。
検査機(ルールベース)
■メリット
- 人が設定した検査ルールに該当すれば、100%の精度(ロジック)で判定が可能です。
- ピンポイントで局所(部)的な異常であれば、検出精度も高く、判定速度も速いので、高速で流れる製品の異常でも見つけることができます。
■デメリット
- 検査機に対して撮像した画像(ワークの各面の画像)の特徴量定義(長さや面積、重心、位置、色差、濃淡、類似度)を行う必要があり、かつその設定が複雑になります。
- 検査機の設定作業が属人化します。
- 明確なルール設定が必要となり、曖昧な欠陥認識が苦手なため、誤検知を防ぐ設定をした場合に過検知となってしまうことが多くなります。
AI外観検査システム
■メリット
- 設定された条件に加え、曖昧さや柔軟性など人間的感覚を数値化して表現することが可能です。
- 厳格な設定をすることなく、自ら学習して新しいルール定義に適応していくことができます。
■デメリット
- 画像(ワークの各面の画像)から寸法や面積、位置など定量的ルールの学習と検出は苦手なため高い精度が出せません。
- 目的や検査対象によって異なるが豊富な学習データ(画像)を準備する必要があります。