越境EC化のポイント 効率的に運用可能な多言語対応とは

 2021.01.25  株式会社システムインテグレータ

コロナ禍において電子ハンコやセルフレジを例に、デジタル化の動きが加速しています。その中でも購買に関しては、実店舗への来店客やインバウンド旅行客の店舗売上が減少する傾向が強く、ECの役割が以前より大きくなっているかと思います。情報発信もWebやSNSでの提供が多くなり、情報を届けたい対象は今まで以上にインターネットユーザーに変わってきています。

このような状況の中、既存のプラットフォームを越境EC化する、新たに越境ECを立ち上げることによって、販路を国内だけでなく、海外に広げる動きが加速しています。一方で、購入代行・配送代行サービスもあり、日本語のまま海外販売できるECサイトも多くなってきています。ちなみに、インターネットユーザーの利用言語は英語が全体の約25%に対し、日本語はたったの約3%しか利用されておりません。※

※参考:Internet World Stats; Nielsen; ITU; GfK /Worldwide; as of April 2019; Internet users who speak the respective language

 

今後さらに増えることが想定される越境EC化の中でも、多言語対応の注意点と、効率的に運用するためにはどのように対応すればよいかという内容についてご紹介します。ここで記載する多言語対応とは、文字だけでなく言語によるページ管理を表しています。

ECサイト構築基本ガイド

多言語対応の際の3つの課題

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主に課題としては大きく3つに分けられます。

それは①システム要件、②人的要件、③翻訳内容です。

①システム要件

まず①システム要件ですが、多言語対応を進めようとする場合にまず思いつく方法が、日本語以外のデータベースを、商品やコンテンツ等に拡張する方法です。データベースの拡張に加え、人力翻訳した情報を各言語のデータベースに登録し、デザインチェックをしてから最終公開する流れとなります。このような仕様の場合、まず課題となるのが開発コストとなります。海外からの売上がまだ上がっていない中、初期開発として投資ができないケースがあります。

②人的要件

次に②人的要件として、リリース時に全て人力翻訳で対応すると多額の翻訳費用が必要です。また、リリース後には日本語コンテンツの更新スピードに人力翻訳が追い付かない、またここでも、全て人力翻訳すると運用コストが膨れ上がるという問題があります。この運用フェーズでの課題が現状は最も大きくなっています。

③翻訳内容

最後に③翻訳内容ですが、全て人力翻訳する場合でも日本文化の表現のままでいいか、現地文化に合わせる必要があるかの検討が必要です。一方で、コストを下げるためにGoogle翻訳などの機械翻訳を利用するケースも多くなってきていますが、機械翻訳だけでは商用としては推奨できないレベルとなることもあり、誤訳なども多くなります。また、文字量の変化により意図しない改行も出てきてしまいます。

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多言語運用体制と翻訳方法について

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越境EC運用にあたり、運用体制と翻訳方法は紐づいています。運用に関するよくある事例をご紹介します。

社内のリソースで多言語での翻訳ができる

社内リソースにより、人力翻訳、または機械翻訳の後に人力修正を行うポストエディットを行うことで翻訳工数を抑えるケースがあります。取扱商品によっては現地薬事法への対応や知的財産管理により翻訳を社外に出せない場合もあり、そのような場合は全て社内のリソースで人力翻訳します。このようなケースの場合、翻訳支援ツールと呼ばれる、翻訳資産の管理や翻訳サポートを行うシステムを導入するケースが多くなっております。

社内リソースでは、人力翻訳はできないが、チェックはできる

人力翻訳を外注する、もしくは社内リソースでポストエディットでの翻訳対応になります。ただし、人力翻訳を外注する場合では、翻訳費用が負担になるケースも多くなっています。最近では機械翻訳の精度も上がってきているので、機械翻訳後に人力チェックを行うケースや、機械翻訳に用語集を持たせて対応するケースもあります。翻訳を外注する場合の留意点として、翻訳ポリシーを策定し、外注先と相互認識をもっておく必要があります。直訳に近い表現なのか、各言語圏の文化に合わせた表現を意識するのかといった情報・翻訳ポリシーを依頼する際には決めておく必要があります。

社内で人力翻訳もチェックもできない

外注で人力翻訳を行う、もしくは機械翻訳メインでの運用が多いです。翻訳を外注する場合であっても最終的な責任はEC事業者様側にあるので、コストとスピードを考慮し機械翻訳をベースとした運用を選択されることも多くなっています。その場合、間違えてほしくない固有名詞(人名、商品名、ブランド名など)や比喩表現といった用語をケアする必要があります。過去にも、機械翻訳のみで公開したコーポレートサイトの表現がおかしくなってしまい話題になったケースもありました。最近では機械翻訳も一般に広く認識されているため利用される場合も多いですが、言語が切り替わる際に翻訳が機械翻訳である旨をポップアップで表示する、承諾を得る、といったサイトも多く見られます。

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翻訳対応だけではない越境EC化

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多言語対応の中でも翻訳をメインに記載しましたが、越境EC化の多言語対応には他にも様々な考慮が必要となります。

画像対応

ECサイトではバナーを画像として管理するケースが多いですが、多言語対応をする場合は画像内のテキストを言語別に翻訳し画像を作成する必要があります。そのため、ページを作る際に画像の中に文字を入れずに作成するケースも増えております。または、文字を画像の上にHTMLで管理することによって、Google翻訳などを離床して翻訳が可能となり、画像の多言語対応にかかる工数が不要になります。越境ECでも日本語の画像のままのサイトも多くあるので、対応しないという判断もあるかと思います。

言語別デザイン調整

日本語から英語やドイツ語に変換する場合、文字量が多く(文字数が長く)なります。そのため日本語のデザインにはなかった改行が入ったり、フレームをはみ出してしまうなど、想定していないデザインのズレが起こる場合があります。そのため、CSSで言語別に幅やフォント調整が必要になります。

また、文字変換としての翻訳対応だけではなく、利用言語により売れ筋商品や見られるコンテンツ量も変わってきますので、できれば言語別に文化・商習慣を意識して訴求内容を変更されることをお勧めします。

海外SEO対応、プロモーション

Google翻訳などの機械翻訳でフロントのみ言語切り替えをする場合、翻訳情報はインデックスされていません。そのためEC自体は翻訳されているように見えますが、海外SEO対応はできない仕様となっています。その場合はSNSでの集客にも力を入れるなど他の対応が必要です。

データベースに多言語で情報を持つ、海外SEO対応可能な翻訳管理(多言語管理)システムを導入するといった場合はインデックスされますので、翻訳した情報での自然流入も一部見込まれます。また、国内のリスティング広告の延長で海外にも対応するケースも見られますが、対応言語ごとにしっかり対応することで効果が大きく変わります。

まとめ

Business people shaking hands during job recruitment meeting in office

越境EC化に際しては上記のような課題の他にも、よく不正チャージ対応、海外クレジットカード対応に関する決済周りの改修や配送の整理、GDPRやグレート・ファイアウォール対応などが挙げられます。全て対応するとコストもスケジュールもすごいことになります。ちなみに、現状のECサイトでGoogle Analyticsなどの解析ツールを見ていただくと、すでに全体の0.1%から多いと数十%の割合で海外からのアクセスがあります。スモールスタートで反応を見ながら投資を大きくしていく手法もあるので、商機を逃さないことが肝要です。

今回、越境EC化の中でも、特にリリース後に課題が多くある多言語対応について説明しました。コミュニケーションやブランディングにもつながる部分でもあるので重要な対応となります。デジタル化の流れの中で越境EC化を検討したい、言語対応はしているが効果が出にくい・運用に困っている、というような方は、翻訳管理ツール、翻訳支援ツールで工数を抑えながらも効率よく運用もできるのでツール導入も検討してみてください。

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