カスタマーサクセスとは

 2021.10.12  株式会社システムインテグレータ

「カスタマーサクセス」という言葉を聞くようになって久しいですが、従来使われてきた「顧客満足度」や「カスタマーサービス/サポート」との具体的な違いを認識していない人は意外と少なくありません。サブスクモデルのビジネスが広く普及してきた昨今、カスタマーサクセスは顧客の解約率の低下に欠かせない要素となっています。本記事では、カスタマーサクセスの概要と取り組みについてご説明します。

カスタマーサクセスとは

Hand writing with a black mark on a transparent board - Smiley

カスタマーサクセス(Customer Success)は、「顧客を成功に導くための取り組み」です。最近になってこの言葉が大きくクローズアップされてきたのは、SaaS(Software as a Services)やサブスクリプションモデル(Subscription Model)などのように一定期間中サービスを利用できる契約形態が普及し、チャーンレート(解約率)を下げることが至上命題になったためです。顧客がサービスを利用して成功していれば解約されない、逆にいえば成功していないのなら解約されるということなので、顧客を成功させることが最も重要だと考えられるようになったのです。

カスタマーサクセスと顧客満足度の違い

カスタマーサクセスを略するとCSになります。しかし、ほんの数年前までCSといえば顧客満足度(Customer Satisfaction)を意味することがほとんどでした。では、カスタマーサクセス(CS)と顧客満足度(CS)はどう違うのでしょうか。

この2つのCSは、違うといえば違うし、同じといえば同じです。カスタマーサクセスが顧客に成功体験をさせるための「取り組み」であるのに対し、顧客満足度はそれを測る「指標」で、「向上」などの言葉と一緒に使われます。つまり、顧客満足度の向上を図る取り組みがカスタマーサクセスということになります。

なぜ、ここにきてカスタマーサクセスという言葉が出現して広く使われるようになったのでしょう。その背景にはSaaSに代表されるクラウドサービスの普及があります。

もともと顧客満足度の向上というキーワードは、昔から多くの企業のスローガンに掲げられて取り組まれてきました。誰でもアンケートによる顧客満足度調査などを一度は経験していると思います。しかし、10年くらい前から消費スタイルが「モノの所有からサービスの利用」へ大きく変わり、チャーンレートを下げるための顧客満足度の向上が以前よりもさらに重要視されるようになりました。そこで、従来通りの顧客満足度という言葉を使うより、新しい言葉を使った方がインパクトありそうといったマーケティング的視点でカスタマーサクセスという言葉が急に広まったのです。

カスタマーサクセスとカスタマーサービスの違い

同じCSが意味する言葉にカスタマーサービスやカスタマーサポートがあります。カスタマーサクセスとこの2つのCSは、ニュアンスも役割も違います。

カスタマーサービスやカスタマーサポートという言葉もまた古くから用いられており、多くの場合は保守サポートと同じ意味で使われます。カスタマー(顧客)にサービスやサポート(支援)を提供する業務なので、本来は前向きな業務も含まれるのですが、一般的には問い合わせ対応やクレーム受付、不具合対応などお客様側で発生する不具合や障害に対応する「待ち」の業務が中心です。

一方、新しく登場したカスタマーサクセスは、顧客満足度を高めるためにユーザーの利活用を支援したり、要望をフィードバックしたりするといった攻めの取り組みです。どちらのCSも攻めと守りの両方を担うものだ、としても間違ってはいないのですが、一般的にカスタマーサクセスは攻め、カスタマーサービス/サポートは守りの役割を課されていることが多いでしょう。また、カスタマーサクセスは今のところ主にSaaSやサブスクモデルなどで使われていますが、カスタマーサービス/サポートはそれらに限らずすべての製品・サービスで使われています。新しく登場したカスタマーサクセスの方が優れているなどということはまったくなく、どちらも顧客の成功を支えるうえで重要な取り組みです。

CS_01

図1:3つのCSの関係

顧客の成功とは

カスタマーサクセスの直訳は「顧客の成功」です。これが実際に何を意味するのか少し掘り下げて考えてみましょう。

例えば当社で提供しているプロジェクト管理システム「OBPM Neo」の場合、顧客の成功は「このシステムを導入したことですべてのプロジェクトがうまくいくこと」です。その結果、利益率が上がり、会社の信用が高まり、社員もイキイキと仕事ができるようになる。つまり、顧客の成功とは、「期待したとおりの導入効果を得る」ということにほかなりません。

CS_02

図2:顧客の成功

先ほど、カスタマーサクセスと顧客満足度は、違うといえば違うし、同じといえば同じだと述べました。使い勝手がいい、デザインが気に入っている、利用料金に満足、保守サポートが丁寧、どれも顧客満足度を示す言葉であり、必ずしも導入効果を成功とするカスタマーサクセスと同じではないように思えます。しかし、これらの満足があわさった結果として期待どおりの導入効果が得られているかを総合的に判断するのが顧客満足度だと考えれば、やはり2つのCSは同じともいえるのです。

カスタマーサクセスの取り組み

カスタマーサクセスでは、具体的にどのような取り組みが行われるのでしょうか。実は、従来のカスタマーサービスと取り組み内容がどう違うか、意外とわかっていないケースが多いです。そこでプロジェクト管理システム「OBPM Neo」を例に説明しましょう。

この場合の「顧客の成功」は、「このシステムを導入したことですべてのプロジェクトがうまくいく」でしたね。この究極の目標は漠然としているので、これをブレークダウンして「利用者がシステムを有効に活用する」という目標に落として考えてみます。このようにブレークダウンすると、次のように具体的な取り組みが見えてきます。

  1. 利用状況を調査し、活用が不十分なユーザーを見つける
  2. 利用者の要望や不満に耳を傾け、サービスの向上や製品の改良に活用する
  3. 利用者の悩みや課題を聴き、適切にアドバイスする
  4. ユーザーに対して、良い活用方法をレクチャーする
  5. サクセスするために、組織的な課題や運用の課題なども解消する
  6. システムの不具合や障害の問い合わせを受け付け、改善・改修する

6は従来のカスタマーサービスの主な内容ですが、15はこちらから働きかける取り組みです。カスタマーサービスは「来た球を打つ」という待ちのスタンスなのですが、カスタマーサクセスは「こちらから行く」積極的スタンスなのです。

まとめ

カスタマーサクセスを推進するためには、顧客からのアクションを待つだけではなく、事業者側から働きかける体制が必要です。しかし、顧客が利用中の製品・サービスに何を求めていて、どこに不満があるのか、しっかりと把握するのは難しいというのが現実です。

Voice Ticketsは、エンドユーザーの「生の声」を簡単な方法で収集し、体系的に管理できます。製品・サービスの改善の方向性を適切に定め、顧客満足度を上げることで解約率を下げたいとお悩みでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

(梅田 弘之)

CTA

RELATED POST関連記事


RECENT POST「カスタマーサクセス」の最新記事


カスタマーサクセス

チャーンレートとは

カスタマーサクセス

チャーンレートの計算方法

カスタマーサクセス

カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い

カスタマーサクセスとは