チャーンレートの計算方法

 2021.10.06  株式会社システムインテグレータ

サブスクリプション等の解約率を示すチャーンレートは、ストック型ビジネスにおける重要な指標のひとつです。ただし、一言に「チャーンレート」といっても、さまざまな算出方法があります。本記事では、チャーンレートの種類と、それぞれの計算方法についてご紹介します。

チャーンレートについては以下の記事で解説しています。
関連記事:チャーンレートとは

チャーンレート計算方法

実はチャーンレートの計算方法はいろいろあります。そのため、「うちはチャーンレート2%です」と公言していても、どのような計算で求めているのかを確認しない限り「すごい!」と言えないわけです。

まずは最も簡単なカスタマーチャーンレートで計算方法を比較しましょう。

カスタマーチャーンレート

カスタマーチャーンレートは、顧客数をベースにしたチャーンレートです。似たものとしてアカウント数をベースとしたアカウントチャーンレートがありますが、顧客数=アカウント数である場合、どちらも同様となります。

カスタマーチャーンレートは次の計算式で求められます。

カスタマーチャーンレート=期間内の解約数(Y)÷ 期間の初日の契約総数(X)×100%

 

期間は年と月がよく使われますので、年次チャーンレートと月次チャーンレートを表した図1のモデルケースを使って2つの計算方法を説明します。

年次チャーンレート…期間を年とした場合のチャーンレート

1年前の契約数(X)が100社で、この1年で解約した数(Y)が20社とした場合

年次チャーンレート:20÷100×100=20%

月次チャーンレート…期間を月とした場合のチャーンレート

月初の契約数(X)が100社で、この1か月で解約した数(Y)が2社とした場合

月次チャーンレート:2÷100×100=2%

 

ここで注意したいのが、年次チャーンレートは月次チャーンレートを12倍にしたものではないということです。年次チャーンレートは過去1年の契約数、月次チャーンレートは過去1か月の契約数で解約数を割って算出するので、当然ですが単純に「初月の月次チャーンレート×12=年次チャーンレート」の式は成り立ちません。例えば月次チャーンレート2%が12か月続いたとしたら、年次チャーンレートは21.53%になります。このように年次と月次でチャーンレートが大きく異なりますので、どちらのチャーンレートのことを言っているのか注意が必要です。なお、年次チャーンレートを用いた場合でも、1年に1回計算するということではなく、毎月、直近1年間を移動集計していきます。

年次チャーンレートと月次チャーンレート

図1:年次チャーンレートと月次チャーンレート

レベニューチャーンレート

レベニューチャーンレートは、収益をベースにしたチャーンレートです。次の計算式で求めます。

レベニューチャーンレート=途中解約により得られなかった金額(Y)÷ 期間内の総収益(X)×100%

 

表1のケースで計算してみましょう。表1では、年初に月額利用料10万円のシルバープランを6社、30万円のゴールドプランを2社契約しています。シルバーのうち2社が5か月、ゴールド1社が7か月利用したところで契約を更新しなかったとします。また、4か月目に1社、7か月目に1社、シルバーの新規契約が取れたとして、レベニューチャーンレートはいくらになるでしょうか。

途中解約により得られなかった金額(Y)は、図のオレンジの部分の合計(解約損失の計)で290万円です。期間内の総収益(X)は、図のピンク部分の合計(収益の合計)で1,300万円なので、次のような計算になります。

レベニューチャーンレート(Y÷X):290万円÷1300万円×100%=約22%

 

churn-rate-calculate_chart1

表1:チャーンレートの計算

ちなみに、このモデルのカスタマーチャーンレートを計算すると、1年前の契約者数(X)が8社、年間の解約数(Y)が3社なので次のような計算になります。

カスタマーチャーンレート(Y÷X):3社÷8社×100%=37.5%

契約期間縛りのある場合の月次チャーンレート

一般にBtoBのSaaSやサブスクモデルなどの契約は一定期間解約できないという条件が付くことが多いです。その場合のチャーンレート計算方法として、当社がKPIとしているのが次のような更新チャーンレートです。

更新チャーンレート:当月の解約数(Y)÷当月の更新対象数(X)×100%

 

つまり、当月更新対象者のうち何社が更新し、何社が解約したかを見ています。3社に1社が解約するなら33.3%になるというわかりやすい数値です。

表1が契約縛り1年のモデルで、太字の月がユーザーの契約更新月だとしましょう。8月目のチャーンレートを通常の月次チャーンレートで計算すると次のようになります。

8月の月次チャーンレート:8月目の解約数(X=1)÷7月目の契約数(Y=8)×100%=12.5%

 

一方、更新チャートレートは、分母が更新対象の会社(E社、F社、I社)だけになるので次のような計算でだいぶレートが高くなります。

更新チャーンレート:8月目の解約数(X=1)/8月目の更新対象数(Y=3)×100%=33.3%

 

通常の月次チャーンレートも計算しているのですが、その場合まだ更新タイミングのこない新規契約数の増減の影響を受けてしまうので、それとは別に更新チャーンレートをKPI指標としているのです。

なお、更新チャーンレートを年単位で計算する場合は、次のような計算式となります。契約縛り期間が1年間の場合は、1年前の契約者数=1年間の更新対象数となるので、通常の年次チャーンレートと同じになります。

更新チャーンレート(年次)=1年間の解約数(X)÷1年間の更新対象数(Y)

チャーンレートの適正値

チャーンレートを下げるためには、これをKPI(Key Performance Indicator)として毎月計算するとともに、目標チャーンレートを定めてカスタマーサクセスの努力を継続する必要があります。ところでチャーンレートの適正値とはいくらなのでしょうか。これはサービス内容により異なるので一概に言えないのですが、Recurly Researchが2018年に1500を超えるサブスクリプションサイトを調査したレポートが参考になりますので紹介しておきます。

Recurly Researchのチャーンレート調査レポート

この調査によると、B2Bの平均が5.0%、B2Cが7.05%と、B2Bの方が低くなっています。また、業界別のチャーンレートもグラフ表示されていて、SaaSは少し低く4.79%となっています。価格別の比較もされており、低価格サービスのチャーンレートの方が少し高いという傾向もうかがえます。

なお、ここで表示されているチャーンレートはアカウントベースの月次チャーンレート、すなわち「その月に解約したサブスクライバー数/月初めのサブスクライバー数」で求めたものです。

自社でどのチャーンレートを指標とするのが最適か、検討する際にはぜひ参考にしてください。

(梅田 弘之)

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