文系からAI人材になれるのか? 文系出身者に向いている職種とは

 2022.12.15  株式会社システムインテグレータ

今、文系AI人材の注目度が増していることをご存知でしょうか?この記事では、人気書籍『文系AI人材になる』の要約を通して、文系出身でもAI人材として活躍できる理由を解説していきます。文系向け職種の紹介AI人材に文系出身者を採用するメリットについても解説します。『文系AI人材になる』の内容が気になる方や人事・教育担当者の方は、AI人材の採用や育成にお役立てください。

『文系AI人材になる』の要約

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現在のAIは、機械学習やディープラーニング(深層学習)と呼ばれます。AI人材は、それぞれで求められる知識やスキルによって大きく3つに類型化できます。「AI自体を進歩させる人材」「AIを具現化する人材」「AIを活用する人材」です。
野口竜司さんの『文系AI人材になる』は、斬新な視点でAI人材の未来について述べた話題作です。まず、書籍の要点を3つの重要ポイントに分けて解説します。どうして文系がAI人材として活躍できるのか、その理由を学びましょう。
文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要

AI時代の特徴

AI時代の大きな特徴は、「変化が推奨される」ということです。優秀なAIが発明されたことで、この世の中から多くの職業が姿を消しつつあります。しかし同時に、AIは新しい職業を生み出しています。AI関連職種やデータ管理の職業は、その一例でしょう。そのため、AI時代を生き抜くためには、新しく生まれたAI職に就くための準備が必要なのです。

変化を恐れて何もしないでいると、その間にAIに自分の仕事が奪われるリスクが高まります。AI時代に安定して働き続けるには、新しい世界を見越して、自分から積極的にAI人材になるべく動き出すことが求められます。

人とAIとの共働きとは

AIの存在はこれからもっと一般的になっていき、「人とAIとの共働き」状態が予想されます。この共働きスタイルは以下の5つの種類に分けられます。

・人間だけで仕事をする「一型」(マネジメント、クリエイティブ業務など)
・AIが人間のサポートを行う「T型」(接客、営業、教育など)
・AIが人間の仕事を拡張する「O型」(医療関係など)
・AIにできない仕事を人間がサポートする「逆T型」(運転、データ入力など)
・AIが人間の仕事を代行する「I型」(監視、注文会計など)

これからは、AIの特性をよく理解して、互いに活用し合いながら生活する時代が到来するでしょう。人間とAIがうまく共存するためには、AIとの関係性をコントロールし、使いこなしていかなければなりません。

AI人材になるために何を学ぶべきか

AI時代に活躍できる人材になるために、全部で4つのステップを踏んで勉強しましょう。まずは、「AIの基本事項を丸暗記する」ことです。学習方式や活用タイプの種類など、専門用語や基本的な仕組みについて知識を得ます。「次に、AIはどうやって作られているのか」について学んでおきましょう。AIは、「データ作成」「学習」「予測」の3プロセスを経て実行します。メカニズムをしっかりと理解しておくと、スムーズに仕事を進められます。

その後、「AIをどんなことに活用できるか」について、アイデアを出す企画力を身につけます。とにかくたくさん案を出したら、実現に向けてアイデアをまとめていきましょう。最後の「AIの活用事例をたくさん勉強すること」も、とても重要です。有名企業の成功例は、自社のアイデアを考える際にも十分活用できるでしょう。書籍内では、参考になる事例を45例も紹介しています。

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デジタル人材とは? IT人材との違いや育成方法について解説

今後文系AI人材に期待されていること

AIを「作る」仕事は理系AI人材が担っていますが、これからはAIを「使う」仕事を文系AI人材が担っていくことになるでしょう。現在、AIの活用方法を考案したり、現場へのAI導入時の計画立案を実施したりといった業務を担える人材は不足しているからです。なお、AIが生活の中でスタンダード化した現代において、AI構築の専門知識がなくても、AI業界で仕事することはほとんど問題がありません。

これからAIがもっと活用されると、働き方も変化していきます。社会のあり方を変えられるほどのポテンシャルを、文系AI人材は秘めているということです。「AIを使う人間」へのフォローアップがまだ足りていない現状を救うためにも、文系AI人材は大事な役割を任されています。

文系からAI人材になれるのか?

AIを取り巻く環境は日々変化しているため、文系からでもAI人材になることは可能です。AIを取り扱うIT企業の業務のすべてに、理系の高度な知識が必須なわけではないからです。

特に、希望するシステム内容をクライアントからヒアリングして計画内容を検討していく「PoC」(概念実証、コンセプト実証)は、文系出身者のスキルが役立つ業務でしょう。ある程度理系のスキルを持つ文系出身者を、積極的に採用したいと考えるIT企業の採用担当者も少なくありません。

理系出身者が構築したAIを、文系AI人材がうまく活用する。理系の良さと文系の良さを分かち合いながら、それぞれが輝ける業務を担当する環境が、これからのAI時代の特徴となるでしょう。

文系出身者に向いている職種とは

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文系出身者に向いているAI人材の職種は、AIの活用方法や導入計画に関する仕事以外にもあります。先述の「Poc」を担当するのは、システムエンジニアですが、今後文系AI人材が活躍する場面も増えてくるでしょう。

また、文系出身でもAIエンジニアとして活躍可能です。AIエンジニアは、アナリストとプログラマーの2種類に分けられます。プログラマーとしてAI開発を行う文系出身者はなかなかいませんが、データ解析やチューニングなどをメインに行うアナリストは、文系AI人材の方でも活躍できる可能性はあります。

AIを扱ったデータサイエンティストの仕事も、データや統計に興味関心が高く適性があれば、理系出身者と同じように活躍できる可能性があります。特に、経済学部や社会学部で統計学を学んでいた人などは、大学で学習した内容を生かせるでしょう。
企業の課題解決を担うコンサルティングファームやITシステムの開発や運用を請け負うSIer企業で、コンサルタントやシステムエンジニア、データ集計などの経験があると、データサイエンティストなどへの転職も可能です。

文系AI人材の採用や育成

ただし、データサイエンティストを含む多くのAI人材は、別途プログラミングスキルが求められる場合もあります。その場合は大学で学んでこなかった内容を、1から勉強しなければなりません。通常は、採用後の研修にも時間を要します。

そのため文系出身者のAI人材を起用する際は、新しい分野や技術に意欲的に挑戦し、基礎的な知識の習得のために努力を惜しまない学習意欲の高い人であるかを見極めることが大切です。これからの企業の発展を見据え、IT人材の裾野を広げるためにも、適性のある文系出身者を意識的に採用することをおすすめします。

AI人材を目指す文系出身者が求人に応募する際は、文系出身者にも機会を開いている企業か、どのような職に就いて仕事内容はどのようなものか、研修が充実しているか、といった点に着目するでしょう。企業側は、このような背景を理解した上で、文系出身者向けの研修制度や活躍の場を準備し、情報を広く発信する必要があります。

まとめ

今後は文系出身者もAIを使う業務で活躍できる時代になるでしょう。「PoC」を行うシステムエンジニア、アナリスト、データサイエンティストなどの職種では、文系のスキルを生かすことが可能です。

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