「ロジカルシンキング」とは、物事を要素ごとに分けて合理的な思考や方法論で考えることです。そして、ロジカルシンキングを身に付ける近道は、ロジカルシンキングのフレームワークを1つ1つ自分のものにしていくことです。このブログでフレームワークのイメージをつかんでいただければ幸いです!
そもそもロジカルシンキングって何?という方は、次のブログがオススメです。
ブログ:ロジカルシンキングとは?
情報整理のフレームワーク 「ロジックツリー」
ロジックツリー
【効果】
情報整理ができ、最善の選択肢を探すことができる。
【意味】
選択肢を論理分解していくと、ツリー状になっていくことから、その名がつけられた。「Whyツリー」「Howツリー」ともよばれ、それぞれ「なぜ?」「どうやって?」を展開していくことで見つけたい答えにたどりつくことができます。
【使い方(Howツリーの具体例)】
目標やテーマを決め「どうやって?」と展開していきます。
例えば、目標が「利益を増やす」だとしたら、「利益を増やすにはどうしたらいいか?」と展開します。まずは「収入を増やす」「支出を減らす」という2通りに展開できますね。さらに「どうやって?」と展開していきます。
「収入を増やす」⇒「既存顧客にアプローチする」「新規顧客にアプローチする」
「支出を減らす」⇒「人件費を抑える」「諸経費(人件費以外)を抑える」
これらをさらに「どうやって?」と展開していきます。
「既存顧客にアプローチする」→「DMを送る」「アポイントを取る」
「新規顧客にアプローチする」→「広告を打つ」「SNS運用に注力する」
「人件費を抑える」→「業務を効率化する」「事務仕事をアウトソースする」
「諸経費を抑える」→「節電する」「社用車の台数を減らす」
このように、展開して出てきた選択肢の中から、「これぞ!」と思うものを選択することで、網羅的な検討を経た納得感のある答えを出すことができるのです。
アイデア発想のフレームワーク 「SCAMPER」
SCAMPER
【読み方】
すきゃんぱー
【効果】
アイデア発想の枠が広がる
【意味】
「SCAMPER」とは、以下のワードの頭文字を取ったもの。
Substitute(代用できないか?)
Combine(結合できないか?)
Adapt(応用できないか?)
Modify / Magnify(修正/拡大できないか?)
Put other uses(転用できないか?)
Eliminate / minify(削除 / 削減できないか?)
Reverse / Rearrange(逆転/再編集できないか?)
【使い方(具体例)】
あるテーマを進行役が「SCAMPER」の中から「何かと代用できませんか?」「何かとくっつけられませんか?」「何かに応用できませんか?」と一つずつ質問していきます。
例えば「今までに存在しないイス」がテーマだとしたら、
「何かと代用できないか?」→ イスの素材を「木」ではなく、「紙」にしてみる
「何かに応用できないか?」→ 「ベット」にもできるイス
「何かと結合できないか?」→ イスと「テーブル」を一体化する
このように、テーマと切り口を一つひとつ組み合わせていくことで、強制的にアイデアを生み出すことができるのです。
他にも、あらかじめ「S・C・A・M・P・E・R」を書いたシートを用意して、そこに出てきたアイデアを書いてもらう方法もあります。この時、要素や属性に分け書いてもらうことで、さらに違った切り口で発想することができます。
プレゼン力向上のフレームワーク 「ピラミッドストラクチャー」
ピラミッドストラクチャー
【効果】
要約力が身につき、相手に簡潔に伝えられる
【意味】
自分の言いたいことを頂点として、相手の理解するプロセスが「ピラミッド構造」になっていることから、その名がつけられた。
【使い方(具体例)】
まず、もっとも「自分のいいたいこと」をピラミッドの天辺とします。次に、この「自分のいいたいこと」について、相手がどんな疑問を持つか考えます。その後、出てきた疑問の答えを出します。最後に、出てきた答えに説得力を持たせる説明を考えます。
例えば、「国内市場から撤退すべきだ」という、最も言いたいことがあったとします。
それに対して、「国内市場の見通しが悪いから」「競合が増えすぎ収益率が悪い」「自社の強みはグローバルにある」などを、相手の疑問と位置づけます。「国内市場の見通しが悪いから」は、「市場規模が小さい」「市場の成長率が低い」「人口減少していくから」という説得力のある説明を考えます。
このように、相手の立場になって「なぜ?」を繰り返して、それを説明することで、相手に簡潔に伝えることができるのです。
事業分析のフレームワーク 「SWOT分析」
SWOT分析
【読み方】
すうぉっとぶんせき
【効果】
効果的な企業戦略を打ち出せる
【意味】
「SWOT」とは、以下のワードの頭文字を取ったもの。
Strength(強み)
Weakness(弱み)
Opportunity(機会)
Threat(脅威)
【使い方】
まず、自社の資源の中にある内部環境を把握します。Strength(強み)は何か?Weakness(弱み)は何か?です。
「ラーメン屋」を例にしてみましょう。
強み:駅前で立地が良い
弱み:回転率が悪い
その後、自社を取り巻く外部環境を把握します。Opportunity(機会)となるトレンド、Threat(脅威)となるトレンドを洗い出します。
機会:ラーメンブームが再来している
脅威:近くに競合店が複数できた
これら要素を洗い出したら、「強み×機会」「強み×脅威」「弱み×機会」「弱み×脅威」の組み合わせから、どんな戦略ができるかを考えます。
強み×機会:「ブームに乗っかり、店先に広告を打つ」のような戦略
弱み×脅威:「提供スピードを改善しつつ、他店との差別化を図る」のような戦略
目標達成のフレームワーク 「SMARTの法則」
SMARTの法則
【読み方】
すまーとのほうそく
【効果】
的確な目標設定ができる
【意味】
SMARTとは、以下のワードの頭文字を取ったもの。
Specific(具体的、分かりやすい)
Measurable(計測可能)
Achievable(達成可能)
Realistic(現実的)
Time-related(期限つき)
【使い方】
組織で共通のゴールに達成するためには、チームでどんな目標を、どれだけ共有できるかがカギとなります。
例えば、「月間売上○○万円を達成したい!」と思ったら…
SMARTの法則 | フレームワークの説明 | 具体例 |
Specific | 具体的で分かりやすいかどうか? | 10日で○○万円売り上げる |
Measurable | 成果が計測可能かどうか? | 1契約○万円=1人当たり○件成約する |
Achievable | 達成可能かどうか? | 他部署とのクロスセルに成功すれば、ギリギリ達成可能 |
Realistic | 現実的な目標かどうか? | 過去に○○万円は達成したことがある |
Time-related | 期限はいつか? | 期限は半年以内 |
このように、SMARTに沿って目標をチェックすることで、自分のチームに合った的確な目標が作れるのです。
業務改善のフレームワーク 「PDCA」
PDCA
【読み方】
ぴーでぃーしーえー
【効果】
継続的に業務改善が行える
【意味】
「PDCA」とは以下のワードの頭文字を取ったもの。
Plan(計画)
Do(実行)
Check(評価)
Action(改善)
【使い方】
まず、「Plan」で計画や方針を打ち立て、実現可能な実行計画をつくります。次の「Do」では、「Plan」に従って、実行しながら計画の進捗度を測ります。さらに「Check」で、目標の達成度、成果、手順などを評価し、成功・失敗の原因を分析します。最後に「Action」で、「Check」で得られた改善点を、次の計画にフィードバックします。
そして再び、「Action」で得られたフィードバックをもとに、「Plan」をつくります。以降、このサイクルを繰り返していくことで、業務改善が行えるのです。
知っておきたい点として、「PDCAが破綻してしまう場合」があります。
「P」において、目標や計画が曖昧だったり、あまりに大き過ぎたりする
「D」において、目標や計画の通りに実行されない。
「C」に関して、検証も評価がすっ飛ばされてしまう。
「A」において、失敗や反省が十分反映されず、同じやり方を繰り返してしまう。
最後に
以下のようなフレームワークをご紹介しましたがいかがでしたか?
- ロジックツリー
- SCAMPER
- SMARTの法則
- ピラミッドストラクチャー
- PDCA
- SWOT分析
分析や資料作成などの不慣れな分野の仕事にチャレンジするとき、「***(分野の名前) フレームワーク」を検索したり、先輩に何かオススメのフレームワークや考え方ありますか?と聞いてみると、仕事の質がグッと上がると思いますよ。ぜひチャレンジしてみてください!
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