ライブラリとは「システム内の要所要所で使える便利なシステム群」のことです。昨今のプログラミング業界ではなんでも1から自分で作るということはほぼなくなりましたが、それはこのライブラリが発達したおかげです。
本記事ではライブラリの概要、具体例、ライブラリの使い方についてPythonで少しだけ解説します。ライブラリを使えるようになることで、システム開発が大幅に楽になりますよ!
ライブラリとは
プログラミングとは1つのサービスやシステムを作ることですが、そのシステムは他の様々な「小さなシステム」によって支えられています。その「小さなシステム」もさらに小さなシステム群によって作られており、1つの大きなシステムは「小さなシステム」がツリー状にぶら下がってできているのが基本です。
さて、この「小さなシステム」のうち、大きなシステムから切り離して、他のシステムにも転用できそうなものがあるようです。そして、それらの「小さなシステム」を大きなシステムから切り離し、誰でもいつでも使えるようにすることに成功しました。
この「誰でも使える小さなシステム群」を「ライブラリ」と呼びます。プログラミングはライブラリをうまく活用することで、自分で開発することなくスムーズに開発ができるようになります。
フレームワークとの違い
似たようなシステムにフレームワークが存在しますが、ライブラリが便利な小さなシステム群なのに対し、フレームワークは「全体の処理の流れがある程度決められている開発ツール」です。
ライブラリは小さなシステム、フレームワークはシステム全体の枠組み、と覚えておくと良いでしょう。詳しい内容は別途ブログにまとめますので、参考にされてください。
※「フレームワークとは?」ブログは現在執筆中です。
ライブラリの具体例
ここではライブラリのイメージをさらに持ってもらうため、Pythonを例にどんなライブラリがあるのかを見ていきましょう。
json
jsonとはJavaScriptの表記法で作成されたデータで、異なるシステムやプログラミング言語間でのデータのやりとりをする際に用いられます。
jsonライブラリはPythonでjson形式のデータを簡単に扱えるようにするためのライブラリで、例えばPythonとJavaScript間でのデータの受け渡しなどで使われます。
random
randomは乱数を生成してくれるライブラリです。ランダム性のあるゲームを作る場合や、出た数値に応じて処理をランダムに分岐させたい場合などに使われます。
math
mathは数学計算用のライブラリです。mathを使うことで次のような計算が可能です。
- 平方根
- 切り捨て・切り上げ・四捨五入
- 乗数計算
- 自然対数
- サイン・コサイン・タンジェント
ライブラリの使い方(1)
最後にPythonで実際にライブラリを使ってみましょう。
Pythonでライブラリを使う場合はimport文を使います。
コード:
import json #辞書 #json文字列に変換 print(json_str) |
結果:
{"tokyo": "東京", "osaka": "大阪", "kyoto": "京都"} <class 'str'> |
最初にjsonライブラリをimportでインポートしています。
dicには辞書形式のデータが格納していますね。
それをjson.dumpsでjson形式の文字列に変換。json.dumpsはjsonライブラリの機能の一つで、Pythonのオブジェクトをjson形式の文字列に変換する機能を持っています。ensure_ascii=Falseすることで日本語を日本語のまま変換できます。
type()で出力した結果で文字列になっているのが分かります。
ライブラリはこのようにして使います。また、jsonライブラリはdumps以外にも色々な機能があります。
ライブラリの使い方(2)
今度は反対にjson文字列を辞書に変換してみましょう。
コード:
import json #json文字列 #辞書に変換 print(dic) |
結果:
{'tokyo': '東京', 'osaka': '大阪', 'kyoto': '京都'} <class 'dict'> |
json_strはjson文字列で、これをjson.loadsで辞書に変換しています。例えばjavascript側から受け取ったjson文字列をPythonのオブジェクトとして扱いたい場合に便利です。
このように、ライブラリにはいくつかの機能がまとめられているのが一般的です。json関連の機能にはjsonという名前が、数学計算関連の機能にはmathという名前がラベリングされているというイメージです。
まとめ
ライブラリがプログラミングにおいて便利なシステムの集まりという話をしてきました。ここでは3つのライブラリのみ紹介しましたが、Pythonのライブラリは標準で用意されているものと第三者が作成したものを合わせると、10万以上のライブラリが存在します。
昨今のシステム開発では「いくつものライブラリを組み合わせてシステム開発をする」のが当たり前となっています。目当てのライブラリを探すこと、そのライブラリをうまく活用できるようになることは、システム開発をスムーズに進め、効率的なプログラミングができるようになるためにかかせません。
ライブラリを積極的に探し、学び、活用していきましょう!
- カテゴリ: